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ナルニア視点
どうして、あの時背を向けたのか
自分にも、上手く説明できない
ただわかっていたのは━━━
このまま”〇〇の隣にいる”ことが怖くなっていた。
私の傍にいると、〇〇が壊れてしまう気がした。
言葉にできない、「苛立ち」や「焦り」
“誰かを守れる自分”になりたくて、でも空回って、
勝手に理想を背負って、勝手に躓いて、
そのたびに、〇〇が困った顔をしていた。
あの笑顔を、もう二度と曇らせたくなかった。
それなのに、私は何度も、自分の感情を自分で処理できずにぶつけてしまった。
〇〇の優しさに甘えてた。
“わかってくれるだろう”と、どこかで信じていた。
でもそれは、〇〇に全部を背負わせてるだけだった。
あの日、本当は抱きしめたかった。
けど、手を伸ばせなかった。
この手で触れて、温度を感じてしまったら━━
もう、離れられなくなると思った。
「君のことが大事だ」って言葉すら、そのときの私には、
罪みたいに思えた。
だから逃げた。
大事だったから遠ざかった。
…….その選択が、どれほど酷いことだったかなんて、離れてから嫌という程思い知らされた。
毎晩、〇〇の名前を思い出して、
“今どうしてんだろう”って考えるたびに、あの時手を握っていたらって、何度も何度も後悔した。
私はもう、”正しい”とか”かっこいい”とか、いらなかった
今はただ〇〇だけを欲した。
ただ隣にいたかった。
それだけだったのに。
━━━━ だけど、
もう一度〇〇に会って、その涙を見て、やっと気づいた
「傷つけないために離れる」なんて、ただの言い訳だ
本当はただ、私が怖かっただけだった。
「愛することに自信がなかった」
「不器用なまま隣にいる勇気がなかった」
でも、今は違う。
今度は、どんなに情けなくても、泣かせても、弱くても、
それでも”隣にいたい”って思った。
“俺” にできることなんて、ほんのわずかかもしれない。
それでも今度こそ、言わせて欲しい。
「君のことをちゃんと愛したい」
って。━━━