今日はいつもより早く目が覚めた。やっぱり寝ても覚めても胸の高鳴りが収まらない。一緒に暮らしてるのに、こんなんじゃチップに思いを伝える前に心臓が破裂しちゃいそうだよ…。
「デール」そう声をかけられるだけで顔が熱くなる。たった二日間で自分が自分じゃなくなったみたい。女々しいなぁ。こうなったのはチップのせいだ!僕だって!僕だって!ドキドキさせるんだから!
でも…どうする?チップはどんなことしたらドキドキしてくれる?
「デール?食べないの?」
「ハッ!ごめん、考え事してた。」
「へー、珍しいね」
ここで何か言わなきゃ…!
このまま会話を終わらせたくない!
『ねぇ!』
ほぼ同時に話し始めてしまって二人で顔を見合わせて笑い合う。
朝から物凄く楽しい!あっ!でも僕が言おうとした事言わなきゃ!
「チップ!」
「どうしたの?」
「あっあのね」
冷静に…。冷静に…!
「今日の夜、一緒に寝てもいい?」
これで作戦は成功?かな
「」
「チップ?」
「」
「ええ?もしかして気絶してる?!チップ!!チップ!!」
チップが気絶してしまった…。どうしよう…。でも、救急車を呼ぶ程の感じじゃなさそうだよ……ね?
とりあえずベッドに連れて行って寝かせておく。
「」
目覚める気配がまるでしない…
さっきの気持ち悪かったかな?
そういえばチップが僕のことを好きだって、まだ確定した訳じゃないよね…。
思いを伝えたって、断られる結果が分かりきって見えている。
僕、酷い勘違いをしていたのかもしれない。
ああ…こんなに悲しくなったことなんて初めてだよ。幸い今日はスケジュールが詰め詰めじゃないから仕事の心配はないけど、精神的な面としては大丈夫じゃない…。
大丈夫。まだ間に合う。とりあえずチップが目覚めたらさっきのは冗談だよって言おう。そしてこの思いは無かったことにして、またいつも通りの親友としてこれからを楽しんでいこう。
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