なんと絞り出した言葉は
若井さんの名前だった。
大森さんは一瞬驚いた顔をした後、少し眉を上げてにやりと笑った。
…..
「若井かぁ〜。」
その声が妙に引き延ばされていて、完全に楽しんでいる感じが伝わる。
「そっかそっか。うんうん。若井ね。」
わざとらしくうなずく彼の態度に、なんだか見透かされてる気分になる。
「い、いや、あの、 若井さんも好きなんですけど、、、その……、、」
もう、本人に伝えれる機会もないだろうし、
慌てて訂正しようとするけれど、
本人を前に、言葉が詰まって出てこない。
そんな私をじっと見つめていた彼の視線が、机の上のスマホに向かう。
「ねえ、それ、ちょっと見せて。」
低くて甘い声。
彼は、 ただ 話をしてるだけなんだろうけど。
艶のある声に ドキッとしてしまう。
彼はスマホケースの背面に
挟まっているカードに
最初から気づいていたらしく、
人差し指をそっとそこに滑らせ
ニヤリと笑った。
「……これ、何?」
彼の口元に浮かんだ笑みが、意地悪で胸がギュッとなる。
スマホケースに挟まれていたのは、大森さんのフォトカードだった。
「若井が好きって言ってたのに、
これ……完全に俺じゃん。」
彼は楽しそうに私を見下ろした。
その余裕たっぷりな態度に、
恥ずかしさで頭が真っ白になる。
「あっ、ち、違……! それは……!」
「違うって何が?」
「………っ」
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コメント
6件
うっっっっっわ~~~~~~~…… 大森さんがほんっとに大森さん過ぎて流石に スマホ裏に、自身のフォトカが入ってることに最初から気付いてて 自分のこと好きって気付いた上での質問だったとは…… わざとらしく、若井かぁ、そっか若井かぁって、若井さんの名前を連呼するところがもう意地悪ですねめちゃくちゃに…… 目の前にいる女の子が、自分のこと好きだって見透かした上での質問してくること自体が意地悪…… そこがめちゃくちゃに好き…… 大森さんの艶のある声一つにさえもドキドキしてしまって、可愛いな本当に 無意識か意図的にか、身体に響くような甘い声で相手をじわじわ堕としていくところも本当に流石すぎて~~~~ この、どこまでも余裕な態度を崩さない大森さん、色気が本当に凄くて、大人の余裕から漂う色気が大好き 咄嗟に違うとか言っちゃったけど、大森さんのフォトカ入れてる時点で言い逃れができない状況に追い詰められちゃって…… 別の意味でも緊張感が終始止まらない~~~好き~~~~~泣泣
か、かっこいい大森さんっ、、!!
悪いなぁ…大森さん 笑 咄嗟についてしまう嘘も、その頃の歳の女の子あるある過ぎて 落ち着け〜! って言いたくなる 笑