前回の続きです。
今回でこのお話は終わりですがもしかしたら番外編(後日談とか)も書くかも。いや書かないかも。
過去一疲れた。本当に。しかも語彙力がないという地獄。はあ!!!!
毎度のことほんっっっとに文才ないので覚悟してください。
ざっと6時間ぐらいかけて書いたのでよかったら…(白目)
*
「行かせないよ。」
『、は……?』
驚いて後ろを振り返ると、そこには
乱歩さんが居た。
『太宰』
さっきまでの雑音のような声すら、全て聞こえなくなって、乱歩さんの声だけが鮮明に聞こえた。
『君さ、昔から詰めが甘いんだよ。』
『親友との約束、忘れてたの?否、解ってても希死観念を抑えきれなかったの間違えか。』
___________え
『何故それを、!』
突然言われた言葉に動揺を隠せず、思わず口走ってしまう。
いつも乱歩さんの言葉はあまりにも的確で、心を見透かされているみたいで、凄く息苦しい。
そして分かりきっていたはずの事に動揺する自分が凄く惨めで。
『なんでって。そりゃあ君、僕を誰だと思ってるの?』
乱歩さんは、まるで今日の天気でも話すように、軽い口調でそう返す。
『君の嘘はね、つまらなくて分かりやすい。』
『……僕が気づいてないとでも思った? 太宰が無理してることぐらい分かってたよ。』
視界が、じわりと歪む。
『でも、親友との約束まで捨てるほどバカじゃないと思ってたんだけどなあ。らしくないね、太宰』
風が吹いた。
一歩踏み出していた足が、そっと引かれる。
凍えた指先が、震えていた身体が、少しずつ体温を取り戻していくのを感じた。
『……放っておいてください』
それ以外に言い返す言葉が見つからなくて、
咄嗟に言ってしまう。
『はっ、珍しいね
僕に反発するなんてさ。』
乱歩さんは、僕を不機嫌にさせる様なこと、普段の太宰ならしないじゃないか。と言いたげな顔で見てくる。
そして軽く笑って、けど目はこれ迄に無いぐらいに真剣で。
『君は何回、自分の死に場所を探してきたの?』
『太宰にとって、探偵社は居場所じゃない?』
居場所…そんな事は考えたことが無かった。
あったのか、自分にも。
『まるで今気づいたみたいな顔だね。』
『…はは、乱歩さんには全てお見通しなんですね。』
『あったり前だよ〜!!なんたって僕は名探偵だからね☆』
……………………嗚呼、この人は変わらないな。
なんて事を思いながら、私は乱歩さんが居る方に柵を跨ぎ戻る。
もう、とっくに死ぬ気など失せたのだから。
『これが太宰の答えだね?じゃあとことん皆と一緒に生きようじゃないか。』
途端に、安心したのか身体がよろめいた。
『あ、体調悪いのもこの僕にはお見通しだからね!』
アニメならウインクした目から星が飛んできそうな勢いだな…とどこか他人事のように思った。
『ふふん、ここは僕が!!!…と言いたいところだけど、身長差的に流石に無理だな〜〜〜』
『あは、自分で言っちゃうんです?笑』
『あれ、なんの事かな?』
何故かいつもなら何も思わなかった普通の会話が今は無性に可笑しくて、笑いが止まらない。
『…ほら太宰、君ちゃんと笑えるじゃないか、
そっちの笑顔の方が幾分か素敵だよ。』
『幾分か…』
嗚呼、まるで織田作のような言い分だな。もしや分かっていて言ってるのだろうか。
本当にいい性格をしているな、乱歩さんは……
『まああっちで賢治くん待っててくれてるから、おぶって貰いなよ。』
冗談ぽく乱歩さんは笑っていた。何時もより無邪気に。
私は自分にはこんな温かい人が居るのに、その幸福にすら気づけなかったのか。
『太宰さ〜ん!!!大丈夫ですか!!!!!』
さっき迄遠くにいた賢治くんが、恐ろしく早く近づいてきた。
『___うん、大丈夫だよ。心配かけたね。』
『皆心配してますよ〜』
『ふふ、そうだね、帰らなきゃだ。』
________過去の苦しみは消えなくても、
犯した罪が許されないことだとしても、
織田作との後悔も
全て受け入れてたまには真面目に生きてみようかなと思った。
何もかもが嫌になって自暴自棄になる夜も
何時しか抱きしめてあげられるように。
*
『そう云えば太宰さん、国木田さんが相棒なのに気づいてやれなかったって嘆いてましたよ。』
『へ〜。国木ー田くんもたまには気が利くじゃないか。』
『僕の推理では帰ったらみんなから説教だね〜でも太宰は自分を大切にすることを知らないから
これを機に学ぶといい。』
『みんながどれだけ太宰を大切に想っているか、をね。』
----微睡みの中を探そう
完
コメント
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好き。
はいまってた。凄くいいとてもいいありがとう