テラーノベル
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「…カイリュウさっきさぁ、」
「ん?」
「いや、…うーん、なんでもない。」
ご飯の最中に、さっきのセイトとナオヤとのやり取りのことを聞いてみようかと口を開いたけど、あんまり触れられたくないかなと思い口を噤む。
「なんやねん、気になるやつやん」
「ラン、そこまで言ったら言おう?」
カイリュウとエイキが箸を止めて、聞く体勢に入る。
あ、もう言わなきゃいけんやつや、これ。
「あー、いや、…めっちゃどうでもいいことなんやけどさ。さっきナオヤに気遣ってた、?」
「気?遣いまくりよ?」
予想外にも、あっけらかんと認めたカイリュウにびっくりする。
「え、やっぱそうなんや、」
「え、まってなんの話?ナオ?」
「あーそうか、エイキおらんやったもんな」
「カイリュウとなんかあったん?」
「いやなんもないで?ただ、最近俺がセイトと一緒におりすぎたから、ナオヤに譲ったるかーと思っただけやしなー」
そう言うと再び食べ始めるカイリュウ。
何かを思ったのか、じーっとカイリュウを見つめるエイキ。
「エイキどした?」
「いや、お兄ちゃんやなーって。(笑)」
「お兄ちゃんよ?」
「かっこいい、お兄ちゃん。」
「せやろ?お前らのお兄ちゃんでもあるからな?」
「お兄ちゃん今日奢り?」
「ランは友達な」
「なんでやねん、今俺らのお兄ちゃんや言うたやろ(笑)」
「友達には奢らへんねん」
「じゃあ俺は奢り?お兄ちゃん」
「やっぱお前も友達や」
「やっぱ全然かっこよくない(笑)」
わははっ、とみんなで一斉に笑う。
年上だけど、こういうやりとりを楽にできるカイリュウの優しい雰囲気が好きだ。
「さっきの話やけどさ、ランはなんでそれが気になったん?」
「ん?」
「いや、ナオの話?ランは入ってなかったんやろ?」
「あ〜…」
エイキにそう言われて、そういえば俺が気にする話じゃないやんと自覚する。
「俺が振られたと思って気にしたん?」
カイリュウが顔を上げてニヤッとしながらそう言った。
うーん、…それは、
「…そう。」
「誰が振られたやねん!(笑)俺が振ったんやアホ!あとお前が気にすることやないねん」
‘お前が気にすることやない”
確かにそうやけど、なんなんそれ、気にしたってええやん。
あの時カイリュウが、ちょっと悲しそうな顔に見えたんやもん。
「……セイトに振られて寂しくて俺ら誘ったくせに?」
「違うわ!エイキなんか今日こいつおかしない?」
「そうやな、ランどうした?なんかあったん?」
「なんもないよ、」
あー、なんでこんな悔しいんやろ。
***
「そろそろ出よっか、」
「せやなー、じゃあ気つけて帰れよー」
「俺こっちやから、また明日ね〜ありがとー」
「お〜、じゃあな〜エイキ」
エイキを見送って、タクシーを拾おうと挙げた手を、カイリュウに降ろされる。
「ん、?なに?」
「ラン、 ちょっと散歩せぇへん?」
「…え、うん、…いいよ?」
じゃあ行こ、と俺の服を少し引っ張った後歩き始めるカイリュウ。
少し緊張が走りながらも、隣に並んで歩き始めた。
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