こんにちは、けるもです。
本編どーぞ!
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沖縄
1939年。
戦争が激しくなりはじめた。
みんなの我慢がイライラになっていく時期。
1人の女性のお腹には新しい命を授かっていた。
1940年。
平良家に産声が響いた。
平良家は歓喜に包まれる。
京子は平良家の次女となった。
1944年。
戦争はどんどん激しくなる。
1945年2月
「母さん、お腹すいたよ」
次男、弘が言った。
「うん、ちょっと待っててね」
お母さんが宥めるように言う。
とはいえ、戦争の真っ只中、食べるものなどそこらへんにゴロゴロ転がっているわけではない。
弘は分かっていた。
それ以上は言わず、ただただ食事の時間を待っていた。
お母さんのお腹の中にはいま、赤ちゃんがいる。
名前はまだわからないが、女の子のようだ。
私の、初めての妹。
そう考えるだけで、戦争なんて怖くないと思えていた。
存在が嬉しかった。
だけど、世間には戦争の最中に赤ちゃんが生まれることをよく思わない人が多くいた。
もし
何かが起こって逃げる、となった時に
赤ちゃんはただの
“荷物”でしかないから。