ガープは2年前の出来事を皆に語った。
ナミ「そんなことがあったの…」
ルフィがドラゴンをチラチラ見る。
ドラゴンがその視線に気づき
ドラゴン「どうした?」
ルフィ「父ちゃんと会うの初めてだなって。」
ドラゴン「初めてではないが、そうだな。」
ロー「今はそれどころじゃねぇだろ。」
ルフィ「ああ!そうだな!アイツらがどこへ行っちまったのか!まずはそこからだ!」
それから数日後。
ジンベエ「ルフィ!手掛かりになるかは分からんが見つけたぞ!」
ルフィ「!!!ジンベエ!教えてくれ!」
麦わらの一味とロー、ベポ、キッドとキラー、ドラゴンは行動を共にしていた。
ジンベエ「ウルフと言う山賊団は1つの島を襲う度に、その島に2週間ほど滞在しとるらしい。」
キッド「じゃあ、そいつらは今何処に居んだ!」
ジンベエ「つい昨日じゃ、アダル島と言う島が襲われたみたいじゃ。」
ナミ「地図はある?」
ガサゴソとウソップとチョッパーが探し出す。
ウソップ、チョ「あった!この地図に乗ってるぞ!」
ナミ「貸して!」
ウソップとチョッパーから奪い取る。
ナミ「今、私たちが居るのがここだから……!!近いわ!」
サンジ「ほんとか!ナミさん!」
ナミ「ええ。昼過ぎには着きそうね。」
ルフィ「よし!じゃあ野郎ども!アダル島へ向けて出航だァァ!」
全員「おー!」
ウミ目線
ウミは顔が隠れるくらいマントを被って歩いていた。
ウミ「…すまねぇ、私、旅してんだけど腹減っちまって、お汁粉ひとつ貰えるか?」
その島は最近襲った島だが、ウミはバレないように嘘をつく。
屋台の男「嬢ちゃん、運が悪い時に来たね。最近、ここは山賊に襲われてこのザマだよ。はいよ。」
屋台の男はウミにお汁粉を渡す。
ウミ「……そっか。大変だな…」
ウミは申し訳なさそうな顔をする。
屋台の男「仕方ないさ…そう言う運命だったんだ…嬢ちゃんも気を付けなよ?」
ウミ「ああ。ありがとな。」
ウミはお汁粉を受け取り歩いて行く。
ウミは地面から少し高い所のベンチに座る。
?「振り返らず、落ち着いて聞け。」
ウミ「!!!」
ウミの後ろから話しかける声は最近までいっしょに居た男…
ウミ「…シャンクス?」
そう。赤髪のシャンクスだった。
シャンクス「……ルフィ達がこの島に来てる。」
ウミ「!!!な、んで……」
シャンクス「お前がこんなことを背負ってたなんて知らなかった。すまねぇ。」
ウミ「謝るような事、シャンクスしてないじゃん……」
シャンクス「………」
シャンクスはそっと消える。
それと入れ違いになるかのように誰かが歩いてくる。
ウミ「!!!」
ウミは目を見開く。なぜならそいつは
ウミ(なんで…トラ男…)
そう。1番、会いたくなかった、ローだ。
別に嫌いだから会いたくないわけじゃない。
この間、あんな自分を見られて会いたくなかった。
ウミ(バレないよな?)
今のウミの格好はウミだとバレないだろう。なぜなら今、ウミは、髪の毛が白色に変化し、顔が隠れるくらいマントを被っているのだから。
ロー「………」
ローがウミの前で立ち止まる。
ウミ「………?」
不思議に思い顔を上げ、ローを見る。
ロー「!!!……」
ローはウミと目が合い驚くがやはりウミだと気づき、寂しそうな顔をする。
ウミ「………」
そんなローを見つめる。
ロー「…ウミ屋…」
ウミ「え?な、んで…(バレるはずない。だって今の私は見た目だって違うのに。なにかの間違いだ。きっとそうだ)」
ウミは信じたくなかった。
ウミ「そいつが誰か知らない。少なくとも私じゃない。帰って。」
ロー「声も顔も目も人を寄せ付けたくないと思っている雰囲気も同じなのにか?」
ウミ「!!!」
ローの言葉に驚く。
ウミ「…そ、そんなこと…ないだから帰っ」
ドン!)
