side you
その瞬間、心臓が大きく跳ねた。
目の前にいるのは間違いなく
――大森元貴だった。
……
「どうしてここに……?」
「ライブ前に 落ち着きたくて、静かな場所求めて ふらっと寄ってみたんだ〜。」
そう言いながら、
彼は隣の椅子を引き寄せて座った。
カタン、と椅子が音を立て、
彼の気配がすぐ隣に感じられる。
急に近づいた距離に心臓がさらに早くなる。
「それ、ちょっと気になったんだよね。」
彼の視線がバッグにぶら下がるキーホルダーに向かう。
「俺らのグッズが見えて。」
彼はそう言いながらゆっくりこちらを見た。
その仕草に胸がドキリとする。
「………あっ」
返事に詰まる私を面白そうに見て、さらに笑みを深める。
「ミセス好きでいてくれてるんだ?」
「……あ、はぃ……、、えっと……、、
その……」
動揺している私を見て、彼はさらに微笑む。
「誰が一番好きなの?」
至近距離で瞳を覗き込まれながらそう言われて、思考が止まる。
セットされてない髪の間から覗く
綺麗な瞳と至近距離で視線が絡む。
ほ、ホンモノの、、、
大森、、、、元貴、、、だ、、、
「……あの……その……えっと……
………………わ、若井さん…………です……。」
まだ、状況が呑み込めない私は、
大きく混乱していて
本人を前に貴方が好きですとはいえず、
なんと絞り出した言葉は
若井さんの名前だった。
大森さんは一瞬驚いた顔をした後、少し眉を上げてにやりと笑った。
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コメント
5件
はぁ泣すきすぎる、天才以上の言葉ってありませんでしたっけ、是非ともあったら🫧さんに言いたいです、
心臓握り潰されそう〜(泣) もたない(泣)(幸)