役者をやるようになって、岩本は深澤が少し変わったと感じる。グループでいる時は、いつもの深澤だが、2人になると感じる。
1度、聞いたことがある。
深澤ードラマって、目黒やナベがやるもんだって思ってた。だけど自分も引き上げてもらって役者やってる。不思議な感覚なんだ。
深澤が遠く感じる。
今まで、腕の中にいたのに、羽ばたいて飛んで行った感じ。
グループが忙しくて、なかなか9人で集まるのは難しい状況になった。だから、今はツアー中で皆んなと一緒なのが単純に嬉しい。
岩本ーふっか、これ食べてみ?
深澤ーあ、美味しそう。
岩本ー名古屋も楽しかったなぁ。
深澤ー良かったよねぇ。
岩本ー今日、俺んち来い。
深澤ーん。
席は別で座る。
岩本のところは佐久間や目黒がいた。深澤は渡辺や向井と食べている。渡辺は目黒と食べないんだと深澤は思った。いつも一緒のイメージがあるからなんか不思議。
自分たちと同じで、今日帰ったら一緒に過ごすだろう。
ライブ前もライブ中も渡辺は目黒を気遣っていた。体調はほぼ戻っている。それでも心配なのだろう。
岩本も、深澤を気にかけてくれる。
ドラマをやりながらのツアーだから、余計に気にしてくれる。
深澤ーただいま〜。
岩本ーおかえり。
深澤ー楽しかった〜。
岩本ーだな。
深澤ーちょっと休めるな。
岩本ーお前はドラマだろ?
深澤ーうん、頑張る。
岩本ー辰哉・・。
深澤を抱き寄せ、岩本はキスをする。深澤は岩本にしがみつきキスを受ける。
抱き寄せたまま、ソファに倒れ込む。岩本が下で深澤を抱きしめる。
岩本ーマッサージしてやる。
深澤ーん、腰頼みたい。
岩本ー凝ってんな。
深澤ーこら、どこ触ってる。
岩本ーふふふ。
深澤ー照!
岩本ー後でいっぱいマッサージしてやるし。
深澤ーストップ!後で。先週のドラマ、観てないだろ?
岩本ーえっと〜。
深澤ー今から観るぞ。
岩本の足の間に座り、もたれかかるような格好で録画したドラマを2人で観る。
深澤のウエストに手を回している岩本。ドラマを観てると感じる。深澤が遠くなったような感覚。
岩本は深澤を抱きしめ背中に顔を伏せる。
深澤ー照?
岩本ー辰哉じゃない、俺の知らない人がいる。
深澤ー何言ってんだ。
岩本ーこんな辰哉知らない。観たくない。
深澤ー照・・。
岩本ー辰哉が遠くなる。俺から離れていく。
深澤ー照ばか、そんなことあるか。
岩本ードラマ観れない、怖え〜よ。
深澤ー何が怖い?あれ、俺だろ?
岩本ー役になりきってて上手いんだと思う。だから、余計に怖い。知らない辰哉がいる。
深澤が振り向き岩本を抱きしめる。
寂しそうな顔をした岩本。
深澤は、演技を褒められたのは嬉しい。けれど、岩本が怖いと言う。
優しく抱きしめた岩本の身体をさする。
深澤ー俺は何も変わらない。お前の知ってる深澤辰哉だ、怖いことない。
岩本ー辰哉・・。
深澤ー俺が役になりきってるって言ってくれてる。やってて嬉しい。
岩本ー悪いけど、ドラマ観れない。
深澤ーえぇ〜観てくれよ?
岩本ーグループでいる時と、この家にいる辰哉だけでいい。
深澤は岩本が可愛く見えてくる。
優しくキスすると、テレビを消す。
岩本の頭を抱えて言う。
深澤ー観なくていい。照だけの俺でいる。
岩本ーごめんな。
深澤ー皆んなが感想言ってくれるの聞いとけ。
岩本ー聞かない、知らない辰哉なんか聞かない。
深澤ー今日は照が可愛い。
岩本ーばか。
深澤ーマッサージしてくれよな?
岩本ー辰哉・・。
深澤ーんっ・・はぁ・・。
怖いものから、逃れるように深澤を愛する。
抱き潰すんじゃないかというくらい、深澤を抱きしめ追い上げる。
深澤ーはぁはぁ・・そんな・・焦るな・・はぁ・・。
岩本ーもっと欲しい。
深澤ーいくらでもやる。照・・。
昇り詰め、間を置かず追い立てる。
深澤は岩本にしがみつき、何度もキスをする。
岩本は、抱いているのに抱かれている感じがする。
深澤が包み込んでくれるから。
深澤ーだめ・・もう・・。
岩本ー辰哉・・。
深澤ーはぁはぁ・・でる・・。
ベッドで深澤をマッサージしている。ツアーの疲れも取るため、全身マッサージする。
気持ちいいと言う。
岩本ー寝ていいぞ。
深澤ーん。
岩本ー辰哉、愛してる。
深澤ー俺も、愛して・・
岩本ー寝たか(笑)
暖かくして、隣りに入り込む。
深澤を抱きしめて眠る。
ドラマは観ない、岩本の知ってる深澤だけでいい。
強く抱きしめる。深澤が岩本の胸に頭を擦り寄せてくる。
岩本ー可愛い辰哉。
福岡まで、後少し。
楽しいことだけ考えよう。
岩本も、静かに眠りにつく。
完