⚠︎しいきし描写あり⚠︎
⚠︎ほんのりじんきし描写あり⚠︎
⚠︎キャラ崩壊あり⚠︎
⚠︎陣内がクズ⚠︎
それでも良い方はどうぞ
何故かここ最近椎名の兄貴にしつこく絡まれるようになった。僕も何故かよく分からへん。でも、絶対関わったら陣内の兄貴にまた何をされるか分からへん。やから僕は椎名の兄貴の事を無視することが多々あった。やけど、その度に胸が痛んだ。悲しそうにする椎名の兄貴を見る度に申し訳なくなって仕方が無かった。渋谷の兄貴によく、顔色が酷いって言われとるけど、多分ちゃんと寝とらんせいなんかな。ここ最近寝たくても寝れへんみたいな状況が続いとるから。
「き、しもとっ…お、俺ほんまにお前のこと好きやねん」
「…気持ち、は凄く嬉しいです。やけど、僕と付き合うたら後悔しますで?」
正直言えばまた最近好きになった。椎名の兄貴の事。でも、陣内の兄貴にされた事を思い出すとどうも怖くて勇気が出せなかった。どこかに盗聴器でも仕掛けてあって聞かれたりとか、そんなキリがない事を考えるたび僕の心は不安に陥ってしまった。やから、椎名の兄貴の事好きやけど、正直もう関わってほしくなかった。僕も椎名の兄貴も傷つくなんて言う事は、嫌やったから。
「なあ…数ヶ月前。付箋見つけたねん陣内の兄貴の書いた字の」
「っ…!」
その言葉を聞いた瞬間ゾッとした。全身に鳥肌が立った。付箋、陣内の兄貴…その単語を聞いた瞬間僕はただでさえ思い出したくなかった記憶が思い出されてきた。体の震えが止まらなかった。泣きそうな顔になっとったんやと思う。椎名の兄貴がそっと僕を抱きしめてくれた。もう、椎名の兄貴は気づいとったんやろう。
「…陣内の兄貴に、無理矢理…されたんか?」
「っ…い、いややなぁ、兄貴…そんなわけないですやん」
「…嘘つかんでもええ、隆太郎。ちゃんと教えてや」
椎名の兄貴の覚悟を決めた真剣な眼差しを見て僕は渋々数ヶ月前の事を話した。椎名の兄貴のことが好きで陣内の兄貴に相談したら、暴力、罵声、性暴力を受けた事。椎名に無闇に近づいたら僕が無理矢理襲われとる動画を椎名の兄貴に見せるなどの脅し。陣内の兄貴は椎名の兄貴のことが大好きやと言う事を全て伝えた。だんだんと伝えとるうちに勝手に涙が出てきて、声も震えて。視界がぼやけてて、よく分からへんかったけど、椎名の兄貴の優しいハグだけは分かった。
「俺のせいで、随分と辛い思いさせてしもうたな…すまん」
「い、や椎名の兄貴のせいやない、です」
ぎゅっと、ほんの少し椎名の兄貴に抱きつく。先ほどよりもぬくもりを感じられてあったかくて落ち着いた。この人のハグは優しさが伝わってきて心がポカポカになる。椎名の兄貴は陣内の兄貴によく告白されたりとか、ご飯誘われたりとかしたそうだが、全て断ったそう。椎名の兄貴から見た陣内の兄貴はとてもやないけど不気味やったらしく、最近は避けとるらしい。椎名の兄貴は僕の涙を優しく拭ってくれて一言、こう言ってくれた。
「俺が、隆太郎を守る。いや、守らせて欲しい。お願いや。隆太郎の事、大好きやねん」
「ほ、んまに、僕でええん、でっか?」
「ああ、隆太郎がええ。隆太郎以外愛せへん」
「…こ、んな僕で、よければ、その、お、お願い、します…」
その言葉を聞いた椎名の兄貴は嬉しそうに口角を上げて僕の頭を撫でてくれた。付き合えたのは嬉しい。やけど、ほんまにこれでよかったんかなと言う不安も同時に脳裏によぎってくる。どうすればいいか分からず僕は自然と椎名の兄貴の服を強く握っていた。それを見た椎名の兄貴は僕を安心させようと先ほどよりも強く抱きしめてくれた。この人はほんまに優しいなぁ。
「戸狩の兄貴とか、渋谷の兄貴とかにはこの事話しとらへんのか?」
「嘘ついとる、って思われるかも、知らへんので…言えてなく、て…」
「…陣内の兄貴は、俺がどうにかするわ。隆太郎はもう休んでええよ、大丈夫」
椎名の兄貴は僕の額にそっとキスをしてからその場を後にした。僕は、ようやく陣内の兄貴の恐怖から解放されるんかなって思うと、自然と涙が出てきた。僕は何ヶ月ものの間、あの人に苦しめられて来たから尚更嬉しかったんや。椎名の兄貴が僕のことを守ってくれる、これがどれだけ嬉しいことか。僕は幸せを噛み締め、笑みをこぼしながら泣いていた。
●椎名視点●
「陣内の兄貴、話があるんですけど。ええですか?」
「おん、ええで。どないしたんや?」
