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あとがき
本作のエピソード・オブ・Tは、過去編、『前々作の史上最悪のシスターズゲーム』、『前作のカラスとトキ:ディンクスのゴシックハネムーン』とその後の物語を並行させて描かせていただきました。
ただ主人公のTにだけ焦点を当てただけでなく、脇役たちの視点も当てることによって群像劇の近い展開を作ろうと試みました。
これこそ登場人物を丁寧に描く手段だと考えています。
それから私の知らない文化や歴史、外国人名は文化盗用や偏見をどう避けるか意識しつつ、リスペクトを忘れないように魂を込めて下調べしました。ちなみに私作者は海外未経験です。
ですが一番カルチャーショックを覚えたのはミャンマーの苗字のない文化でした。一般社会の日本の家制度とは違った文化に戸惑いながらもリスペクトして書きました。
それから作中に出てきた自国での呼称について。
例えばヘレネスはギリシアの呼称。
ブリティッシュやUKはイギリス人と言うニュアンスを使うとイングランド人のみと言う意味合いになるので敢えてブリティッシュと使いました。
ビルマと言う呼称を避けるように今でも
ビルマと言う言葉をミャンマーと表記しようと試みています。
生物であるビルマニシキヘビをミャンマーニシキヘビと呼んだり、ビルマ刀ではなく、ミャンマー刀のダーと呼ぶようにするイメージです。
これは文化盗用と偏見を避けるための私なりの意図でもありますし、その国のアイデンティティや誇りを武器にできるように本来の呼称で呼ぶように下調べして文章として投影しました。
本作に登場したアメリカフリーク州は東京フリーク区の姉妹都市であり、海外未経験ながらも理想かつアメリカンドリームを私なりに考えました。
作者の分身について。
主人公のT(のちの黒井T)は私作者の臆病な一面の投影
天野ムラクモは私作者の理想である冷静沈着で浮世離れした雰囲気を投影
白鳳ミンリは私作者の分身の性別反転させた日本人女性バージョンであざといぶりっ子な一面を投影。
サスキア・レニ・ティリーは私作者の分身の性別反転させたドイチュラント系アメリカ人女性バージョンで僕っ娘で少しセクシーな一面を投影。
クイン・ホワイト・クロイ(後のエルビラ家の婿入りを果たす)は私作者の分身のピンク好きで情熱的な一面を投影。
ルワジ・オマリは私作者の分身のナイジェリア系アメリカ人男性バージョンで、ツーブロックヘアで短髪かつボストンメガネをかけた理想の数学オタクな一面を投影。
監督ナギは私作者の分身のアメリカフリーク州に住む日本人男性の移民バージョンで、理想のアメリカンドリームを叶えたい一面を投影。
イェ・ウェイは私作者の分身の在日ミャンマー人(ルーツは多数派のバマー族)男性バージョンで、豪快なお調子者な一面を投影。
このように私作者の本当の中身と理想の中身を曼荼羅のように別々のキャラのように分けてみました。
続編はリーアンの弟アンアンを主人公にしたMAFMAの結成物語を描こうと試みています。
THE END(終わり)
コメント
11件
黒屋ムラサキさん、完結おめでとうございます🌷 あとがきを読んで、作者さんの作品への誠実さがじんわりと伝わってきました。特に、海外未経験でありながら文化盗用や偏見を避けるために、呼称ひとつにここまで意識を向けておられる姿勢に胸を打たれました。ミャンマーの苗字のない文化へのリスペクト、作中の国名の使い分け……すべてがキャラクターや世界を丁寧に育ててきた証だと感じます。 それから、ご自身の内面を複数の分身に曼荼羅のように投影する手法もとても面白いです。Tさんやムラクモさん、ミンリさんたち一人ひとりに違う「作者さんの一片」が宿っていると思うと、また読み返したくなりました。 続編のMAFMA結成物語も楽しみにしていますね。本当にお疲れさまでした。