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薄暗い倉庫に、神城 蓮は一人で情報を整理していた。
そこへ、黒瀬 鷹真が無言で現れる。
「……神城、お前、一人で行き過ぎだ」
黒瀬の声には怒りと不安が混ざっていた。仲間として、そしてかつての同期として、神城の行動を止めたい気持ちがにじむ。
神城は振り返り、冷静に応える。
「俺にできるのはこれしかない。裏ゼロを止めるためには、警察の制約に縛られてはいられない」
黒瀬は拳を握り、険しい表情で一歩前に出る。
「それでも、俺たちはチームだ。勝手に動くな。仲間を危険に巻き込む気か!」
神城は一瞬言葉を失うが、すぐに目を鋭く光らせる。
「仲間を危険に巻き込むのは裏ゼロだ。俺は……俺たち全員を守るために動いている」
その場に重苦しい沈黙が流れる。
黒瀬は歯を食いしばり、ついに拳を下ろす。
「……わかってる。だが、勝手に暴走するな」
その瞬間、遠隔通信で氷室 悠真が割り込む。
「神城、黒瀬、冷静に。互いの意図を理解しないまま衝突するのは危険だ」
氷室の声には分析者の冷静さと、仲間への信頼が滲んでいた。
神城は深呼吸をし、心の中で決意を固める。
(仲間を守る……そして裏ゼロを暴く。どちらも、諦めるわけにはいかない)
倉庫の中、三人の距離は物理的には近いが、心理的には微妙な緊張感が漂う。
単独行動とチームワーク、信頼と裏切りの境界。
この衝突こそが、次なる戦いへの序章となるのだった。