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推しには近づくな!

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推しには近づくな!

13 - 推しのケンカ

♥

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2022年10月01日

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「類さん!あのね…」

「誰、この人?」

episode13

何故か俺たちの間に気まずい空気が流れる。

類さんはただ先生を睨んでいた。

「お前のお兄さんか?」

「え?うん。類兄さん。」

「どうも、細田くんの担任の佐藤景です。」

先生は浅くお辞儀をした。

「どうも、佐藤先生。いつも笑がお世話になっています。」

口調は優しいものの、そこに笑顔は無かった。

類さん、なんか怒ってる…?

「類さん…?」

「ところで…二人はこんなとこで何していたんですか?」

「え?」

「ここから二人が一緒に出てくるのを見たのですが…」

いや、そんな浮気現場を見たみたいな感じで言われても…。

「ああ、そんなやましいことはしていませんよ。ただ、笑が怪我をしていたので、ちょっとした手当てをしていただけです。」

「怪我…?」

類さんの顔が余計こわばる。

まずいかも…

「類さん、もう帰ろう?それに、類さんに渡したい物があるんだ。」

「渡したい物?ショウにゃんから?」

あ!

「え?」

先生の眉間にシワが寄る。

「…ショウにゃん…?って?」


「やっちゃった〜…。」

あれから俺がなんとか誤魔化し、(結構無理やり)家に帰ることができた。

そんなことよりも…

「まさか、類さんがしくじるとは…」

「ホントにごめん!!!あ〜ど〜しよ〜…」

「大丈夫だと思うから、そんな落ち込まなくても…。まだ、俺たちの関係がバレた訳じゃないし…。」

ショウにゃんってだけじゃ、誤解されない気がする。問題なのは先生の類さんへのイメージだ。

絶対ブラコンだと思ってる…。

「…類さんの学校に広まらない限り、大丈夫だと思うよ。プライドとか…いろいろ…。」

「僕、たまにしか学校行かないから大丈夫」

あ、そうだった…てか…

「ガチで学校行ってないの?」

「え?うん。だって、行ったらちょっと…」

類さんは疲れたような表情になる。

「…まあ、いいや…。」

類さんもいろいろあるだろうし、触れないでおこう…。

それよりも…

「類さん…あのね…!」

「それよりさ…」

類さんは俺の言葉を遮る。

「怪我したって言ってたけど…?」

「え?」

「どこ怪我したの?そのままなんでしょ?菌が入っちゃいけないから…ほら、見して?」

すぐさま腕を隠す。

「ショウにゃん、見して。」

花で隠してたけど、やっぱりバレるか…。

類さんは心配そうにこちらを眺める。

でも、待て?今、そのままって言った?だったら俺手当て受けてるし…見せたら安心するんじゃ…?

よし!

俺はそっとガーゼが付けてある腕を見せた。

「…?手当てしてある…?自分でやったの?」

「ううん。佐藤先生がしてくれたんだ。ほら、俺たちが二人で出てきたマンションあるだろ?あそこ。」

すると類さんの顔色がサーッと青くなった。

「類さん…?」

「触らせたの…?アイツに…?」

「え?」

「腕、触られた?」

「…そ、そりゃ、手当てなんだから触るだろ…。でも、それがどうしたっていうんだよ?」

すると類さんは俺の両肩を勢いよく掴む

呼吸が荒い…。

「他にどこ触られた?!何かされてない?!」

「え!?ちょ、落ち着いて…!!」

「アイツ…今度会ったら只じゃおかない。」

「は?…類さん、誤解してる!本当に手当てしてもらっただけだって…!!」

「でも相手は下心があったかもしれない!」

「そんなんねーよ!あの人に!」

「わからないじゃん!自宅に連れ込んだんだよ?!」

「それは近かったから!それに、今何ともないじゃん!」

「でも、体を触られたなら確信犯だよ!!」

「触られたのは腕だけ!手当てで触れなかったら何も出来ねーじゃん!」

「それが目的かもしれなー…」

「いい加減にして!!」

類さんの言葉を遮り、腹の底から声を出した。

類さんは悔しがってるような…寂しそうな…今にも泣き出しそうな表情をしながら、静かに俺の肩から手を離した。

結局、類さんも同じだったんだ。

何も知らないくせに、勝手にあれこれ決めて、俺の恩人を悪人にする。

俺の大嫌いな人種だ。

「…もういいよ。」

俺は類さんの顔を見ずに、そのまま玄関へと走り、外へ飛び出した。


こればかりは類さんが悪いんだ。

まだ夕陽は沈んでおらず、照らされるアスファルトの道を歩きながら、そう思った。

やっぱりそうなんだよ。あのとき、ほんの少しだけ、類さんは違うかもと思った俺がバカだったんだ。

先生はそんなんじゃない。ちゃんとクラスの皆を見ていて、俺の居場所を作ってくれて、俺を助けてくれた。あの時の先生の背中があまりにもかっこよかった。なのに…

「類さんは…何も知らないくせに…」

無意識に口ずさむと、誰かに肩を叩かれた。

そして俺は、意識を失った。

推しには近づくな!

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