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「どうしたんだよ。一人寂しく弁当なんか食って」
「ほっといてくれ…僕は一人になりたいんだ」
遠回しにどこかに行けと言っても全く動じない。それどころか無遠慮に真横にドカッと座り焼きそばパンを食べ始めた。全く話を聞かないやつだ…佐藤くんはヘラヘラ笑いながら僕に話しかけてくる。
(調子狂うなぁ…)
けど、それくらいが今の僕には良かったのかもしれない。佐藤くんと話していると、自然と笑顔がこぼれていたのに気がついた。そして、つい聞いてしまった。佐藤くんの心を。それは、とても優しくて…心地の良い優しい響きだった。
(抱え込まなくてよかったな…)
僕はハッとした。佐藤くんはわざと僕の近くに来て、わざと僕を怒らせたんだ。僕を怒らせて悩みごとから考えをそむけさせようとしたんだ。それがわかって僕はとても泣きたいような、けど心地よくて口元が綻んだ。この時間はとても心地よかった。