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「誘ったのにこんなん言うんもあれやけど…なんか緊張すんねんけど。(笑)」
少し歩いたところで、カイリュウが恥ずかしそうにそう言った。
俺だけやなかったんや…と嬉しいようなほっとした気持ちのような、そんな感情が湧く。
「(笑)…なんで誘ってくれたん、?」
「いや、だってラン、なんか変やったからさ」
どうやら俺の様子を気にして誘ってくれたようだった。
…なんか恥ずかしいな、こんなことで気を遣わせるなんて。
でも、純粋にカイリュウの気持ちが嬉しかった。
「…カイリュウってさ、そういうの本当によく気付くね」
「まぁお兄ちゃんやしな?」
「それ気に入りすぎちゃう?」
「気に入るも何も事実やねん」
「まぁそうやな(笑)」
みんなでいる時は思わないのに、こうして2人で喋っていると、あぁ、年上なんやなぁ。となぜか実感する。
「…なんか、俺言ってもうた?」
「え?」
「んや、さっき。俺が話してる途中で、なんか顔曇ってたで。」
“お前が気にすることやない”
あの言葉に引っかかってたの、気付かれてたんやな。
「んーいや…まぁ、こっちの事なんで…」
「なんやねんそれ、今日やたら気になることばっか言うてくるやん」
「いや、なんかカイリュウが寂しそうやったからさ、」
「寂しそう?どこがやねん?」
「…セイトに振られて?(笑)」
「やから振られてない言うてるやろ!(笑)もうええねん、その話は」
…あ、また話し逸らされたなー、
本当は寂しかったくせに。
「…俺が気になるんやけど。」
「ん、?なに?」
「本当はセイト取られて、寂しかったんやない?」
「いやそりゃ、寂しくないって言ったら嘘にはなるけどな?正直ね、」
「今からでも行ったらええやん、」
「は?なんでやねん、今はランとおるやん、…なぁ、ちょっ、どないしたんお前…ちょっと止まれや。」
無意識に歩くのが早くなっていたのか、カイリュウに腕を掴まれて我に返る。
「ごめん、俺なんか感じ悪かったよな、」
「いや…まぁ、ちょっとそこ座ろうや、」
俺の手を引いて、ベンチに腰掛けた。
「…ランが何を気にしてるんか知らんけど、そんな気にすることやないから大丈夫やで?セイトの家なんていつでも行けんねんから(笑)」
また、気を遣ったような笑顔でそう言う。
カイリュウにこんな顔させたくない、と思ってしまうのは何なんだろう。
「いや、…俺はなんか、カイリュウが寂しそうやったのが嫌やったんよ」
「やから寂しない言うてるやろ、俺を寂しい人みたいに言うなよ?(笑)」
本音を言っても、かわされる。
なんか腹立ってきたな?あーどうしようなんやこれ。どう言えば伝わるねん俺のこの気持ちは。
「……あと、セイトの代わりみたいなの、なんか嫌やったし、」
「そんなん一言も言うてへんやんけ、なんやねん代わりって、変なことばっか言うてたら俺だって怒るで?」
「…………俺だけじゃなくてエイキも誘ったの嫌やったし、」
「…ラン、?なんかやっぱおかしいってお前、」
「なんやねんナオヤに気遣ったって、そんなん言い訳やろ」
「ラン、なぁ、おい、」
「大体なんやねん、カイリュウがそこにいんのにナオヤを映画に誘うのおかしいやろ」
「……お前聞こえてへんの、?なぁ、」
「俺は絶対そんな事せんのに」
「っ……、ラン、…うん、…なぁ、、もう、ええからさ…っ、」
「てか俺の方がカイリュウ好きなのに…」
「、、、っ、え、っ?!」
「…えっ?!」
カイリュウの驚いた声で、自分が全部口に出ていたのに気付き、身体がどんどん熱くなる。
ついでにいつの間にか立ち上がってたらしい。
……うわ〜、、、穴があったら入りたい……
てか、俺、カイリュウのこと好きなん、?
う、……うわ〜、、、、そういうこと、、、???顔あっつ。
「……ら、ラン、?まぁ、す、座れや…っ、」
ぐいっ、と後ろから服を引っ張られて、渋々ゆっくりと腰を下ろす。カイリュウの顔は見れない。
「…………ごめん聞かなかったことにして」
「さすがにできへんってそれは」
「だよね……」
少しの沈黙。
あぁ、やばい、気まずい。
まだ自分でも自分の気持ちを今知ったところで、頭の中がぐちゃぐちゃだ。
頭を抱えていると、俺の気持ちに寄り添うように、トン、とカイリュウが背中に触れた。
「…いや、聞かなかったことにしてもええねんで?でもそれはお前的には悲しいやろ、」
あぁ、こんな時までお兄ちゃん出すのはずるいやん。
……あー、ずるい。ずるいなー、
俺はずっと弟なんか?
それは嫌だ。
「……カイリュウ、」
「…、ん、?」
「…俺、カイリュウの事が好きみたい」
「っ……え、っ、」
「そしてどうやら恋愛の方らしい…」
「……っ、い、いきなり、やな…っ、」
「こうなったらちゃんと告白した方がいいかなって、」
男らしくいたくて、緊張しながらもカイリュウの目を見た。
少し顔を赤くして、目を泳がせるカイリュウ。
「…うん、…あ、ありがとうな、?」
「……あ、、返事がほしいわけやなくて…ただ、ちゃんと伝えた方がいいかなって…ごめん、困らせて」
「いや、…うん、ランの気持ちはそりゃぁ…うん、嬉しいし、ありがたいよ、?…お前みたいな男前がなんで俺を好きなんか全然わからへんけどな、?(笑)」
「……うん、俺もわからん。(笑)」
「おい!わからんのかい!(笑)」
はははっ、と2人で笑い合う。
「うん…じゃあ、明日からも、また仲良くしてな、?」
「当たり前やろ、」
お互い照れくさくなって、それ以降この話題に触れずになんでもない話をしながら帰路についた。
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