テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第七話
あれから、二ヶ月が経った。アニカ姫と出会ってから三カ月半くらい。
僕たちの仲は順調に深まってきている。視察とかの帰りにソフィーとも会ったりする。二人を見ているととても楽しそうで微笑ましい。
「最近、アニカ姫と仲良さそうじゃないか」
訓練をしているとマルコさんがにこやかにして入ってきた。
あっ、そういうのじゃないけど……
「ははっ。今日は組手の相手を探しに来たんだ。良ければやってみないか?」
良かった……組手の相手なら大丈夫。
僕は笑顔で頷いた。
「手加減は不要だぞ。ロルフとは初めての組手だな」
そう言ってとても楽しそうにしている。
それからどこから情報が流れているのか知らないけど、人だかりができた。
僕たちはそんな中、木製の武器を持って真剣な眼差しを送り合いながらいつ攻めるか見極めている。
どうするか……
先に攻撃を仕掛けたのはマルコさんだ。僕は双剣の攻撃を避けて背中を狙ったけど空振りだった。
マルコさんって避けるのが上手いんだよね……
それなら……
今度は僕から避けにくい足元を狙ったけど軽々と避けられた。
そんな感じで、僕たちの読み合いは続いた。
でも、少しするとマルコさんの腕に僕の木の剣が当たった。
今回は少しでも攻撃を掠ったらそこで終了。肩で息をしながら二人で見つめ合った。
「ありがとうな。それにしても強くなったな。最初は俺の方が勝ってたような気がするのによ」
そう言ってマルコさんが笑っている。
「二人とも接戦だったね」
ロザンナが僕たちの背中をポンポンと叩いた。
え? ロザンナ、いたの?
二人でびっくりして後ろを向くとシルビオさんもいた。
「あぁ、強くなったと思う。次にやる時は、俺とやってくれないか?」
そうシルビオさんが微笑んでいる。
僕は笑顔で頷いてから木の剣をしまった。
「最近、凶暴化した魔物が増えてるみたいだから気をつけたほうがいいよ。群で来たら物凄いっていう噂だし……」
「確かにな、こっちの街でも魔物の被害報告が増えてるな。重傷人が沢山出て、治癒魔法使いが足りてないんだ」
「え? 北の方ってそんなに大変なのか?」
皆で顔を見合わせた。
「実は僕、ある日の夜にシルバータイガーの群れに会ったんだよね……」
皆は僕の異様なオーラを感じ取って顔をしかめて僕の事をみた。
それから僕はあの日にあったことをアニカの事を含めずに話した。
「……そんな事が……ロルフまでやられるとなると気を引き締めないといけないな……」
「あぁ、ロルフの腕前は大したもんだが、それに勝る魔物が出てきた……これも、大災厄の予兆か?」
「そうかもね。シルバータイガー並の魔物が群で来るだけでも異常なのに……毒まで強くなったのか……」
暗い雰囲気に包まれた。
それからいつものように帰った。出会う魔物はちょっとしたゴブリンだけだったけど、心なしかいつもより強くなった気がした。
「おかえり」
そうソフィーはいつもと変わらず、出迎えてくれる。
ソフィーはいつまでこうやって出来るのだろうか……
もし、大災厄が来たらこんな事はできないのだろうか……
「お風呂は沸かされてるから入りたい時に入ってね」
「うん」
「何か考えてるの? いつもより表情が暗いけど……」
そう言ってソフィーは僕の隣に座った。
「少しだけね。大丈夫。ソフィーは気にしなくていいよ」
僕は微笑んでからご飯の準備を始めた。
二週間後。
今日はアニカが魔法を習いに行く日。泊まりがけで習いに行くけど、とても大変だという噂もよく聞く。
アニカの体力に合わせて進むから今日中に着く訳では無い。
もしかしたら明日の朝になるかもしれない。
ソフィーには前々から何日か家に帰らないと言ってあるので大丈夫。そのために、ご飯の作り方とかも教えたので大丈夫だとは思うけど何だか心配。
馬での旅になるけど、僕は長距離の乗馬が初めてだ。今までずっと一緒にいた愛馬だから落馬とかは大丈夫だと思うけど馬の体力が保つのか分からない。
北の方へ進むので少し不安だったけど、他にも聖騎士が二人も付いているので『大丈夫』と自分に語りかけた。
聖騎士二人と僕とアニカで四人で動く。アニカは白馬に乗って僕は焦げ茶色の馬だ。
1,182
#追放
聖騎士二人はグレーの馬に乗っている。
「大丈夫かしら……」
そうアニカが心の声を漏らしている。
その日の夕方頃、宿屋に入った。
アニカは一人部屋で僕たちはまた別室だという。
僕は雑魚寝をする覚悟で来てたから少し気が抜けた。
布団も家のやつより上質で出てくるご飯も美味しかった。
その日は何事も無く朝になった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!