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テラーノベル(Teller Novel)
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福島駅が鬼に占拠されて30分たった。

福島のボイドには多くの緊急要請のための電話が鳴り響いている。福島のボイドはブルーチームを12部隊、グリーンチームを25部隊、計37部隊を福島駅に緊急出動させた。

「今はどうなっている?」

海斗は第4部隊、第8部隊が乗っている大型の装甲車の中に入り、問いかける。装甲車の中に大型モニターを睨みつけていた隊員、黄楊涼太少尉が振り向き、口を開く。

「おおー!海斗少尉か!やっと僕の設計しているスーツを着てくれるのかい?」

「お前の詐欺販売に印鑑を押しに来たんじゃない。福島駅の中の状況は?」

「ちぇ〜。まぁいいや…。現在、福島駅の中は鬼で選挙されてる。なにより、路線が全て機能してない。人質として中の人達が4つのエリアで固められてるよ。グリーンチームが貸してくれたスキャン装置のおかげかな。いや!この装置を設計したのはぼk…」

「ありがとう。とりあえず作戦を練れる」

海斗はそそくさと装甲車から出ていき、今回の作戦の司令本部に向かう。司令本部には第4部隊、第8部隊の隊長を覗いた全隊長、チームリーダーの犬島中将がいた。

「海斗少尉、黄楊少尉はなんと言っていた?」

「人質が4箇所で固められています。人質の場所は配布されている端末に随時更新されるそうです。当然ですが、路線が機能していません。可能性としては新幹線といった車両が動き出す可能性もあります」

「うむ。作戦は人質の救出を最優先にする。まず、第5部隊、第10部隊が偵察として福島駅に侵入してくれ。第1、第3、第7、第9、第11は偵察部隊のGOサインと同時に福島駅に突入してくれ。残りの部隊は路線での動きを確認してくれ。まだ新人もいるがベテラン隊員が全力でサポートするように。臆することは無い。胸を張って行ってこい。誰も死ぬな。以上だ」

「「了解!」」


海斗少尉がこちらに戻ってきた。海斗少尉から作戦を聞き、いつでも出れるように準備をする。その時、無線が入る。

『これより、第5部隊及び第10部隊は上から侵入する』

「作戦が始まったな。第5と第10なら人質の救出が上手くいくかもしれない」

「海斗少尉…。第10の隊員の方々はまだ傷は癒えていないでは…?」

「…そうだ、威吹。だが、第10の連中は傷なんて関係ないんだ」

「どういうことですか?」

「あいつら、第10は偵察及び人質救出のエキスパートだ。そして、第5も。今回の作戦はあいつらにとって得意分野でもある…」

無線に通知が入る。

『こちら、第10部隊。無事、人質の保護に成功。引き続き、人質の救出を続けます。アウト』

『こちら、第5部隊。こちらも人質の保護に成功。引き続き、人質の救出を続けます。アウト』

「早いですね…。突入して数分ですよ」

「これが第5と第10の突出した能力だ。俺達も準備するぞ!」


突入してから約10分経った。10分で確認された人質の4分の1を保護できた。これは順調にことが進んでいる。進みすぎている。鬼も違和感がある。ほとんどが能力の覚醒がしてないやつだ。能力の覚醒者が全く見当たらない。

「今井曹長、鬼たちが下の階に降りていってます」

「…そうか。ありがとう、後藤兵長…。」

「今井曹長?なにか気になることでもあるんですか?」

「いや…こんなにあっさりすぎると思って…。もう少し抵抗してもいいものだが、あいつらはあっさりに殺されるか逃げてる…。何が目的なんだ?」

「やっぱり、部隊の隊長を務めるだけのことはありますね」

今井と後藤の前に黒スーツの男が立っている。猫の目をした、背の高い男。髪は金髪になっている。

「あんた…人間じゃなさそうだな…。」

「ご名答です、今井曹長。私は鬼です。私たちの目的は”狩人”の隊員の人員削減です」

「自分たちの命は惜しくないのか?」

「後藤兵長がその疑問を抱くのも当然です。私たちの命は投げ出してでも隊員を少なくすることでいつ起きるか分からない東北奪還を困難にさせる…。これは日本の鬼たち全員の願いなのです」

東北奪還は福島を除いた東北地方の県が鬼の支配領域となっている。空から調査することは何故かできず、そこで何をしているのかもわからない。東北奪還は日本の悲願。その悲願を阻止しようと鬼が行動するのは初めてだ。

