テラーノベル
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ピンポーン
pn「…あ、届いたかな…?」
真夜中.高価な値段にそぐわない簡素で雑なダンボールに入って、”それ”は俺の物になった。俺は期待に駆られて、ダンボールを開けた.
…まず中に入っていたのは、説明書.それと…
手の平サイズの、小さな人形.
ご丁寧に小さいTシャツまで着いてあった。
俺が買ったのは、本当の人間みたいに動いて、
人間の心を持つって言われている人形。
俺はきっと叶わないであろう自分の初恋を、
高い金を払って満たそうとしていた。
説明書には、俺が追加料金を山ほどかけて注文した人形の外見と、人形の膨らまし方が小さい文字でみっちりと細かく書かれていた.
『身長176cm.標準体型.平行ぎみの眉.青い髪.柔らかい声.紺碧色の瞳.』
『浴槽に肩まで浸かる程の温水を入れ、4時間放置する。※絶対に時間をオーバーしない事』
pn「ウワッ…結構ちゃんとしてるんじゃん…!」
俺は説明書を元に戻し、俺の手に収まってしまう小さい人形を、湯の中に沈めた。
pn「ちゃんとrdになりますように。」
それから4時間後。やっていたゲームを終わらせ風呂の様子をわくわくとしながら除くや否や、、
目を伏せ、びしょぬれの状態で彼が浴槽にいた。そのあまりの可憐さに、目が眩む。
俺に気づいた彼は、ぱちりと瞳を開け、少し首を傾げた後にぽつりと口を開いた。
rd?「…こんにちは.俺を買ったのは君?」
…ああ、彼の声だ。これは。間違いない!
pn「…こんにちは!俺pn.」
pn「君の恋人だよ.」
rd「…こい、びと………恋人…」
rd「そういう”設定”でやっていくんだね.」
rd「…よろしくね.pn.」
pn「うん.よろしく!」
そう言って、俺は彼の頬に口付けをした.
彼はぴくりと動いた後、俺に身を任せる様にして目を閉じた。その様子は本当に人間みたいで、
本物のrdそのものだった。
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