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どもども、モブです。
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⚠em主人公
⚠これは主の妄想です。
⚠誰かの萌えは誰かの地雷
⚠地雷を感じたら回れ右
⚠誤字脱字あるかも
⚠御本人様達に迷惑のかからないよう配慮を
では、スタート
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【水晶に咲く声】
「――実験開始。対象:E-047、願望文言、投入。」
静寂の中、紅狂生一の低く響く声がモニターに記録される。
人工的に加工された水晶。
それは“本物”に限りなく近い構造を持ちながらも、昴たちが再現した、初の完全自己応答型結晶体だった。
「思念」に対して物理的反応を示し、それをエネルギーへと転化する。
まさに“願いの模倣”。
その前に立つ被験者E-047は、少年だった。
年齢にしておそらく十四か十五。過去の実験で失語症となり、現在は簡単な反応しか示さない。
しかし、昴は彼を見つめながら、どこか“自分”を見ていた。
「君は、何を願う?」
実験室は静かだった。
だが、次の瞬間、微かな音が聞こえた。
――カチッ。
水晶の表面が微細に震え、内部にうっすらと光が灯る。
それはまるで、“呼吸”のようだった。
「願望波動、共鳴開始。αパターン……いや、これは……」
紅狂生一がデータログを見つめる。
波形が急激に変化していく。E-047の脳波、心拍、感情反応値――すべてが一致して上昇していた。
「……これは、“覚醒”だ。」
昴の声が震える。
水晶の奥から、声が聞こえた。
少年のものではない。
もっと幼く、もっと切実で、そして――懐かしい。
『おとうさん、また、いっしょに あそんで……』
昴の瞳が、震えた。
「……それは、やめろ。」
思わず口にしたその言葉に、紅狂生一が眉をひそめる。
「昴?」
「この“願い”は、俺のものじゃない……でも、でもこれは――!」
彼の手が、水晶へと伸びる。
触れてはならない。わかっている。
けれど、その声はあまりにもリアルだった。
かつて、病床にいた小さな影――昴が二度と触れられなかった、あの存在。
「……ごめん。もう、叶えてやれないんだ。だけど、せめて……」
昴の手が、そっと水晶に触れる。
その瞬間、結晶は眩い光を放ち、空間全体が揺れた。
「昴!! 離れろ!!」
紅狂生一が叫ぶも、昴の意識はすでに深層に沈みつつあった。
目の前に広がるのは、白い花畑。
風が吹き抜け、花が揺れる。遠くに、ひとりの子供の背中。
昴は、その名を呼ぼうとした――
だが。
『――記録不能。異常波動発生。精神接続断絶。』
アラートが鳴り響く中、紅狂生一は歯を食いしばり、昴を水晶から引き剥がした。
「っ……! 江見昴!! 応答しろ!!」
昴の意識は、まだ戻らない。
だが、彼の唇は微かに動いていた。
「……もう一度、だけ……」
それは、“誰か”への願いだった。
叶うことのない、失われた声。
それでも、水晶はその声を刻みつけていた。
記録補遺:
被験者E-047との共鳴実験中、江見昴の精神が一時的に結晶と接続。
外部からは確認不能な“声”が水晶内部から再生された。
精神接続断絶後、昴の記憶に一部喪失が発生。
ただし、彼はこう記している:
『その声は、間違いなく、あの子のものだった。』
END…
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投稿遅れてすみません*_ _)
色々ありまして…、次は【em色々短編集】の方を更新しようかなぁ
と思ってます。
では、バイバイ( ´ω`)ノ