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Eliminator~エリミネ-タ-

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Eliminator~エリミネ-タ-

136 - 第136話 七の罪状 ~後編24 神の領域

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2025年06月20日

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************



――凄まじい闘いが展開されていた。御互い、完全に常軌を逸していた。



「おあぁぁぁ!!」



「ぐっ!」



だが両者の間で異なるのは、ぶつかり合う度に僅かに弾かれるエンペラーの姿。



戦況は――明らかに、雫がエンペラーを押していた。



エンペラーの刀に対し、雫は素手のまま。素手でエンペラーの刀とやり合う処か、優勢に進めているのだ。



「この私を力のみで押すとはね……」



エンペラーも認めざるを得ない。自身の劣勢を――。



「いいからもう――死ね!」



弾かれて態勢を崩したエンペラーへ、雫が凄まじい速度で追撃に掛かる。



「それは無理な相談だ。君が如何に強くなろうともね」



エンペラーも迎撃に移る。そして居合いの構えから放たれるそれは、両者が誇るかの奥義――



“神露・蒼天星霜”



音と冷気の衝撃が、追撃する雫をカウンターで襲う。



これは避けられないし、刀を持っていない雫は相殺も出来ないしで、まともに受ける以外無い。



「それが――どうしたぁぁぁ!!」



咆哮と共に構わず突っ込む雫。完全に直撃した――が。



「何っ!?」



エンペラーは驚愕する以外無い。直撃した筈の雫は、全くの無傷だったから。



「これは驚いたね……。いや、予想以上だ。まさか気合いのみで、これを打ち消すとはね」



つまり雫には、単純に届いていなかったのだ衝撃が。それ程に雫は、エンペラーの全てを上回っていた。



「この程度の技、今の俺の前では児戯にも等しい……。終わりだ雪夜。今の内に念仏でも唱えろ」



「フフ……随分と大きく出たね。これで勝った気でいるとは――」



闘いはまだまだ続く。だが終幕を迎えようともしていた。



圧倒的な雫の上昇力。それに対するエンペラーの、追い詰められて尚も揺るがないその不気味なまでの自信と余裕が、御互いの思惑と空間を交錯していく。



誰もが思い、感じ取っていた。この闘い――次で終わる。



先程までとは打って変わり、膠着状態の両者。恐らく次で決める為の一撃を、虎視眈々と狙っているのだろう。



「あの野郎……」



琉月に抱かれながら時雨は、彼等の闘い――特に雫へ向けて、微妙な面持ちで舌打ちした。



生き残れる可能性が出たのはいい。だが彼は複雑でもあった。ライバルを越えたと思っていたら、またしても追い越される事となり、手の届かない領域に行ってしまった雫へ。



「幸人お兄ちゃん……勝てるよね?」



既に琉月と時雨の下で、次で終わるだろうこの闘いの決着を見守っている悠莉。



「言いたかねえけど、今のアイツはエンペラーの全てを上回ってるわ……」



時雨は認めたくなくとも、認めざるを得ない。断腸の思いで次の展開を示唆した。



「ええ……。これで彼の敗北は有り得ません」



琉月も同意見だ。



「良かった……」



悠莉は彼等の見解に安堵したが、本当にこれで良いものか。



明らかな劣勢に於いて、エンペラーのあの不気味なまでの余裕の表情。このまま、すんなり事が運ぶとも思えない。時雨と琉月がはっきりと雫の勝利を明言出来ないのは、その危惧が過るから。



だが何としても、これで決めて貰わねば。現状は雫に全てが委ねられている。



ここで雫が敗北ともなれば、もう望みの無い本当の意味での終幕となる。それは彼等のみならず、そのもの全てがだ。



決着の一撃。先手を取ったのは――



エンペラーだ。彼の周りより、極光の冷気が発動される。当然その冷気は氷点最低温度――



“絶対零度か!”



時雨は一瞬、目を見張ったが、今更感も強い事を思う。



確かに氷点を操る彼等の最到達点は、絶対零度以外無い。



だが今の雫には、それすらも通用しないのではないかと。



「何っ――!?」



しかし、それだけでは終わらなかった。発現した絶対零度の冷気は、掲げられたエンペラーの刀身へ、全て集約していく。



忘れていた。エンペラーの真価は、特異能と剣の複合に有った事を。



エンペラーは絶対零度を宿した刀身を、鞘に納め構える。



居合いの構えから、かの『神露・蒼天星霜』かと思われたが、何処か違う。



「星霜剣最終極死霜閃――『無氷零月』か……」



雫にはその意図が分かった。同じ剣を操る、彼だからこその。



「フフ……君も知っての通り、これは防げないよ」



不適に笑うエンペラーの、不気味な迄の余裕と自信は、この技にあったのか。



瞬間――誰もが感じ取った。そして震撼した。



“消えた……?”



先程まで肌で感じていた筈の冷気も、闘気も、エンペラーの気配さえが一切消えた。



エンペラーの姿は其処に確かに在る。だが感じ取れない。在る筈なのに無いような、そんな不思議な感覚に陥っていく。



そしてそれが、とても不味い事に気付く。



これではエンペラーの初動さえも読めない。このまま雫は、為す術も無く倒されてしまう事に。

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