ローがウミを押し倒す。
ウミは反動で目を瞑る。
ロー「…頼れよ!なぜお前は誰にも!俺に頼らない!なぜ1人で背負おうとする!?救いを求めたって誰も嫌がらねぇ!頼れ!俺に!言え!」
ローが声を荒らげる。
ウミ「…( இωஇ )ウゥ…助けて…トラ男。助けて。」
ウミが涙を流しながらローに救いを求める。
ロー「……当たり前の事を言うな。」
ウミを抱き上げる。
ロー「俺が、俺達がお前を救い出してやる。」
ウミ「トラ男……。!!!!!」
ドン!)
ウミが何かに気づきローを力いっぱい押す飛ばす。
ドォォォン!!!)
いまさっき、ローが居た場所に大きな攻撃が来る。
だがそれはローが居たとしても掠りもしなかったと思っている。
ロー「何をする!!!!」
ウミに訪ねる。
ウミ「ごめん…トラ男」
攻撃が飛んできた方向からウルフが歩いてくる。
ウルフ「おいウミ。何やってんだ。お前、助けてやったってのに。」
ウミ「………」
ロー「てめぇ、誰が誰を助けただと?舐めるのも!」
ウミ「トラ男!!!黙れ!!!」
ウミが大声をあげる。
ビクッ)
ローが驚く。
ロー「お前…さっきの言葉は!」
ウミ「うるさい!!!!……もういいから、やっぱ、いいから帰って……」
ロー「……ごちゃごちゃ、うるせぇ。何をしようが俺の勝手だ。俺に命令するな……」
ウミ「!!!なんでだよ…帰ってよ…命令じゃねぇ!私からの!お願いだよ!だから…帰って…」
ロー「…嫌だと言ったら?」
ウミ「!!」
ローの発言にウミが驚く。
ウルフ「ごちゃごちゃ、うるさいのはどっちかなぁ?殺すぞガキ!!!」
ウミ「やめろ!!帰ろう。…ほっとけ、こんな奴。」
ロー「!待て!ウミ屋!」
ウミ達はローの言葉を無視して去っていく。
ガサッ)
ローの背後から人の気配がする。
ロー「!!!誰だ…」
ローは一瞬、驚きはしたものの冷静さを取り戻し、音のした方を見る。
?「こ、こんにちは……」
それは9歳の男の子だった。
ロー「……」
?「お、お話いいですか?」
ロー「お前に構ってる暇はない。」
ローは歩い出す。
?「い、今さっきのお姉ちゃんの話です!!」
ロー「!!!…話せ。」
?「は、はい…ありがとうございます」
男の子とローは地面に座る。
ルイス「僕、ルイスって言います。いまさっきのお姉ちゃん、悪い人じゃないですよ。」
ロー「知ってる。だがアイツは帰りたくないらしい…」
ローがバカみたいだ。と言うかのように、寂しそうな笑顔で俯く。
ルイス「で、でも!今さっき、お姉ちゃんが助けてなかったらお兄ちゃん、死んでたんだよ?」
ロー「は…?だが避けてなくても当たらなかったと思うが」
ルイス「お、お兄ちゃん、海賊の人でしょ?」
ロー「なぜわかった?」
1発で海賊と当てられ、驚く。
ルイス「この島は、外からの情報がよく入ってくるしお兄ちゃんが【最悪の世代】ってことも知ってるよ?名前は忘れた」
ロー「忘れたのかよ!」
驚きのあまりツッコんでしまい。
ルイス「だ、だってそこまで興味ないし」
ローが咳払いをする。
ロー「結局、何が言いたいんだ。」
ルイス「山は海とはちがいます。風の流れも何もかも。だからお姉ちゃんがお兄ちゃんを助けてなかったら、あの攻撃でお兄ちゃんは死んでたんです。山は攻撃にカーブが掛かりますから。」
ロー「……(アイツは俺を。)」
ルイス「後、お姉ちゃん!あ、アイツのところに居る時苦しそうなんです。ですからお姉ちゃんを助けてあげてください!」
ロー「お前はアイツとどういう関係だ?」
ルイス「別に仲のいい関係ではないです。でもお姉ちゃんがココに居て何をしてるかは知ってます。あの山賊はここを拠点としています。ですが違う島を襲うと2週間は帰ってこない。えっと…お姉ちゃんがこの島で何をやってたか、話していいですか?」
ロー「頼む。」
ルイス「これは3年前に遡ります。」
【3年前】
ルイス母「山賊がこの島に来たですって!どうするんです!?」
ルイス父「そんなの俺も分からねぇよ!だが逃げるしか!」
ガラガラドカーン!!!)
