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「ところで、シャルルダルク様。ワインレッドに白い薔薇の花の柄のドレスを着た女性を知っておりまするか?
ほら、今窓際に立っている女性でございます。」
「あぁ…
ミレーアか…
薔薇の後宮の2位の姫よ。
それがどうかしたのか?」
「医学的に心配でございます。」
「何故だ?
元気そうだぞ?」
「顔色が青白く、髪と肌の乾燥が酷く見られます。」
「ふむ。
そう言われれば、髪や肌にツヤは無いな。
しかし、ミレーアは公爵家のご令嬢の出で、気位も高い。
そなたの言う事を聞くとは思えぬな。
それに、先程そなたを馬鹿にして笑っていた者の1人だぞ?」
「病人に気位は関係ありませぬ。
それに、私は馬鹿にされても気にしませぬ。」
私は言う。
その時、ミレーア様がふらつき、パーティー会場のテーブルを押し倒して倒れた。
「マリーナ!」
「行きまする!」
しかし…
私が診察を、と言うと…
「何じゃと!?
私は国医にしか診察させぬ!
汚らわしい!
私に触るな!
少しふらついただけじゃ!」
ミレーア様はそう言って私を近づけず、結局国医がミレーア様を診察した。
「酷い貧血にございますので、鉄剤を処方致します。」
「おぉ、流石は国医じゃ!
貧乏薬草取りとは訳が違う!」
そして、ミレーア様はよろめきながら、後宮に帰っていかれた。
「マリーナ。
ミレーアは本当に貧血なのか?」
「…この世界…いえ、この国の医者の医学と私の医学は少し違っておりまする。
貧血とは、血中濃度が低い場合を指し、つまり、血が薄い場合を指しまするが…
ミレーア様は、私の医学で言えば、割と重い気血両虚であると考えます。
つまり、血が薄いのではなく、血が足りぬのです。」
「ふぅむ…
よく分からぬが…
では、鉄剤では治らぬと申すのか?」
「もしも、私の診断に間違いが無ければ、鉄剤はあまり効かぬと思われまする。」
「しかし、ミレーアのあの様子では…
そなたの意見を聞くかどうか…」
「生活に支障をきたせば、嫌でも私の元を訪れると、私は思いますが。」
「なるほど。
それは良いとして…」
「?
どうかされましたか?」
私は尋ねる。
「俺と踊っていただけますか?
マリーナ姫。」
シャルルダルク様は優雅に手を差し出す。
「ここででございますか?」
「中で俺とも踊れば、姫達に刺されるやもしれぬぞ?笑」
「笑えませぬね。
喜んでお相手致します。」
私達はパーティー会場から流れる僅かな音楽に合わせて庭を周り、ダンスした。
やはり、シャルルダルク様のリードはレガット様に引けを取らぬほど完璧だった。
私達は音楽が止むまで、いつまでも踊り、笑い合った。