陣内の兄貴は嬉しそうにしながらこちらを見た。正直、隆太郎の話を聞いてからになるとこの人が憎く見えた。好きな人を穢されたと言うだけで正直怒りで気が狂いそうやったけど冷静を保ちながら陣内の兄貴に続いて話しかける。
「隆太郎に、酷いことしてたんですか?」
「あ?岸本?そんなことするわけないやん」
陣内の兄貴はそう言うとるけど、目は嘘をついとる奴の目をしとった。不愉快や。隆太郎は俺だけの物やのに、なんで他の奴に穢されんといけへんねん。隆太郎、辛そうにしとったのになんで謝りもせえへんねん。なんて言う愚痴を心の中で言いながら陣内の兄貴に近づく。陣内の兄貴はなんかを期待しとるらしいけど、正直言って気持ち悪い。
「隆太郎に、酷い事しましたよね?この付箋、陣内の兄貴の物ですよね?」
「…はっ。バレてもうたか。ああそうや、俺が書いた」
そっからの陣内の兄貴…いや、陣内の言葉は正直聞いてて不愉快やった。隆太郎が俺の椎名に近づくから犯した。意外とあいつの身体ええで?とか、この人は俺の地雷をどれだけ踏み躙ればええんやって言うレベルでずっとほざいとった。そっからの俺はもう、よく分からへんかった。恐らくその話を聞いとるうちに血管がぶちっと切れたような音がした。多分我慢の限界やったと思う。俺の理性が戻った頃には陣内の兄貴の顔は血塗れやった。何回も、何回も殴ったんやろう。
「二度と、隆太郎に近づくな。俺にも近づくな。次隆太郎に酷いことしたら、このこと組中に言いふらすで」
「…好きにすればええ」
「俺は、お前の許すつもりはあらへん」
血塗れになった拳を俺はぎゅっと握りしめてそのまま部屋を出た。これでもう、隆太郎が苦しめられる事は無いやろう。これで、ようやく隆太郎の幸せになれるんやと考えたら自然と口角が上がってしもうた。今夜は隆太郎と一緒にお好み屋さん連れてってたらふく食べさせたろうかな。あわよくば…キスもできたらええな。なんて考えながら隆太郎の元へ向かった。
(おまけ)
●陣内視点●
俺は、行き過ぎた行動をしてもうた。初めはそんな、岸本を痛ぶるとかそんな考えも無かったし、単純に椎名の方が好きで好きで仕方がなかったんや。でも、それがあかんかったんやろうな、どんどん椎名を知る度に俺はおかしくなってもうたのかも知れへん。その感情が支配され始めると椎名に良く絡んどる岸本に殺意が湧いた。
「俺だけの、椎名やったのに…」
やから俺は岸本に暴力を振るったし、なんなら無理矢理犯してもうた。その時は何故か背徳感が凄かった。正直言って、岸本とのセックスは悪なかった。やから多分何時間もしとったんやと思う。あいつ意外と顔ええから自然と俺も興奮してもうたのかも知れへん。椎名とするのはもっと気持ちいんやろなとか考えてしもうた。でも、椎名の拳でようやく目覚めた。俺がいかに椎名を怒らせとったのか、しみじみと理解できた。椎名は岸本の事を誰よりも愛しとると思う。俺なんか正直視界にすら入っとらんかったんやと思う。やけど、悔しかったんや。岸本に負けたのが。
「…ちょっとは、好き言うて欲しかったんやけどなぁ」
血塗れになった顔を拭い、手に着いてしもうた血を見ては乾いた笑みを思わずこぼした。椎名にも嫌われた。もう椎名に近づけへんくなった。椎名が、余計に遠い存在になった気がする。これからは、椎名と岸本がイチャイチャしとるところを見なければならへんのか。正直言うて拷問や。クソや。不愉快や。やけど、もう、復讐する元気もなかった。椎名にあそこまで嫌われとると思っとらへんくて、ショックやった。
「…椎名ぁ、俺なんか間違うた事したか?」
なんてボソッと一人で呟きながら俺は血塗れになった顔を洗面所に行って洗った。流れ落ちる血をただ、ずっと見つめた。椎名に触れられた跡が無くなるなぁとか思いながら。岸本が居らへんかったら、俺は今頃椎名とも付き合えたかも知れへん。なあ、俺は何処から間違えたんや…?
コメント
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仕事休憩に入ったら通知に飛び付きました…😭 執筆早い……🫠そして岸本くん……椎名の兄貴と…良かった…可愛いね…… 椎名の兄貴の聖人さ…そして可哀想可愛い岸本くん🫠 あの、気持ち悪くてすいません以前のパク+ダヴィッツの岸本くん可哀想可愛いくて…それから可哀想可愛い岸本くん大好きでしてこんな爆速で素敵作品拝めること出来て生きてて良かったです😭ありがとうございます😭