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一旦完結に持ってきたいのでさっさと書いちゃいます。まだ完結しないよ?!もうちょっと
では本編どぞ
翌日。
「……なんでまた来てるんだお前は」
ドアを開けた瞬間、そこに立っていたアメリカを見て、イギリスは顔をしかめた。
「昨日楽しかったからね!また来た!」
「理由が軽すぎるだろうが!」
ずかずかと部屋に入ってくるアメリカに、イギリスは半ば諦めたようにドアを閉める。
(……まぁ、来るとは思っていたが)
紅茶を二人分用意しながら、イギリスはちらりとアメリカを見る。
(昨日は……その、悪くなかった)
むしろ。
(……いや、考えるな)
「なあイギリス、今日何するんだい?」
「は?」
当然のように居座る気満々のアメリカに、イギリスは眉をひそめた。
「帰れ」
「えー!?ひどくないかい!?」
「俺は忙しいんだ」
「じゃあ手伝うんだぞ!」
「お前に何ができる」
「えっと……応援?」
「帰れ!!」
きっぱりと言い放つが、アメリカはまったく動じない。
「ねえねえ 、どっか行こうよ」
「行かん」
即答。
だがアメリカは引かない。
「じゃあさ、イギリスが行きたいとこでいい!」
「……別にない」
ぴたり、と会話が止まる。
(……本当に、ないわけじゃない)
行きたい場所はある。
ただ——
(こいつと一緒に行きたい、なんて言えるわけがないだろうが!)
イギリスは咳払いをひとつした。
「……強いて言うなら」
「お、あるじゃないか!」
アメリカが身を乗り出す。
「その……新しくできた店があるらしい」
「へえ!」
「別に興味はないがな。ただ、評判を確認する必要があるだけだ」
「うんうん!」
「お前がどうしてもと言うなら、ついていってやってもいい」
「え?」
アメリカはきょとんとする。
「いや、俺まだ何も言ってないぞ?」
「……っ」
イギリスの顔が一瞬で赤くなる。
「だ、だから!お前が行きたいなら付き合ってやると言っている!」
「え、優しすぎないか?」
「違う!!」
思わず声が大きくなる。
(違うだろ馬鹿!!そこは気づくところだろうが!!)
しかしアメリカは、にこにこと嬉しそうに笑うだけだった。
「じゃあ行こう!」
「……ああ」
(……本当に、伝わらない)
店に向かう道中。
アメリカは楽しそうに周りを見回している。
「いい天気だね!」
「……そうだな」
会話は続いているのに、どこか噛み合わない。
イギリスは少しだけ歩幅を速めた。
「イギリス、速いんだぞー」
「遅いお前が悪い」
そう言いながらも、少しだけ速度を落とす。
気づかれない程度に。
店に着くと、思った以上に混んでいた。
「うわ、人多いな」
「……仕方ない、待つんだぞ」
列に並びながら、イギリスはちらりと隣を見る。
(……帰ると言い出さないな)
むしろアメリカは楽しそうだ。
「こういうの、なんかワクワクするよね!」
「……子どもか」
だが。
その笑顔を見ていると、悪くないと思ってしまう自分がいる。
(……単純だな、俺も)
そのとき。
人混みで軽く押され、イギリスの体がよろけた。
「っと」
次の瞬間。
腕を、掴まれる。
「大丈夫かい?」
真剣な声。
近い距離。
「……っ」
イギリスは一瞬、言葉を失った。
「……離せ」
「え、ああごめんなんだぞ!」
ぱっと手を離すアメリカ。
(なんでそんなあっさり離すんだ馬鹿!!)
内心で叫びながら、イギリスは顔を背けた。
「……平気だ」
「そっか、よかった!」
無邪気なその言葉に、イギリスは小さくため息をつく。
(……ほんとに、気づかないんだな)
だったら。
(少しくらい、分かりやすくしてやってもいいのか……?)
ちらりとアメリカを見る。
そして、ほんの少しだけ。
意を決したように口を開いた。
「……次も」
「ん?」
「……また来てもいい」
「え、いいのかい!?」
ぱっと明るくなる顔。
「……お前が来たいならな」
精一杯の、不器用な言葉。
それでもアメリカは嬉しそうに笑った。
「絶対来る!」
(……ああもう)
顔が熱い。
(こんな簡単なことすら、まともに言えないのか俺は)
それでも——
少しだけ。
距離は縮まった気がした。