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──────めめさん視点──────
───その瞬間、私は思いっきり鎌を振るう。そいつも同時に拳を突き上げ、鎌を受け流す。
「ちょッ、めめさん!?何するんですかッ!?」
そいつがそう慌てながら言う。が、私は鎌を構え続ける。
「それ以上喋るな。異常者。」
「そ、そんなこと言わないでくださいよッ」
「バレないと思ってるなら、相当なバカですよ。私は、魂で誰かを判断できるんです。あなたは八幡さんと明らかに魂の形が───」
私がいい切る前に、一瞬で間合いを責め、その拳が私の顔面まで届く。それを蹴りで受け流し、その勢いで後転しながら距離をとる。
「最後まで聞きなさいッ!!」
「───いやぁ、バレてるならそりゃそうするよ。まさか、奇襲タイミングが被るなんて…ある意味運命だねぇ。」
そう言って、ニタニタと笑いながら目を細めてくる。その瞳の奥は嘲笑で濁りきっていた。
「本物の八幡さんをどこにやったか答えなさいッ!!」
私が、強く切り出しても、相手はへらへらしながら言い返してくる。
「ん〜?何言ってるの?我が八幡宮だぞ。」
「つまらないギャグはいいです。さっさと教え───。」
「体、乗っ取った。わかるか?言葉の意味が。今、君の目の前にいるのは我であり、八幡宮なのだよ。」
「───は…?」
「驚くのも無理はない。君は長いこと神界にいなかったのだから、今の神がどんなことができるかを知らないだろう。」
そう言いながら、今度は哀れみの目をこちらに向けてくる。どこまでも腹が立つ表情をしている。その金色の瞳はそいつの欲を映し出すように濁って、濁っていく。見ていて、気味が悪いとすら思った。
「我々神はご存知の通り代々力が弱まっていく。しかし、それではいつかは実験体レベルの強さになってしまう。そう考えた我々は、様々な方法を試し、力を補い、そして初代様に近づけるように日々精進した。」
まるで、昔話を語るかのような声。何か、意識が飲み込まれるような、この話から離れられない、そんな不思議な引力を感じる。
「その結果が、これだ。他者の体から力を抜き取り、我がものにしたり、その身体を乗っとたり、実験体にして自身の技を極めたり───。あらゆる方法で我々は力をみにつける。」
───は?思わず、声が漏れかける。話している意味がわからない。何を言っているのか。こいつらは、ほんとに頭がいかれている。正気の沙汰じゃない。
「あぁ、わかっているさ。こんなの正気じゃないと。」
どうやら、まともな思考ができる脳内回路は残っているようで私の疑問に先回りして答える。
「ただ、そうでもしないと最高神様に──────。」
そう、そいつが言いかけた時。そいつの───八幡さんの体は内側から爆ぜた。まるで、時限爆弾の時間が来たかのように唐突にそれは爆発した。何も、していないのに。
───その時、脳内から声が聞こえる。
(───帰ってきたか。死神よ───)
その声は、朧気な記憶の中にある声だった。しかし、最後に聞いた声から少しばかり変わっている。
(早く、来い。来ないと、お前の仲間をこいつみたいに殺していく。)
───こいつが、爆発させた犯人。八幡さんを爆発させた。犯人。最高神の味方の神が体を乗っ取っていたと言うのに、こいつは躊躇いなく殺した。相変わらず、狂ったやつである。
(───もう少し待て。今は、仲間を弔わなければならない。)
(そんなもの、放置すればいい。死んだらただのガラクタだ。その肉体はいずれ朽ちて、消える。その前に神々がそれを崩して、バラして廃棄するのだから何の心配もするな。)
「…黙って待ってろよ…。クソ野郎が。」
『ははっ。怖い怖い。退屈なものでね、早く来てくれよ。まあ、この私直々に君を訪ねてもいいけどな。』
「お前から来るのならば私は自ら自身の魂を破壊する。それが嫌なら黙って待ってろよ。」
『…。いいだろう。ただし、来なければ全員皆殺しだ。良い条件だろう?』
「…構わない。」
『それじゃ、待ってるよ。《裏切り者》さん』
一方的に話を押し付けて、そいつはやっとテレパシーを止める。私ほ、その瞬間、そのまま膝を地面につき、崩れ落ちる。
「あ゛あ゛ぁ゛ッッ!!!ごめんなさいッ!ごめんなさい…ッッ!!」
どうして、こうも後悔が残ってしまうのか。既に目の前にあるのは肉塊で、八幡さんだった欠片すらも見つからない。それに、血の量が異常に少なく、全然出血していない。おそらく血抜きされた後に───。
「う゛ぁ…ッッ!どッし゛てぇ…ッ!!」
私の仲間はこうも不幸な目に会うのか。ちゃんと、ちゃんと選んだのに。不幸に見舞われたとしても、それに屈さぬ気持ちと、戦闘に長けた、死なない人達を。誰よりも優しい心の持ち主たちを。仲間として、向かい入れて楽しく、楽しく暮らしたいだけなのに。私が、私が関わったばっかりに。みんな、みんな死んでしまう。死神が何をしたというのだ。こんなにも、一生懸命働いて、少しくらい報われたっていいのに。
八幡さん、あなたは例外だって、言ってたのに…!!死ぬことは無い、守るって、約束してくれたのに───。
「嘘つきッッ!!!みんな、みんな嘘つきだぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛ッッッ!!」
私の心は、パキンっと割れた。
ここで切ります!え、なんかこれ20分で書き終わったんですけど…元々道筋立ててるからか?それとも予定通りに書けたからか?…真偽は不明です。とか言いながら9時に間に合ってないんですけどね()今、40分のときを越えて書いてます。言い訳としては、まあ、受験生ということでお察しください。
それでは!おつはる!