「福島の”狩人”を殺しても愛知と福岡もいるんだぞ?」

「それは気にしません。1番厄介なのは福島の方々です。なんせ、北海道の戦いの生き残りが多数いますからね」

「…後藤兵長。無線が入るまで人質の避難誘導をしてくれ」

「…了解」

後藤は人質の避難誘導に回る。今井は腰にしまってあるコンバットナイフを取り出す。腰を低くし、鬼を睨みつける。

「…お前らの作戦はお前をボコしてから聞かしてもらう」

「1人で出来ますか?私は虎の力を持っているんですよ?」

「ベラベラと能力を言うやつがあるかよ!」

今井はセリフを言うと同時に地面を蹴り、虎鬼に近づく。虎鬼はニヤリと笑い、拳を振り被ろうとする。今井はすかさず避け、ナイフで腕を斬る。斬るが傷は浅い。そして、すぐに回復する。

(こいつ、再生が早い。俺1人でやり切れるか…)

虎鬼が拳を振るい、今井がそれを避け、体のどこかは斬る。それを何回か繰り返したが、虎鬼はすぐに回復する。そして、今井の横腹に蹴りが入る。衝撃を流すが横に吹き飛び、壁にぶつかる。

「すぅー…流石だな。鬼は力がある」

「結構強めに蹴ったのに生きてるなんて…頑丈ですね」

「鍛えてるから…な…」

今井はその時、腹に違和感を感じた。蹴られた場所が以前の戦いで受けた傷口部分であることがわかった。明らかに少し傷が開いている。早く終わらせないと傷が完全に開いてしまう。

「どうしましたか?顔色か少し悪いようですが?」

「少し寒いんだよ」

「見栄を張らないでくださぃよぉ!!!」

虎鬼は全身に虎のように黄色と黒の毛が現れる。虎鬼の能力が発動した証拠だ。虎のように爪も鋭くなり、今井の懐に詰め寄る。今井は少し反応に遅れ、虎鬼の爪により攻撃を受けてしまう。

「うっぐ…!?」

「痛いですか!?もう少しやりますよォ!!」

虎鬼の引っ掻きが何度も繰り出される。ナイフで防ぐが体に引っ掻き傷が増える。今井は腰ナイフで応戦しようとするがすぐさま蹴りを入れられる。意識が朦朧とし、虎鬼に髪を掴まれる。

「今井曹長…もう少し遊んでくれると思ったんですが…こんな程度ですか…。銃を取り出すことも出来ていませんでしたね…何も1人では出来ない弱い人間ですね…」

「…そうだな…俺は1人じゃなんも出来ない…。でも俺がいつ1人って言ったんだ?」

「あ?ん?」

虎鬼は喉が暖かいことに気づく。何か刺さっていた。体をねじりながら後ろを見た。そこにはアサルトライフルの先端にナイフを付け、そのナイフを喉に刺した後藤兵長がいた。

「な…」

後藤兵長はトリガーを押し込み、喉に弾を打ち込む。虎鬼は急いでアサルトライフルのバレルを折る。そして、再生試みようとするが、掴んでいたはずの今井が手元から消えていた。今井は虎鬼の背後におり、喉をナイフで切り裂く。致命傷では無い。だが、虎鬼は体が回復しないことに気づく。今井は頸動脈を切っていた。人間の場合、頸動脈を切られると致命傷となり死に至る。しかし、鬼は頸動脈を切られても致命傷にはならないが、頸動脈を切られることで鬼の能力が使えなくなる。それは再生能力も同様だ。虎鬼は焦る。能力が解け、再生も出来ない。息苦しくなる。

「貴様らァー!!!」

「少し…寝てろ…」

今井が拳を虎鬼の顔に振りかぶる。虎鬼は地面に叩きつけられ、虎鬼は倒れ込んだ。

「…後藤兵長、こいつに…抑制剤と首輪つけといてくれ…」

「わかりました…あと今井曹長!連絡の仕方雑ですよ!僕がイヤホンつけてなかったらあの小さい雑音じゃわかんないですよ!」

「…君ならわかるでしょ?自分のオーダーメイド武器忘れちまったのが失敗だったけど…チームの連携できた…俺ちょっと休むね…」

「グリーンを呼びますよ。あと、外の突撃部隊に連絡します。突入出来ることを」

「…ほかの人質は?」

「藤木一等兵と片桐二等兵、第5が人質を全員保護したそうです。あとは鬼を狩るだけです」

「さすが…藤木くんと片桐ちゃん、第5の早乙女大尉だ…」

今井は目をつぶり寝息を立てる。後藤兵長は本部に連絡を送り、駅の突撃可能を報告した。4、5分後、駅の四方向から、突撃部隊が突入する。「虎ちゃん…あとは任せてね…俺たちでほかの人間を食い殺すね…」

餓狼は人間の血を吸いながらそう呟く。

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