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『妖様へ願事』〜人を呪わば穴二つ〜
第二章『欲まみれの願い』
最終話 ミタサレナイ
『なんか…満たされないわね。』
『空腹ですか?それなら俺の飯でも食べます?』
『その場しのぎしか出来ないけど、頂くわ。ロノのご飯は美味しいから。』
私はロノの料理を口にする。
『…主様。俺、1つ聞きたいことがあるんです。』
『何かしら。』
『どうして人間に同情なんてしたんですか?』
ピクっ。
食べている手を止める。
『同情…?』
『俺は、人間が大嫌いです。自分勝手だし、いつだって他の奴の命を簡単に犠牲にする。それなのに、なんでお狐様は……。』
『……だって、面白いじゃない。』
『え?』
『ヤヨイは例外だとして、ログランは自分勝手で欲まみれ。そんな奴の私は願いを叶えてあげた。どんな結果になろうと望みは叶えてあげた。そんな人間が無様に狂って、地獄に堕ちる様は最高よ。見ていてとても満たされる。人間を喰うより遥かに満たされるの。ねぇ、ロノ。』
サラッとロノの髪を撫でる。
『こんな私は狂っているかしら。それとも…恐ろしくて嫌?』
ゾクッ。
赤い瞳で俺を捉えたその姿は人間の恐れるお狐様だ。
『いいえ。それでこそ俺の主様です。』
主様に跪く。
『貴方が望むなら…私の力で人間を根絶やしにしても構わないわよ。』
『ふっ。もしそれが出来たら夢のようですね。俺含め…ここにいる奴らはみんな人間によって色んなものを失ったものばかりですから。』
『そうね…。私も同じよ。人間なんて…みんな愚かなんだから。ロノ、ご馳走様でした。美味しかったわ。』
私は席を立つ。
『……美味しかった。ですか。俺の料理じゃ、全然満足なんて出来ない癖に。』
私は鳥居をくぐり、森の中を歩いた。
『人間が来る時以外は外に出ないからたまには外に出るのも悪くないわね。』
(自然によって作り出された緑の生い茂るここは、落ち着くわ。)
と、その時――。
『おぎゃ、おぎゃぁっ。』
『…赤ん坊の声?』
私は声を頼りに森を歩く。
『おぎゃっ、おぎゃぁ!』
『こんな所に赤ん坊なんて……。人間の仕業ね。』
私は赤子に近付こうとする。
と、そこに野犬が現れる。
『ぐるるるっ…。』
『…!』
赤子に襲いかかろうとした野犬を身を呈して庇う。
ガブッ!
『っ…ぅ!』
腕に牙が刺さる。
ぼわっ!
狐火を野犬に向け脅かす。
『ばうっ!きゃんきゃん!!』
『ふぅ…。危なかったわね。…貴方、捨てられたの?』
私は白い布に包まれた赤子を抱く。
『おぎゃあ、おぎゃぁ…!』
『……。』
私はそのまま屋敷へ戻る。
なぜそうしたかなんて、分からない。
啼き声が耳障りだったからなのか。
いつもの同情かなんて。
次回
最終章 『人間と妖』
第一話 ゲキリンとヒミツ
ぷち
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#願いを叶える
ぷち
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コメント
1件
おお、第二章最終話か…! お狐様がロノに「人間を根絶やしにしても構わない」って言い放つシーン、めっちゃゾクッとしたわ。それでいて最後に赤子を助ける行動…「満たされない」って言いながら、無意識に動いてる感じが深いね。ロノの「俺の料理じゃ満足出来ない」って台詞も心に刺さった。次章、人間と妖の関係がどう動くのか、めっちゃ気になるわ🔥 ぷちさん、続き楽しみにしてる!