ドアが爆発する。
山賊「金目のもん、食いもん、使えそうなもんは奪え!」
ルイスは裏口で震えて居た。
ルイス(どうして…ずっ、ずっと平和だったのに…なんで)
ルイス母「キャー!」
ルイス父「や、やめてくれ!!!」
山賊「邪魔すんじゃねぇ!」
ブシュッ)
ルイスが斬撃音を聞いてしまう。
ルイス「!!!マ、ママ…パ、パパ…」
ルイスがドアの隙間からリビングを除くと血を流し倒れて居る母と剣が刺さった父が倒れており、山賊達が部屋を漁っていた。
キィー)
裏口のドアがゆっくり開く。
ルイス「だ、誰…いや、だ…死にたくない…」
村人「だ、大丈夫だ。ルイス。生きてたんだな。こっちだ」
ルイス「おじさん…」
助けに来た村人に歩み寄り、手を繋ぐ。
村人「ごめんな…もっと早く助けに来てたら…」
ルイス「うわぁぁん😭😭ママとパパがぁ!!!」
ザッ)
近くから立ち止まる音が聞こえた。
村人、ルイス「!!!!」
?「………」
村人「そ、その服は……今さっきの山賊!!!」
その山賊はさっきの山賊と同じような服を来たウミだった。
ウミ「……」
ウミは申し訳なさそうな顔で黙り込む。
ウミ「行って…」
村人「……行くぞ。ルイス。」
ルイス「う、うん…」
ルイスと村人は怪しみながらもその場を去る。
次の日
ウミは手に荷物を持ち村へ降りてきていた。
村人女「昨日の山賊の子じゃない…」
村人女2「どの面下げて降りてきたのかしら…」
村人女「ちょっと!そんなこと言ってると狙われるわよ…」
村人達が身を隠す。
ウミ「………」
そっと言っているつもりだがウミには聞こえていた。
ウミは開けたところに奪ったお金や物を置いた。
村人「どういう風の吹き回しだ!」
村人2「お前らのせいで村はこんなことになったんだぞ!」
ウミは来た道を歩き出す。
小さい女がウミに話かけた。
少女「お、お姉ちゃん…どうして返しに来たの?」
ウミ「……悪い事だから…ごめんな?全部は返してやれねぇけど…」
少女「どうして全部返してくれないの?」
ウミ「山賊達にバレるだろ?そしたらまたこの村が襲われる。それだけは何があっても嫌なんだ。」
少女「お姉ちゃんはなんで山賊をしてるの?全然、山賊らしくないね。」
ウミが目を見開く
ウミ「お前たちは知らなくて良いんだよ。」
ウミは懐から飴を出し、少女の手のひらに乗せる。
ウミ「あ、毒が入ってるって思うなら捨ててくれ。じゃあな」
ウミは歩き出す。
ルイス「それからも、お姉ちゃんは少しずつ返しに来てくれてたの。でも大人たちはお姉ちゃんを毛嫌いしてる。それでもお姉ちゃんは皆に手を出したりしなくて、僕達がお腹空かせてたら、食べ物をくれる。」
ルイスが島であった出来事を話す。
ロー「アイツは、本当はいつも笑顔で幸せそうなんだ…」
ルイス「僕、お姉ちゃんの笑顔、見たことないや。あ!それと、お姉ちゃんが村に来る度傷だらけなんだ。もしかしたらあの山賊達に叩かれたりしてるのかも!」
ロー「なん…だと?」
ルイス「ねえ!お兄ちゃん!あのお姉ちゃんの仲間なんでしょ!助けてあげて!お願い!」
?「そういう事か…わかった。ありがとよ。」
ルイスとローの会話に入り込むように男がやって来た。
ロー「……白猟屋…」
スモーカー「よぉ。」
その男は海軍の中将、スモーカーだ。
ロー「なんでテメェがここに。」
スモーカー「アイツのじいさんから話は聞いた。」
ロー「なるほどなぁ。だからと言って来る必要はあったのか?」
スモーカー「フン。好きな奴を取り戻しに来ねぇ野郎が居るか?」
ロー「あ゛?」
ローが不機嫌そうな顔になる。
ルイスが2人を見て
ルイス「お兄ちゃんとおじさん、あのお姉ちゃんが好きなの?」
スモーカー「ガキ、よくそんな言葉知ってんな。お前の言う通りだ。」
スモーカーがルイスの頭に手を置く。
ロー「テメェ…アイツはやらねぇぞ。」
スモーカー「なんだ?親父か?」
ロー「ふざけんじゃねぇ!アイツは俺のだ!」
