テトロドトキシン

マネージャーはまずメンバーに一斉送信して状況を報告。

病院には代表で1人か2人しか来たらダメだと言われる。

次に事務所に行き、阿部の現状を報告した。

マネージャーは清掃員の顔を見ていない。

探しようがない。

病院に岩本と目黒が来た。

特別室で静かに眠っている。

目黒ー亮くん。

岩本ー飲み物買ってくる、待っててくれ。

気を利かせ岩本が病室を出た。

目黒は、阿部の頬を撫でる。

そっとキスをする。

阿部が目を覚ました。

阿部ーめめ。

目黒ーどうしてこんな事に？

阿部ー知らない。

目黒ー今、テレビ局の防犯カメラを調べてもらってる。

阿部ー若い女性だった。

目黒ーフグの毒だって。

阿部ーテトロドトキシン？

目黒ーん、上手く静脈に刺さってたんだって。

阿部ーそう。

目黒ー何度もトイレに行って、毒を出すんだって。

阿部ーこの点滴、利尿作用があるんだね？

目黒ーそうマネージャーさんが言ってた。

岩本が戻ってきた。

阿部は、こんなことされる覚えがないと言う。

理由はこれから警察が調べる。

阿部はとにかく身体から、毒を排出するようにと岩本に言われる。

目黒ー亮くん、頑張って。

阿部ーうん。

岩本ー俺たちは帰るから。

阿部ー忙しいのに、ごめんね。

岩本ー毎日、目黒が来るだろうから。

阿部ーありがとう。

目黒ーまた明日。

目黒は阿部の頭を撫でて、岩本と帰って行った。

阿部は、病室のトイレに行く。

水も飲むように言われている。

母親が着替えとか身の回りの必需品を持って来た。

目黒が面会で昼から来るから、洗濯物は朝に取りに来てと母親に言う。毎日、目黒だけが来ているとおかしいだろうと思ってのこと。

阿部の使う楽屋前からテレビ局の入り口までの、防犯カメラに清掃員の格好をして走り去る女性が映っていた。その中で顔が判るものが、数箇所ある。

警察が阿部の病室を訪ねて来た。