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1 - 幼児のキメラ

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2024年04月08日

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この小説は一切ご本人様に関係ありません。

四流

⚠人外パロ⚠













わんく





























遠い昔、まだ文明が未熟だった時代。その時代は金欲しさに、人間と他の動物の遺伝子や体の一部を無理に組み合わせこんな時代には存在しないような人間動物合体生物を製造していた者達がいた。人間動物合体生物…いや、今の時代に合うような言い方にしようか。簡単に言えばキメラというものを作っていた。一度成功すればその道を辿る者がぞろぞろといた時代だ、金欲しさにこんな事をするなんて今の時代では考えられない行動だった。


『さぁさ!こんな見た目のヤツ、他に見ないでしょう!引き取るなら今の内でっせ!』


「出せッ!ここから出してくれッ!!嫌だ嫌だッ、お前等なんかに買われたないやいッ!」


おっと…まだ文学にも励んでいない幼い子にまで手を出すとは…、こりゃ驚きが隠せないな。そこらの裏路地には失敗に終わったキメラ達が佇んでいたり空腹に耐えかねず息絶えた者もチラホラ……。そんな中、キメラなんぞ目に付けない男が一人。この時代では珍しいと言えるだろう、どれ…少し姿を見てみましょうか。


「はぁ……、どいつもこいつもキメラキメラと…。」


男物の着物を着こなし、片手には小さな本を持ち栗色の髪色をした男がぶつぶつと何か言っているではないか。彼はキメラというものには興味を示さず、本に夢中になっていた。瞳は何処にあるのか分からない程色素が薄く、まるで彼もキメラのようだ。だが、あいにく彼は正真正銘の人間だ。彼は片眼鏡を外し、着物の内の方へしまう。


『そこのあんさん!どうだいこの化け物!少し興味は…』


「全くたりともありません、私に言葉を掛けないで下さいませんか。」


『まぁまぁ!そう言わずに、少し目を通すだけでも!!』


「ですから、こんな怪物達に興味等…」


男はそう冷たい言葉を掛け、すぐに立ち去ろうとした。だが男は進めようとした足を止める、何やらあれほど軽蔑していたキメラに少し興味が湧いたそうだ。少し眉を寄せ、ある幼児に視線を向ける男。


「……。」


『お、!……はぁ”…、あんさん見る目がねぇなぁ…。そいつァ、言う事も聞かない悪い子でっせ?ソイツよりこの兎の耳の…』


「…そんなに言うんでしたら、無賃で貰っても?」


『嗚呼、構いませんぜ。……言っときますが、あんさんソイツに愛想を尽かしてコッチに戻さんで下さいよ…、こっちは引き取り不可なんでね…。』


「……そうですか、」


栗色の髪をした男はキメラの幼い子を抱え、その場を去って行く。男は幼児には言葉も掛けず、口を閉ざして家へと向かった。…おっと、ついに男の家に着いた様だ。家…いやこの豪邸を見る限り、ここら一帯の金持ちかな。そりゃあキメラなんぞに興味を示さない訳だ、男は玄関に入れば幼児を自分の腕から下ろし目線を合わせる。


e「…私はエーミールと申します、貴方…名は?」


「………。」


e「…名無しですか、…貴方も災難ですねぇ…こんな獣の耳に尻尾まで生やされてしまって…」


エーミールと名乗る男は幼児の頭部を優しく撫でる。その大きく何処か暖かいような手は幼児の前髪へと向かう。手入れもされず伸び放題の幼児の前髪は小さな毛玉の様なものも出来ており、絡まっているのも当然だった。この幼児を連れてきたは良いものの、どう手入れをしようかと頭を悩ませていればエーミールは召使達を呼ぶ。


召使「お呼びでしょうか…?」


召使『どうかなさいましたか、?』


e「こいつを手入れして下さい、美しく頼みますよ。」


そう言ってエーミールは召使達の前にキメラの幼児を出す。召使達は驚きもせず、彼の言う通りに幼児の手入れをする為に幼児を連れて行ってしまった。驚く事に、あのキメラの幼児は抵抗や威嚇等もせず随分と大人しく指示に従っていた。そんな幼児には気にも止めずエーミールはソファへと移動する。


e「ふぅ……、下駄も一苦労ですねぇ…。」


そうエーミールは呟けば、ソファに身を預け文字通りぐったりとしていた。この時代のことだ、己の身体に合わない着物等を利用して身体に負担が掛かっていたんだろう。そして数分もの間、エーミールは本を読む訳でもなくボーッと高い天井を見上げていれば召使達の声を耳にする。