ローがスモーカーの胸ぐらを掴む。
スモーカー「離せ。」
ローとスモーカーがバチバチと睨み合う。
ルイス「ど、どっちがお姉ちゃんを好きでも何でもぶっちゃけどうでもいいんだけど」
スモーカー、ロー「うるせぇ!」
ルイス「ヒュッ!」
ルイスが驚き変な声が出る。
?「子供相手になんてことしてんの!?」
?2「有り得ないわ。」
スモーカー「はぁ…次から次へと」
?「はぁ!?最っ低!!」
?2「いつもの事じゃない。それよりもルフィ達に知らせるのが先よ?ナミ」
?の正体はナミ、
ナミ「そうね。行きましょ!ロビン!と〜」
?2の正体はロビン。
ナミがルイスの方を見る。
ルイス「ぼ、僕、ルイスです。」
ナミ「ルイス君ね?ウミのこと聞かせてもらったわ。」
ルイス「ウミ?だァれ?」
ロビン「貴方がさっき話してたお姉ちゃんのことよ。」
ルイス「ウミさんって言うんだァ。」
ナミ「ごめんね?あのおじちゃん達に怖いことされなかった?」
スモーカー、ロー「誰がだ!」
ロビン「フフっ。息ぴったしね。」
ロー「あ゛?」
ルイス「怖いことはされてないけど恋愛とか分かんないから、やめて欲しい」
ナミ「こ、この子、案外毒舌💦」
ロビン「可哀想に見えてきたわ。」
ルイス「も、もう帰ってもいいかな?みんな待ってるから」
ロビン「ええ。ウミの話、聞かせてくれてありがとう😊」
ルイス「うん。僕はお姉ちゃんが悪い人なんて思えなかっただけだし、いいんだ。じゃあね。」
ルイスは手を振り走り出す。
その頃、ウミは。
ウルフ「お前、まだ懲りねぇなぁ。躾が必要だろう?」
ウルフはウミの顎を掴み、言う。
ウルフ「拷問の準備をしろ。」
その次に部下たちに告げた。
部下達「はい!ただいま!」
ウルフはどこかへ、行った。
部下1「お前も気の毒な奴だ。」
部下たちはウミに海楼石でできた拷問用の上からぶら下がっている手錠をはめる。
部下2「お頭の言う事を素直に聞いてりゃこんな事にならなかったのになぁ。」
ウミ「クッ!」
ウミは悔しそうな顔をする。
それから躾という名の拷問で鞭打ちなどをされた。
そして拷問が終わり、手錠を無理矢理退けられ、ウミを投げ飛ばし、山賊達は部屋を出て、鍵を閉めた。
ウミ「はぁ、はぁ、はぁ…」
ウミは意識が朦朧とし、いつの間にか気を失った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それからしばらくして
ウミ「あれ?なんで私こんなとこに居んだ?ウルフ達にやられて…ってこの帽子って!」
ウミは自分の手に持っているオレンジ色の帽子に目をやる。
?「オジョーさん。それ俺の帽子なんだ。取ってくれてありがとな。」
急に懐かしい男の声が聞こえて驚き、顔をあげる。
その男は面白がる様な笑顔でウミを愛おしそうに見ていた。
ウミ「!!!( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)エ、エース……?」
エース「おうよ!にしてもでかくなったなァ。ウミ!」
エースは微笑みながらウミの頭をワシャワシャと撫でる。
ギュッ!)
ウミがエースに抱きつく。
エース「?どうした?ウミ。」
エースがキョトンとする。
ウミ「笑い事じゃねぇよ!辛かったんだ!エースが…エースがァ!うわぁぁん😭😭」
エース「お、おい。泣くな💦すまなかったって💦…ほら!ウミの可愛い顔が台無しだ!お前は、お前達はいつでも笑っとけ!(*`∀´*)ニカッ」
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目をつぶっているウミの目から涙が零れ、目を開ける。
そこはさっきまで居た、最悪な場所だった。
ウミ「……夢?…エース……」
ウミは先程、エースと会ったのは夢だとわかり、縮こまる。
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