何も違う僕ら
鬼灯は暇がてらに城に行って侵入をした。
そこにいるのは虐待の跡が残っているただのか弱い少女。
俺はいつもその少女に会いに行き、元気を付ける。少女はまるで俺がスーパーヒーローかのように希望を持った瞳で見つめてくる。
俺はその瞳で見られる時いつも複雑な感情に苛まれる。
この少女には自分のようなことが起こらないようにいつも危険がありそうな時は近くに居て安心をさせてあげる。
安息の地が一つあるか、ないかでも変わる。俺はそのつもりでいつも少女の近くに居て、ときには一緒に遊んだり、時にはクソしょうもない一発ギャグをしたりする。
何処が面白いのかは俺にはよく分からないが、少女がいつも笑ってくれるから俺もしょうもない事を続けれる。
でもたまに考える事がある。
少女が大人になったときどんな風になるのか。悪い大人に利用されるだけの操り人形のようにならないのか。
俺はそれが心配だ。
だが、俺からは何も言わないようにした。
少女の人生は少女に決めさせたい。
そう考えていたら少女は笑い疲れて眠ってしまった。
『ローディル‥、、‥俺はお前と会って何年なんだろうな‥‥、でも‥でかくなったな‥』
俺は何故か悲しげな声で言っていた。
だが少女は寝ている。自分の声は届かないのだろう。まぁどうでもいい。
少女に布団をかけて、1時間はずっと見守っていた。
この少女には幸せになって欲しい。
俺はその幸せを作るためのピエロにでもなってみたい。
環境は違うが俺は何処かこの少女に親近感を湧いていた。どうせ家族に必要とされなかったのだろう。
『おやすみ。‥ローディル。またな』
そう呟いた後、俺は城から出て行った。
もしローディルが俺と話してることを家族に知られたらあの子が何をされるかわからない。だから俺はローディル以外の家族とは会わないようにきそうになったら懐にあるクソ苦い透明化の薬を飲む。
副作用もあるからできるだけ飲みたくない。
次は何をしようかと悩みながら街を歩いている。とオラオラしてる系の人間とぶつかった。クソほど謝りたくないので無視して、そのまま歩き出そうとすると絡んできた。
やっぱり今日は災難な日だ。
これ以上何かされる前に、時空を歪ませて相手を何処かに飛ばす。
触らぬ神に祟りなしと言うだろう。
最近思うことがある。死神も貧乏神みたいな不運の力があるんじゃないかと。
死神の周りにいると何か起こる、、そう思っていたら俺が近付かないほうがローディル幸せになれるのかもしれない。だがローディルはまだ自立できるほど大人ではない。
やっぱ俺が近くにいるべきだろうか。