テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
2,092
疲れた。
今日も学校に行って、勉強して、部活をして、家に帰る。
たったそれだけの事が嫌だった。
プレッシャーとか、劣等感とかそんなふわふわした理由で毎日が嫌になる。
もう、終わりに、しようかな。
楽になれる。
そう思うと飛ぶのも怖くない。
少し期待するように、助けを求めるように屋上まで上った。
大きく息を吸う。
肺まで空気が届いて生きていることを実感した。
でも、もうこれで終わりだ。
ゆっくりと、でもしっかりと歩いていく。
屋上の端っこまで。
一歩を踏み出せば足場がないというところまで来た。
来世に期待だな。
そう思って足を踏み出そうとしたとき。
声が聞こえた。
「何してるの?」
人がいないと思っていたから、ビックリして足を引っ込めて、少し後ずさってしまった。
こんな場所に似合わない明るく、美しい声だった。
そして純粋、に聞こえた。
少女はとても美しい顔立ちをしていて、キラキラした瞳が印象的だった。
黒髪は束ねず、背に流している。
驚いたまま、固まっていると、向こうからまた話しかけてきた。
「ねぇ、何してるの?」
そこで、我に返り、なんとか声を出す。
「えっと、その、、、」
声は出るものの本当のことは言えなかった。
「自殺?」
わかってるなら聞いてくるなよ。
こんな少女に八つ当たりしてしまうのが情けなかった。
「まぁ、そんなところ。」
少女はふうんと唸ったあと、
「やめた方がいいんじゃない?」
と言ってきた。
どの口が言っているんだ。
ここにいるということはすなわちそういうことなのだから。
「アンタと話してると飛ぶ気も失せた。だから、アンタもやめなよ。じゃあね、気をつけて。 」
一人で勝手にやり取りを終わらせ帰ろうとした。
そしたら少女が言った。
「毎日ここに来てよ。それでお話しよ。」
なんでこの時良いと言ってしまったのだろう。
それが正しいのか、違うのかはその時の私にはわからなかった。
それだけだろう。
コメント
1件
# 読了感想 うわ、重いスタートだけどすごく引き込まれた…!主人公の絶望感と、屋上で「何してるの?」って明るく声かけてくる少女のギャップがえぐい。♡♡♡の現場で「やめた方がいいんじゃない?」って軽やかに言えるの、普通じゃないよね。しかも「毎日ここに来てよ」って…この子、何か抱えてるのかな。続きがめっちゃ気になる😭✨ 主人公が「なんで良いと言ったのかわからない」って過去形で語ってるのも、生き延びた証なんだろうね…次話も絶対読む!