コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
革靴がコンクリートに擦れる音が近づく
看守が飯を持って此方に向かう姿が見えた
雑に鍵を差し込むと
足で思いっきり独房の扉を蹴った
看守
「ほら飯ださっさと食え!」
ひっくり返したいのかと思うくらいに
雑に置かれる飯
看守は舌打ちをすると
独房の鍵を閉めた後足早に立ち去る
見慣れた光景にため息をつく
???
「What are you up to?」
突然の英語に嫌な予感がして
すぐに檻の向こうを見ると
米国が笑顔で立っていた
日帝
「米国…何度言ったら理解する!
心臓に悪いだろう!あと英語はやめろ!」
流石に苛ついたので怒鳴ってはみたが
米国は”冗談”とでも言いたげだ
看守から受け取ったであろう鍵で
独房の扉を開けると
いつも通り隣に座った
米国はいつも着ている
カーキ色の上着のポケットから
赤いリンゴを取り出し一口齧る
日帝
(まさか…ここで食べるつもりか?)
誰が好き好んで元敵国と飯を
食べなきゃならないんだ
米国の肩を突くと真っ直ぐ出口を指差した
米国は意図に気づいたようで
少し不快な顔をして
口に含んだリンゴを飲み込み自慢げに語る
米国
「知ってる日帝?
食事って一緒に食べる方が
美味しくなるんだって」
日帝
「………はぁ…勝手にしろ」
暫くは帰るつもりも無いのだろうと察し
仕方なく飯を食べ始めた
アメリカ
「日帝さ何食べてるの? 」
食べ終わったのだろう
こちらが何を食べているのか聞いてくる
日帝
「何故そんな事まで答えなければならない」
アメリカ
「良いじゃん!少しは教えてくれたってさ」
面倒くさい答えたくない
それに担当の看守に聞けば
それくらい教えてもらえるだろう
だが不機嫌な状態で帰られても困る
日帝
「残飯だ、残飯を食べている」
アメリカ
「…」
日帝
「どこの残飯かは知らないがな
どうだ満足したか? 」
そう言うと米国は気まずそうな表情だ
少し強く言い過ぎたかもしれない
どうしようかと考えていると
おもむろにポケットから
もう一個林檎を取り出して残飯の隣に置いた
アメリカ
「今日はこれ食べて、 明日からちゃんとしたご飯出すよう言っとくから」
米国はゆっくりと立ち上がり
「またね」と言ってゆっくりと扉を閉めた
林檎を手に取り一口齧る
米国が置いていった林檎はみずみずしく
久しぶりに美味しいと感じた
誤字脱字もしくは内容がズレている
何かに違反している場合は
お手数をおかけしますがお知らせください。
最後に読んでいただき
ありがとうございました。