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六年生の冬
さくやさんのことを感じれない。
日々、心をすり減らしながら陽キャに近づいているのに、同じ空間にいるのに話せない。
そんな日々が続き、日が経つ度に仮面がよりずっと深くなっていく。
もう諦めてしまいたい。
こんなの無駄だ。
陽キャになる上で精神をやられてしまうと周りから暗く見えてしまう。
さくやさんを好きでいることは陽キャになる上で邪魔だ。
諦めよう。
寝る前に明日こそは諦めようと決意し、翌日の朝にはやっぱ無理!好きだ!とやはり諦めきれない自分がいた。
こんな生活が何ヵ月も続いた。
私は考えた。
(好きな人を諦めきれないなら、他に好きな人つくっちゃえばイイじゃん!)
私は隣の席の親しい男子のたつやくんを好きになることにした。
元々気になっていたし、優しくて、文武両道で顔も良いし、好きになるのにそんなに時間はいらなかった。
ともか「たつやくん、ここの問題教えてよ」
たつや「ここの問題はね…」
ともか「ありがとう!!」
彼と話していると楽しかった。
さくやくんとは違い、彼に話しかけるのは容易かった。彼とは毎日ずっと話しているほど仲良くなった。
しかし、やはりさくやさんが脳裏をチラつく。
そんな自分に気づかないフリをしながら、私はたつやくんを好きでいようとした。
卒業式の練習中、よく冷える日だった。
さくや「手めっちゃ寒いなぁ」
と寒がりなさくやくんが言う。
たつや「たつの手めっちゃ冷たいよ、ともかちゃん触ってみてよ」
ともか「…うん、私の手より冷たいね。(笑)」
照れながら私は彼の手を触る。
彼の手はひんやりとしていて心地よかった。
たつやくんといると純粋に楽しく恋愛をしているような気持ちになる。
たつや「でもともかちゃんの手も冷たいね」
さくや「うっわー冷たっ!」
さくやくんが私の手に触れようとした寸前で手を止て、触ってもいないのにわざとらしく冷たいと笑う。
本当にこいつはなんなんだ。
なんなんだ、本当に。
心臓の音が五月蝿い。
頭の中がドキドキでパニックになる。
さくやくんのことが好き。
これが私の本心。
私はやっぱり諦めきれない。
さくやくんが私のことを好きになることはなくても、私はさくやさんのことを絶対に諦めきれない。大好きだ!!
来年も、中学校に行っても、二人とクラス同じだといいなぁ。