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江戸の刻
初めてあった背の大きな異国人
目は黄金に輝いており
まつ毛は白く、雅であった
聞いたこともない言語で喋り
びっくりするほど体でのお喋りが好きだった
ただ、悪戯なことをする人ではなかった
船で海を渡ってきては
砂糖やかすてぇら
そして学問を教えに来てくれた
だけど
色は匂へど 散りぬるを
そんな刻、続くわけなかった
現刻
🇮🇹「にほ〜ん!!!おはよぉ〜!!」
🇯🇵「わぁ!?イタリアくん…?!」
🇩🇪「イタリア!日本にくっつきすぎるなとアレほど…!」
🇯🇵「いえいえ、良いんですよ全然」
今は独逸さん、伊太利亜くんと一緒に いることが多いです
🇯🇵「あ、休憩もらいますね。」
🇮🇹「おっけ〜!いったんCiao!」
🇩🇪「あぁ、またな」
🇯🇵「はい!」
昼休憩、
私はいつも屋上へ行く
ここにいると温かな風と
細かい淋しさを感じる
太陽が照る昼時、
いつも一人なはずなのに
その時は、ある圧があった
会いたくなかった、なんでいるんだ
そんな暗い感情があった
背後を見ると
🇳🇱「………」
阿蘭陀
江戸の時良くしてもらった
だけど…ある時から疎遠になってしまった
🇯🇵「あ……お…おら…」
🇳🇱「話しかけるな」
そう言って彼は吸っていたタバコを踏み潰し去っていった
心の中が混乱している
いま自分がどんな感情なのかわからなかった
🇯🇵「…ッ……?」
屋上のフェンスを掴んでいた手の甲に
水があった
あぁ、泣いてるんだ
感情がわからないまま、泣いてるんだ
自分が恥ずかしい
こんな、何千年も生きていれば
へっちゃらなことなのに
🇮🇹「にほ〜ん!どうした…の?」
🇯🇵「ッ…!?い、イタリアくん…
大丈夫ですよ…すみませんね、時間を守れず」
咄嗟にでた言葉はこれだけ
目をこすったせいで痛い
イタリアくんはこっちに来て
私の目を真っ直ぐ見てハグをした
🇮🇹「…泣いてたんでしょ?泣いていいよ
誰にも言わないから。ね?」
🇯🇵「ッ…うぁ…あぁぁぁ…!」
泣いた
小さく、でも大きく泣いた
イタリアくんの腕の中は
いつもより暖かく感じた
泣いてる間、ずっとなにか言葉をかけてくれた
でも、聞こえなかった
それが惜しいと思った
🇯🇵「すみません……らしくもない」
🇮🇹「全然!理由は聞かないけど、泣きたいなら
泣きなよ?io、その時は一緒にいるから」
🇯🇵「イタリアくん…ありがとうございます」
少し前
会いたくなかった、
俺が不甲斐なかったから、だから…
あんなふうに取り繕った笑顔を…
🇳🇱「くそ…」
🇩🇪「ネーデル。」
目の前にドイツがいた
下を向いていたのが幸いだった
🇳🇱「なんだ、俺は急いで…」
🇩🇪「バカ野郎!!」
そう言ってドイツは俺の頬を叩いた
そして胸ぐらをつかみこういった
🇩🇪「お前…なんだあの態度は…?
日本は!ずっとお前のことを気にかけてたんだぞ!?」
🇳🇱「…ッそんなこと…あいつしか…」
🇩🇪「お前は固定観念が強いんだよ。
見たのか、あいつの目。
見たのか?あいつの泣いてる顔」
🇳🇱「…ッ?!ないて…は…?」
あれぐらいでは泣かないと思っていた
昔のように、強いままのあいつだと思っていた
その時気づいた。昔じゃない
今のあいつは…弱い、小さな島国だということに
気づいた時には目から涙がでてきた
🇳🇱「…?なんでだ…水が…」
🇩🇪「はぁ…本当に素直じゃない…」
ドイツは俺の頭を撫でた
🇩🇪「泣き終わったら、謝れよ。」
🇳🇱「ッ……あぁ…ッ」
🇩🇪「泣きやんだか」
🇳🇱「すまない…大人気なかった
謝ってくる。ありがとうドイツ」
🇩🇪「おー…はぁほんとうに
二人とも素直じゃねぇ…」
🇮🇹「さー!日本!仲直りの時間だよ!」
🇯🇵「で、でも…そんな…」
🇮🇹「大丈夫!ネーくんだって 、
そんなつもりじゃないと思うよ?」
🇯🇵「…そうですね!あの人は奥手なので…
わかりました!ありがとうございます!!」
🇮🇹「いってらっしゃーい!!
…もー…素直じゃないんだから!」
🇳🇱「あ…」
🇯🇵「ッ……!」
重たい空気が流れてるのを感じる
第一声は何が良いのだろうか…
どうやれば…
🇳🇱「すまなかった」
初めに言葉を発したのは彼からだった
渾身の土下座なんだろう
この100年近くでこんな綺麗な
土下座を見たことがなかった
私もつられて土下座をする
🇯🇵「私こそ…ごめんなさい…
貴方が私のどこに嫌気が差してたのか、
すぐ気づいてたのに…」
🇳🇱「いや…俺も悪い。
強く言い過ぎた。」
🇯🇵「…また…蘭さんって呼んでもいいですか?」
🇳🇱「あぁ、俺も日本って呼んでも?」
🇯🇵「勿論…っ!」
初めて私からハグをした
久しぶりに感じた蘭さんの温もり
そして愛情
心の穴が全部塞がったように感じた
蘭さんもハグを返してくれた
屈んでくれていても
身長差が埋まらなくて、
でもそれも良いことだと思って
こんなに幸せでいいのかと思ってしまった
🇳🇱「…その…次の休み、俺の家来るか…?
丁度チューリップが見れるんだ」
🇯🇵「!!そうなんですか!?
行きます!行きたいです!!」
日本は目をキラキラさせて
そう返した
凄く嬉しい
🇳🇱「そうか…じゃあ待ってるから」
🇯🇵「はい!!!」
ひとときの別れだったけど
また、出会えて良かった