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💛side
今日最後のシーンを撮り終え、撮影が終了した。
スタッフ「お疲れ様でしたー」
🩷「お疲れ様でした!」
💛ぺこり
周りの視線が気まずかったので「早く行こう」と勇斗の袖を掴み、早々とスタジオを出る。
二人でタクシーに乗り込む。
🩷「そういや俺ん家向かってるけどいいの?」
あ、そうか。
当たり前のように勇斗の家に行くつもりだった。
💛「うん」
💛「荷物とか、そのままだった気がして」
お邪魔する前提だったのが恥ずかしくなり、つい素っ気なく返事してしまう。
荷物なんてただの言い訳だ。…というか嘘。
🩷「そっか」
勇斗はそんな俺を気にすることなく微笑んでいる。
他愛もない話をしていたら、あっという間に勇斗の家に着いた。
💛「お邪魔します」
🩷「はーい」
慣れた手つきで靴を脱ぐ。
…そういえば、大した荷物なんてそもそも持ってきていない。
さっきの勢いで口から出ただけの言い訳を思い出す。
「荷物は?」なんて聞かれたら終わるな。
ちらっと勇斗の方を見る。
けれど、勇斗は特に気にした様子もなく、先に部屋へ入っていった。
何度も来たことがある家なのに、
ちょっと前までここに居たのに、
今は少しだけ落ち着かない。
🩷「適当に座ってて」
💛「ん」
そう言って、キッチンの方へ向かう勇斗。
ソファに腰を下ろし、部屋を見渡す。
さっきまで隣にいたはずの勇斗が見えないだけで、妙に静かに感じた。
会いたかった。 だから会いに来た。
なのに、会えた今もその気持ちは消えてくれない。
むしろ、会ったからこそもっと一緒にいたいと思ってしまう。
我ながら面倒くさいな。
そんなことを考えていると、
🩷「はい」
目の前にグラスが置かれた。
💛「ありがと」
🩷「どういたしまして」
そう言って隣に腰を下ろす。
肩が触れるほど近いその距離に、少しだけ安心する自分がいた。
💛「今日撮影どうだったの」
🩷「普通だよ」
💛「でも瀬名さんに振り回されてたじゃん」
🩷「あー…まぁそれは否定しない」
思い出したのか、小さく笑う。
その横顔を見ていると、なんだか気持ちが緩む。
🩷「そっちは?」
💛「んー?」
🩷「最近忙しかったじゃん」
🩷「きてくれるのは嬉しいけど、大丈夫だったの?」
💛「あー」
グラスを両手で持ちながら考える。
確かに忙しかった。
だけど…
💛「まぁ、なんとかなったよ」
🩷「なんだそれ」
💛「なんとかなったんだからいいじゃん」
🩷「適当だなぁ」
ふはっと笑う声が聞こえる。
その声が心地よくて、つられて笑った。
別に特別な話をしているわけじゃない。
仕事やメンバー、今日の出来事など。
そんななんでもない話ばかりだ。
なのに、不思議なくらいに楽しかった。
時間なんてあっという間に過ぎていく。
気付けばグラスの中身は空になっていて、時計の針も随分進んでいた。
🩷「時間大丈夫?」
💛「うん」
お願い、今日泊まってく?って言って。
まだ…
まだ…帰りたくない。
🩷「送ってこっか?」
俺の願いは届かず、今1番言われたくない言葉を耳にしてしまった。
💛「うーん…」
まだこの場にいたい。
そう思っているのに、それを言葉にすることができない。
🩷「どした?」
帰りたくない、って言え。
そういくら願っても口は動いてくれない。
💛「いや、どうしよっかなって」
🩷「ww どうしようね」
呆れたように笑うその顔を見て、ますますここに居たいと思ってしまう。
💛「…もうちょっとだけ」
🩷「ん?」
💛「もうちょっとだけ…ここに居てもいいっすか、」
これが今の俺の精一杯の言葉だ。
🩷「…うん」
そう微笑んでくれた勇斗の顔を見て、そっと安心した。
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#⛄️
kaede🍁
26,010
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