いってらっしゃ〜い
まだ少し泣いているないこくんとあにきを見送る
ないこくんは一生懸命目を擦りながらあにきが出ていったドアを見つめていた
じゃあないこくん、ベット戻ろ?たくさん寝てはやく元気になるうね〜
あにきのトレーナーを着てるということは寝ていたのだろう。顔が火照っているから熱もまだ下がっていない
ないこくんは嫌がるこ ともなく大人しく寝室に入っていった
ないこくんなにかご飯食べる?お腹空いてない?
そう尋ねると食欲がないのか布団の中に潜ってしまった
そっか、じゃあもう寝ちゃおう?寝たらあにきもすぐ帰ってくるよ
すると布団の中から鼻をすする音が聞こえてきた
ありゃ、寂しがらせちゃったかな
布団の上から軽く叩いてやる。しばらくすると鼻をすする音は寝息へと変わった
あにきから聞いてはいたが本当に小さい子供みたいな子だな
寝苦しくならないよう、顔だけを布団から出してやる
さて、彼が寝てる間にお昼ご飯でも作ろうかな!
妙なやる気を出しつつ冷蔵庫を開ける
食材を使う許可は承諾済みだ
昨日の時点でうどんは食べられたらしいから胃が驚くことはないだろうが熱のせいで食欲は減っているだろう
残したらりうらが食べちゃえばいいよね
冷蔵庫から出汁、卵、ネギを取り出しあにき直伝の雑炊を作る
あにきがレシピを考えてるだけあってとてもおいしそう
正直自分が食べたくなってしまうほどだが少し冷ましてないこくんのいる寝室へと持っていく
鍋を置いた後取り皿なんかを取りにいっている間に起きたのだろうないこくんが興味津々に雑炊が入った鍋を見つめている
おはようないこくん、ご飯食べれる?
ピクっとわかりやすく反応するないこくん
体を縮こまらせて警戒するがりうらだとわかったからかあからさまな警戒はしなくなった
さすがにぎこちなさは残るが
ほら、おいしくできたから食べよう?
一口分スプーンで掬ってないこくんの口まで運ぶ
クンクンと匂いを嗅いでいる姿は犬のようだった
パクっ
勢いよく口に含むないこくん
まだ熱かったのかハフハフしている
頑張って飲み込んで目をキラキラさせながら
もっか!!もっか!
と催促してくる
餌付けしているようで楽しい
ん、気をつけて食べてね
もう一度スプーンで掬ってやるとこれまた嬉しそうに食べる
そんなことを繰り返しているとすっかり鍋は空っぽになってしまった
はい、お終い!いっぱい食べれてえらかったね〜
ないこくんの頭を撫でてやると目を細めて気持ちよさげにしている
ね、同じsub同士仲良くしよ?おれりうらっていうの。り、う、ら
あにきから教わった通りにゆっくり言ってやる
り、りぃ、ら、りぃら!
舌っ足らずでかわいらしい。domでなくても守ってあげたくなる
そう、りうらだよ!よろしくね!えーっと…ないくん!
せっかく仲良くなるんだ、あだ名で呼ぶくらい大丈夫だろう
りぃら!なぁこ!!いっしょ!
うん、一緒だね〜
果たしてsubが一緒という意味なのか一緒にいるという意味なのかはわからないがキャッキャとはしゃぐないくんはとても嬉しそうだった
気がつけば顔の火照りもなくなっている
念の為薬は飲ませるがほぼ熱も下がっているだろう
あとはまろとあにきの帰りを待つだけだ
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