召使『エーミール様、これでよろしいでしょうか?』


そう言って召使いはエーミールの前に髪の手入れをされたキメラの幼児が。肩まで長くまるで幼女のようだった彼は今では立派な少年だ。黄緑に輝く幼児の瞳にエーミールは呆気に取られていた。服装もボロボロの半袖ではなく、緑のフードが着いた洋服を着ていた。召使いはすぐに幼児を届ければ早々に引き取っていった。


e「…中々に着こなしているじゃないですか、どれ…少しこちらに身を寄越しなさい。」


そう言ってエーミールは幼児に向かって手招きをする。そんなエーミールに静かに従う幼児、まるでエーミールからしたら忠犬の様だった。幼児はエーミールの近くに寄れば、少し目線を泳がしまるで視線を合わせるのを避けているように見えた。そんな幼児にエーミールはじっ、と優しい視線を送った。


e「……名前、どうしましょうか…。」


「……ォ”…む……。」


e「……言葉もままならないんですね…、オム……?」


文学には励んでいないと理解したエーミールは彼なりの言葉を聞き取り、必死に名を考えているようだ。エーミールは少し頭を悩ましていれば、時刻はあっという間に過ぎて行く。気付けば数時間程経っていただろうか、もう窓の外は橙色になっていた。


e「おや…もう夕暮れですか……。」


「…ュ”う……ゥれ…?」


e「…えぇ、夕暮れです。時刻は経過すると共に外の景色も変わるのですよ。」


そうエーミールは窓の外を指さしながら幼児に優しく説明する。そんな幼児は窓の外に目を輝かしていた。もうすぐ夕食の時間だ、そうエーミールは呟けば幼児を連れて食卓へと移動する。幼児は嗅いだことのない食事の匂いに困惑していた。


e「ほら、貴方は初めて口にする食材がありますよ。」


「ァ……あ”…!」


喋る事もままならない幼児に少しエーミールは癒やしというもの覚える。彼の可愛らしい反応に少し口角が緩んだ。食卓の近くに置いてある椅子にエーミールはいつもの様に腰掛ければ、それを見様見真似で幼児の数倍ある椅子に腰掛けた。エーミールは食卓に並ぶ食材を前にして両手を合わし、頂きますと呟いた。


「…ぁ……あ、…」


e「…熱いですよ。」


「あ……ッゥ゙……」


e「…言わんこっちゃない……、良いですか?パンは千切って食べるんですよ。」


そう言ってエーミールは、幼児の口に合わせた大きさにパンを千切り幼児の口に運ぶ。もぐもぐと美味しそうに顎を動かす幼児を目にすればエーミールはまたもや口角が緩む。パタパタと幼児の後ろから音がし、エーミールは幼児の下半身に目を向ける。


e「…おや、嬉しいんですか?」


「……♪」


e「食べていたら、返事は出来ませんね…笑」


幼児の下半身にはもふもふとした尻尾が上下していた。数十分した後、食事も一頻り終え二人は寝室へと足を運んでいた。幼児はふかふかとしたベッドに身を包んでおり、とても満足そうな表情を浮かべていた。その間にエーミールは風呂に歯磨きを済まし、ベッドに身を委ねた。


e「ふぅ……、貴方も隣に来ますか?」


「!…」


また食事と同様上下に尻尾を動かす幼児にエーミールは笑みを溢していた。拾ってきただけでこんなにも懐かれるのか、そうエーミールは思っていれば幼児と共に布団へ入る。幼児の小さな身体がこちらを向いており、完全に安心しきっているようだ。…にしても不自然だ、こんな短時間で普通は好かれるものだろうか。それとも何か作戦が?…いや、こんな言葉を発するのもままならない幼児が?何の為に作戦を……、そんな事をグルグルと考えている間に疲れてしまったのかエーミールは深い眠りに着いてしまっていた。


e「……ん、…んん”……。」


次エーミールが目を覚ませば腹部に強い圧迫感があった。右手を動かそうとするも上手く動かせず、まるで固定されているようだった。足も動かそうものならグググ、と何かに抑え付けられているようだった。金縛り?そんな訳…、そう思いながらうっすらと目を開ける。そして薄暗い寝室の中、自分の腹部に視線をやると…


e「……ぇ”…、」


















続く……

どうも主です、初めましての方は初めまして。スマホ変更のいざこざがありデータ移行が出来ずこの様な形になり申し訳ございません。

100話?1000話?ほどあった作品とも全て手放し0に戻ってしまいました。そんなにダメージはなかったです。


では、次の投稿でお会いしましょう。

この作品はいかがでしたか?

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