テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
『妖様へ願事』〜人を呪わば穴二つ〜
第二章『欲まみれの願い』
第四話 ゼツボウヨコンニチワ
『貴方は両親を消した。それなら当然貴方も生まれなかったことになる。』
『そ、そんな…俺は、ただ…』
『クスッ。』
クイッ。
私はログランの顎を指先で弄ぶ。
『自ら望みを乞うてその代償がこれ。絶望に堕ちた気分はどう?』
『く……っ。離せ!』
バシンっ!
女狐の手を叩く。
『俺は、兄貴を消して両親から愛されたかっただけだ!こんな、こんな結末望んでない!!』
『そうね、ただ貴方が遅く生まれただけなのに人生を左右される生き方なんて理不尽よね。だけどそれが人間よ。優れたものだけを評価し、出来損ないは評価されない。いつの時代も…人間は同じことをする。』
私は崩れ落ちるログランの頭を撫でる。
『だから人間は面白い。欲に塗れているのに
みんな心の底でまた何かを求めている。だから愚かなのよ。可哀想ね。』
『…っ、死にたくない、なんで俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだよ!!』
『さぁ、時間よ。ログラン。貴方の命を頂くわ。』
『い、嫌だ!お前はもう兄貴と両親の命を奪ったはずだ!俺からは何も取らないって……っ!!』
『人を呪わば穴二つ…強欲な貴方の願いを3つも叶えたのよ。美しくなりたい。邪魔な兄を消したい。両親を消したい。こんなに願いを叶えたのに何が不満なのかしら。あ。そうね、貴方の命を頂く代わりに、お兄さんとご両親は生き返らせてあげる。私はね、強欲な人間の魂が大好物なの。』
『嫌、嫌だ……っ。』
俺は震える足で逃げようとする。
『誰か、助けて――!!!!』
『……ごくんっ。ご馳走様。』
私はペロッと舌なめずりをする。
『貴方の肉体は美味しく頂いたわ。でも、魂は永遠に地獄をさ迷い続ける…。』
私はログランの魂を手に添える。
『貴方にはその姿がお似合いだわ。そうだわ、今の私は凄く気分がいいの。貴方のことを家族がどう思ってるか見せてあげましょうか。』
『父さん、母さん。見て、今日も、家庭教師の先生に褒められたんだ。』
『凄いなぁ、やっぱりお前は私の息子だな。』
「父さん、兄貴…」
「今日はご馳走を作るわね。沢山食べなさい。」
「父さん!母さん!兄貴!」
『無駄よ。貴方は死んでいるの。声は届かないわ。それに…貴方は生まれていないことになってるもの。』
「嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ!!」
『地獄の時は永遠…私達妖とずっと一緒に居ましょうね。』
「ああああああああああああ!!!!!!」
次回
最終話 ミタサレナイ
ぷち
23,131
#願いを叶える
ぷち
1,691
コメント
3件
ぷちさん物語書くの上手すぎません?毎回読んでてまじか…ってなります、今回も両親消したらそりゃ生まれてないからなるほどってなりました🤔 投稿ありがとうございます🙏今回も最高でした😳続きも楽しみに待ってます👍
第二章、読了しました…っ。 ログランが「こんな結末望んでない」って叫ぶところ、すごく胸が痛かったです。願いを叶えてもらった代償が、自分の存在そのものを消されるって…しかも最後に家族の笑顔を見せられて、声が届かない絶望。あれは本当にえぐい演出でした。 妖の女の「欲に塗れているのに心の底で何かを求めるから人間は面白い」って台詞が、この物語の核心を突いててゾッとしました。次回が最終話「ミタサレナイ」…どう終わるんだろう。ログランの魂、救われるのかな。 ぷちさんの描く絶望の質、毎回重くて刺さります。読ませていただきました🥀