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シャルルダルク様とのデート(?)をした私はあの口づけについて考えていたけれど、やはりシャルルダルク様の本心は分からなかった。
口づけや態度では、好意を感じても、好きだと言われた訳では無い。
中途半端な状態である。
しかし、そんな事をゆっくりと考える暇もなく、レガット様の誕生日パーティーの日がやってきた。
王族が住む宮殿に後宮から向かい、真っ赤な制服を着た兵士たちにパーティー会場へと案内された。
招待客は桜の後宮や薔薇の後宮の姫君達も含めて、1000人を超えているとか。
流石は王子だ。
私は白に所々にリボンが付いたドレスを着て、ピンクパールのカチューシャとネックレスをしていった。
しかし、どの姫君や女官達もとても華やかで美しかった。
もちろん、貴族達もレガット様の祝いに参加しており、パーティー会場は煌びやかな衣装を着た人で溢れていた。
一斉にラッパの音が鳴り、レガット様が扉の向こうから現れた。
その日のレガット様は真っ白の正装にたくさんの金のボタンとバッチが付いたものをお召しになっていた。
それは、天の神のごとき美しさで、姫君や女官達はため息を漏らし、貴族のご令嬢もその姿に見惚れていた。
レガット様は簡単に挨拶を述べた。
そして、オーケストラの音楽がなり始め、ダンスが始まった。
レガット様は姫や女官、ご令嬢に囲まれて、とても私が近づく事など出来そうになかった。
しかし、レガット様は姫君達を押し除け、私が居る方に向かって歩いてきた。
「マリーナ姫。
俺と一曲踊ってくださいますか?」
姫達から僻みと妬みのこもった悲鳴が上がる。
「誰よ、あの女!」
「なんですって、女官!?」
「図々しい!
紫陽花の後宮のくせに!」
「レガット様…」
「オレと踊ってくれぬのか?」
「いえ、喜んで…」
私は微笑み、レガット様の手を取った。
音楽にのって軽やかに踊る。
レガット様のリードは完璧で、華麗だった。
しかし、ダンスが終わると…
「あの女、薬草を売っているらしくてよ!」
「まぁ、薬草売りなど、卑しい者の仕事ではないか。」
「きっとお金に困ってましてよ!」
姫君達が意地悪く笑う。
「そのような下品な女子がレガット様のファーストダンスの相手だなんて!」
私は全て聞こえぬふりをして、パーティー会場を抜けて、王宮の庭に出た。
「あんな言葉は気にする事はない。
ただの僻みよ。」
振り向くとそこには、紺色の正装をお召しになったシャルルダルク様がいた。
「パーティーに出らずともよいのですか?」
「めんどくさい女どもに囲まれるだけだ。」
シャルルダルク様は、私の隣に来てそう言った。
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