俺と人質

注意喚起は1話にあり！

それを読んでからきてね！

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今､警察署は大変な事になっていた

救急隊からの通報内容

民間人からの通報の数々

日常茶飯事の内容とは異なる状況に警察達は手を焼いていた

民間人からの内容は､

“見ないギャングと目が合っただけで撃たれた”

“解放条件に警察は従ったのに撃ち殺された”

などと､簡単に言う”荒らし”というのが当てはまるだろう

「だぁー…めんど」

副署長のSHAKAは大きくため息をついて背伸びをした

こんな事､あの絆ギャングでもしないっていうのに…

そんな事を考えていると

警察署の扉が開き､2人の男の人が入ってくる

まさしくこれが”噂をしたら”という事だろう

「失礼しまーす」

「失礼しますっ！」

まさしく鴉の一員の”叶”と

医院長の”ぺいん”が居た

もう警察署は大パニック､通報した張本人に

この街のギャング

慌てないわけが無い

「SHAKAさーん！ちょっといい？」

かなり驚いてしまったが

今は構っている暇は無い｡そんな事は全員わかっている

しかし

勘のいい叶さんがこんな時に話しかけて来るだろうか

しかも隣には医院長､これは何かあるなと思い

部下に仕事を任せながら2人に話を聞きにいく

「ちょ…来て大丈夫なのギャングが」

「てかそれ所じゃないし」

無意識に顔をしかめてしまったのだろう

2人の顔が申し訳無さそうになる

だけどそれもお構い無しに叶さんは話し続ける

「葛葉と連絡がつかなくてさ」

「はぁ？」

ついそんな言葉を発してしまう

繋がらないと言うのは無線も通じないという事だろうか

しかも医院長と一緒だと言う事は救急隊の事情も知っているんだろう

この状況､なにか引っかかるな

「SHAKAさん､そっちでなにが…」

医院長がとなりから恐る恐る聞く

警察達の慌てよう｡ただ事では無いだろう

「見しれないギャングが暴れてる」

「目撃状況によるとーーーー」

SHAKAさんの喋る情報が､医院長と喋った事と一致する

つまり､僕らの島を荒らしているのは彼らだと言う事になる

「……」

頭の中で考えを巡らせる

多分､とおこさんとボスは同じ奴らにさらわれている

つまり､2人は今一緒にいる可能性が高い

葛葉程のギャングが､1人なら暴れない筈が無い

だけど近くに大切な人が居たとしたらどうだろう

彼は不器用だ

誰かを守りながらなんて器用な事出来やしない

「ねぇ､もし何かあったら鴉に協力させて貰えないかな？」

「僕からも…救急隊に協力させてください！」

目の前のSHAKAさんはどんな顔をしているだろうか

隣の医院長も頭を下げているから分からないけどきっと驚いているだろう

「…救急隊はいいとしても､ギャングは難しいかもな。まぁ､考えてみる」

すると後ろの方の警察達がいっきに騒がしくなる

何かと思って顔を上げると､どうやら小柳ロウこと､ロウが何か電話をしている

だいぶ顔をしかめて､声を張り上げて誰かと喋っている

そして僕と医院長の方を見ると

目を見開き､相手に何かを伝える

そして僕に電話を渡してくる

「は？」

ハテナマークが頭の中を駆け巡るが

眼力の圧で恐る恐る電話を取る

「……はい？」

【…かな､え】

「……ｯ！ボスｯ！！」

聞き慣れた声だけどその声は弱々しく掠れた声

声の間に挟まる掠れた吐息が彼の状況を暗示している

「おい｡お前ボスに何した？」

【軽く銃弾を撃ち込んでやっただけだ】

【解放してほしけりゃ条件を飲め】

変声機を使っていて相手が誰かは分からないが

多分僕とは知り合いでは無いだろう

言われた条件は

“鴉の島を半分渡すこと”

“5億円を用意する事”

そして

【叶をこっちに寄越せ】

「はぁ？」

いきなりの事に空いた口が塞がらない

行くわけ無いだろ｡

そんな下らない脅しで響くと思ったか

「…場所を教えてくれれば飲むよ」

「な？」

軽く電話越しに圧を掛ける

絶対に許さない｡まぁ､場所を教えてくれるとは限らないが

【…わかった､いいだろう】

【あぁ､それと救急隊にも言っといてくれ】

【とおこサンも居ますよって】

「ｯ！！」

冷や汗が首筋をつたう

嫌な予感が全部当たってしまう｡そりゃあ葛葉も暴れられない訳だ

「ねぇ､2人と話を…」

【無理だ｡それじゃあ】

ブツｯ…

「あっ…おいｯ！！」

いくら電話に呼びかけようとも返事は返ってこない｡結局場所も教えてくれないし…なんなんだアイツ

「叶さん……」

低い声が脳に響く

電話を渡してくれたロウだ

きっとなにがあったか聞きたいんだろう

だけど待ってくれ､少し状況を整理したい

すると､すぐに無線に通知が入る

《場所は1002だ》

「ｯ……！」

息を大きく吸い込んで心を落ち着かせる

言葉を頭の中で選んで

文を作り､口で外へ伝える

ただそれだけの事だ

「…場所は1002」

「とおこさんと葛葉は一緒にいるよ」