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翌朝。
いるまの部屋の窓から射す光が、眠りかけのらんの頬を照らしていた。
昨夜は悪夢にうなされて、結局いるまの手を握ったまま眠ってしまったのだ。
🎼🌸「……あ」
目を覚ますと、すぐ隣のベッドでいるまが眠っている。
大きな背中、乱れた髪。
その寝顔を見ていると、胸がじんと温かくなる。
🎼🌸(……守ってもらうだけじゃなくて、俺も――)
考え込んでいると、不意に目が合った。
いつの間にか起きていたいるまが、寝ぼけ声でつぶやく。
🎼📢「……じっと見るな。起きにくいだろ」
🎼🌸「っ、ご、ごめん……!」
慌てて顔をそらすらん。
だが、いるまは口元をわずかに緩めた。
🎼📢「……でも、悪くねぇ」
🎼🌸「え?」
🎼📢「お前に見られてるなら、別にイヤじゃねぇってこと」
照れ隠しのように背を向けるいるま。
その一言が、らんの胸にまっすぐ届いた。
🎼🌸「……いるま。俺、がんばりたい」
🎼📢「は?」
🎼🌸「いるまに守られるだけじゃなくて……隣で、一緒に立ちたい。
俺、まだ弱いけど……もっと強くなるから」
言葉にするのは怖かった。
でも、それが“自分の願い”だと気づいてしまったから。
しばらく沈黙のあと、いるまは深いため息をついた。
🎼📢「……バカ。そんなの最初から知ってたよ」
🎼🌸「え……」
🎼📢「お前が勝手に俺に守られてるだけだと思ってんの、気に食わなかった。
俺は――お前が隣にいるの、普通に嬉しいから」
そう言って、いるまは乱暴にらんの頭をくしゃりとかき混ぜた。
らんは驚きながらも、こぼれるように笑った。
🎼🌸「……ありがとう、いるま」
その笑顔は、昨日よりも少しだけ強く見えた。