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20××年 5月21日
その日は、私の誕生日。親友のベルも、クラスメイト達も祝ってくれた。
家に帰れば、大好きな姉さまが待っている。そして「お帰りなさい、クリス」と、笑いかけてくれる。ーーー…はずだった。
家に帰ると、泣き崩れたお義母さまと青ざめた表情のメイドさん達がいた。
泣き叫んでいるお義母さまを見たのはこれが初めてで、戸惑って立ち竦んでいる私に一人のメイドさんが駆け寄ってきて、教えてくれた。
ーーーーー…姉さまが、飛び降り自殺をして亡くなったことを
よろよろと自室に戻った私は、ベットに倒れ込んだ。ふと、枕の下に何かがあるのに気が付いた。
それはーーーーーー……姉さまからの、”最期の手紙”だった。
クリス「ーーーーー……う…………ぐ……」
どうやら寝てしまっていたようだ。顔を上げると、聞き覚えのある声が前から聞こえた。
???「あ、スーちゃん起きた~?」
クリス「……ベル?」
眠たい目をこすって声の主を確認すると、幼い頃から仲が良いーーつまり幼馴染のエーベルがいた。
エーベル「ぐっすりだったよ~?疲れてるの、スーちゃん?」
クリス「…大丈夫だよ。……………さあて、早く帰らないと。」
エーベルもさっきまで寝ていたのか、ほっぺたに寝痕があった。私は「ベルも人の事言えないじゃん」と、内心呆れていた。
教室を出ると、窓の外が怪しげな紫色の色をしていた。
それが不気味に感じて、階段を駆け降り、早足で出口に向かう途中。
???「うわっ!!」
クリス「わっ…!」
誰かとぶつかった。
エーベル「わ~……、大丈夫?スーちゃん~…」
クリス「私は大丈夫。ぶつかっちゃってごめん、大丈夫?」
???「…………クリス?」
ぶつかった少女には見覚えがあり、よく見てみると誰なのかはすぐに分かった。
クリス「あ、ミア!」
ミア「やだクリスったら!こんな時間まで学校に残ってたの?」
すっくと立ち上がり、私の両手を握った。
エーベル「それはミアもでしょ~?」
と、ベルが横から口を挟んだ。
ミア「私は用事があったの。」
エーベル「ふ~ん。どんな用事があったの~?」
ミア「………邪魔だなぁ…邪魔だなぁ、邪魔だなぁ邪魔だなぁ………」
ミアが小声で何かをぶつぶつ呟いていた。
クリス「ねーねー、早く出ようよ。帰らないと……。」
エーベル「…そうだね~、早く帰ろう~。」
私たちは逃げるように学校を出ていく。出た先に広がっている光景に、私は唖然とした。
クリス「……………どうなってるの…?」