テラーノベル
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第2話「エスカレート」翌朝。
「おはよう!」
花巻はいつものように笑顔で教室へ入った。
その笑顔を見て、教室のあちこちから小さな笑い声が聞こえる。
「よく普通に来られるよな。」
「昨日あんなことされたのに。」
誰かがそうつぶやいた。
花巻は聞こえないふりをして席に着く。
机の中を開けると、昨日まで入っていたノートが見当たらない。
「……ない。」
周りを見渡しても、誰も目を合わせない。
やっと教室の後ろでノートを見つけると、数人の男子が笑っていた。
「探し物、見つかった?」
花巻は何も言わず、ノートを拾い上げる。
「ありがとう。」
その一言だけを残して席へ戻った。
「怒らないんだ。」
「つまんねー。」
そんな声が背中に刺さる。
昼休み。
「班を作って。」
先生の声が響く。
教室中が一斉に動き出す。
しかし、花巻の周りだけ誰も来ない。
「……。」
しばらく立ち尽くしていると、先生がため息をついた。
「花巻、早く班に入れ。」
「……はい。」
花巻が近づくと、どの班も困ったような顔をする。
結局、先生に言われて一つの班へ入ることになったが、その班では誰も花巻と話そうとしなかった。
放課後。
部活へ向かう途中、花巻は手を洗いに洗面台へ立ち寄る。
蛇口をひねったそのとき。
後ろから笑い声が聞こえた。
次の瞬間、頭から冷たい水がかかった。
制服が濡れ、髪から水滴がぽたぽたと落ちる。
「悪い悪い、手が滑った。」
男子たちは笑いながら去っていく。
花巻は何も言わない。
静かにタオルで髪を拭き、深呼吸をした。
「……部活、行かなきゃ。」
体育館に着くと、及川が大きく手を振る。
「マッキー!遅いぞ!」
「悪い悪い。」
花巻はいつも通り笑って返す。
けれど、その笑顔を見た松川は小さく眉をひそめた。
(……無理して笑ってる。)
長年一緒にいるからこそ分かる違和感。
その日から、松川は花巻の様子を気にするようになった。
第3話「笑えなくなる日」へ続く。
ハイキューらぶ💞
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コメント
1件
おお……この2話、胸がぎゅっとなりました。花巻くんの「何も言わない」強さと、それをちゃんと見抜く松川の視線が印象的でした。無理して笑う姿がリアルで、読んでて苦しくなるのに目が離せなかったです。次はどんなことが起きるんだろう…続きが気になります!