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『見つめる瞳』
tg視点
tg ねぇ、しおたん……今日、放課後どうするの?
俺がそう聞くと、しおたんは教室のドアにもたれかかって、少しだけ目を細めた。
so もちろん、ちぐちんと帰るよ、誰か他に一緒に帰りたい人、いるの?
tg え、い、いないけど…っ
急に鋭くなる視線に、俺は思わず言葉をつまらせた。
さっきまで普通に笑ってたのに。
でも、そういうの、最近たまにある。ちょっとしたことで、しおたんの空気が変わるの。
so ふぅん……ならいいんだけど
そう言ってしおたんは俺の髪をくしゃっと撫でた。
……安心してるような、試してるような手つきだった。
so ちぐちんは、俺だけ見てればいいから
tg え、な、なにそれ……
思わず笑いそうになったけど、しおたんの目がまっすぐすぎて笑えなかった。
そう言われると、なんか……ほかの人と話すのも悪い気がしてくる。
so じゃ、今日も一緒に帰ろっか
手を差し出されて、俺はちょっと戸惑って――でも、結局、指を絡めた。
……なんで俺、こんなに素直になってんだろ。
教室の窓から差し込む光が、つないだ手をやさしく照らしてた。
でもその手は、ほんの少しだけ、強く握られてた。
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