この作品はいかがでしたか?
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負の数と正の数と大先生のチャックで頭がいっぱいな俺こと鳥居希は、現在ショッピくんとチーノとで大先生を尾行している。数学の授業が終わったあと、大先生はぐでん、と机に突っ伏し眠り始めたのでその間に俺たち三人は一年生全員に大先生のチャックを閉めさせるな、と言い回ったので人から言われて気付くことは無いだろう。勿論、職員室にも言いに行ったし校長室にも行ってそれを伝えた。ぴくとさんはノリノリで賛同したが、ともさんは本気かよという目でこちらを見てきたのでマジですと進言してやった。それで言わないと約束してくれるともさんは純粋なのか馬鹿なだけなのか。
そんなこんなで、大先生のチャックを見守りながら尾行をしている。もし下を見た際に気付いてしまった場合にはチーノを投入して、チャックから全力で気を逸らしてもらうのだ。股間のチャックごときで何を本気になっているのだとバカにする人も居るだろう、だが俺たちにとっては最重要事項であり今後大先生相手に有利に立ち回るための戦略なのだ。チャックが開いている写真をばらまくぞと脅せば、何回かは奢ってもらえるだろう。これはショッピくんのアイデアである、アイツ何したらここまでガチで弱み握ろうとする友達が出来るんだよ。
プロか
予鈴が鳴り、皆急いで教室移動を始める。その間も、コネシマやシャオロンが大先生に話しかけていて一年生全員でそれを観察。こういう時の俺たちは何故か、視線の圧も気配も全てが消せるようになるので本当にアホらしいと思う。だが、こういう時間が俺は結構好きなのだ。
大先生に気がありそうな可愛い女の子も全力でチャックを守っている。二年生の階に理科室があり、二年生も美術室に移動している最中であった。たまたますれ違い二年生は一年生の異様な雰囲気に違和感を覚えたらしいが、まさかそれが一人の男子生徒のズボンのチャックに全集中しているからとは到底思わないだろう。一人の二年女子生徒が大先生のチャックを見て言おうとしていたのを確認し、一年生全員でその女子生徒に無言の圧をかける。本来、優しさ溢れる行動なはずなのにここまで圧をかけられるのは何故かと終始不思議そうな顔をしながら列に並び直して立ち去っていった。目を合わせてよくやった、と全員で心の中で称える。
理科室に到着し、ここからは授業なので何も言えない…と緊張が走る中そうとも知らぬ大先生は呑気に席を確認して座った。運良くチーノが大先生の横なので、その話術をフル活用し机から下は絶対に見させない様に頼んでおいた。凄く眩しい笑顔で、弱み握ってくるわと言われたので恐ろしさを感じたが、味方だと思うととても心強い。早速大先生の横に座り、よいしょを始めた。気分の良さそうな大先生を見て全員が吹き出しそうになったが謎の団結力のおかげで誰1人吹き出しはしなかった。筆箱を落として誤魔化している人も居たが。
本鈴が鳴り、しばらくするとガラと音を立てて扉が開いた。しにがみ先生が立っていて、その背後に何やら怪しいものを感じ取る。大先生のチャックについてバラされないかとクラス中が警戒を高める中、ふわふわとした話し方で狐面の実験服を来た男が入ってきた。しにがみ先生のストーカーか何かかと一瞬思ったがどうやらそうでは無いらしい。
「どうもこーん!しにがみですぅ〜」
「やぁ、どうもどうも、初めましてくられと申します」
どうやらこの狐面はくられ先生と言って、ガチの科学者なのだそう。何で補助…?と思ったが、マッドすぎて色々やらかしてきているので補助になったと言われた。第一印象は不審者だと思った。冗談抜きで本当に、しにがみ先生気付いてないのかと思った。
「君ぃ、良いね。今度実験に付き合ってほしいんだけど」
「え僕ですかぁ!?」
早速大先生がモルモットにされようとしているが、俺たちは大先生の身がどうなろうと知ったことじゃない。俺たちの心配することはただ1つ、大先生チャックだ。モルモットにならいくらでもしてもらって構わない、だからどうかチャックだけは言わないで欲しい。全校生徒の笑いものになってほしいのだ、俺たちは。大先生をスターにすると、心に決めたのだ。
「あ、ちょっと良いですか?」
「ん?あぁ、君は壱乱くんだね、どうしたの?」
「実はその………………………………なんです」
「…ほう、それはそれは面白い事をwでは言いません」
「ありがとうございます!」
ひとらん、ナイスだ。今日のMVPは間違いなくひとらんだと言えるだろう。あのタイミングで不審すぎる先生によく言ったものだ、大変勇気のいる行動だったはずなのに、全く動揺した素振りを見せないのも流石だ。素晴らしい、と心の中で称賛の言葉を叫ぶ。というか、くられ先生もこういうくだらない話が好きなのだろうか、だとしたら仲良くなれそうだ。大先生をいいモルモットにしてくれる事だろう。大先生を除いたほぼクラス全員が、一斉にサムズアップやガッツポーズをし出すのでなになになに!?と凄くビビっていて面白い。
しにがみ先生も必死に笑いを堪えていて、教科書を開いてくださいと震えた声で指示している。何ページか分からないのだが、大丈夫だろうか。まぁ楽しそうでなによりである。猿山が大先生をチラチラと見ては姿を消して大爆笑するを繰り返しているので鬱陶しいが、今ばかりはそれが羨ましい。
細胞にある、染色液によく染まる🅰を何という?という問題が出され、頭がハテナでいっぱいになっていると横に座っていたエミさんが分かりやすく説明をしてくれた。理解した、答えは核だ。多分。
エミさんが嬉しそうに微笑んでくれたので多分正解だと思う。お返しに抱きついて笑い返してやった。たったこれだけの事なのにあわあわと顔を赤くして慌て出す目の前の童貞()が面白くて仕方がない。頭が良いのは良いが初心すぎる気がするぞエーミールくん。
赤血球にふくまれ、酸素と結びつく赤い物質を何という?
という意味不明な問題でも丁寧に説明してくれるエミさんは、本当に同じ中学生なのだろうか。塾の先生のような感じがするのは何故だ。まぁ塾行ってないんすけどね。
答え ヘモグロビン
あってたっぽい
左側に座っていたショッピが首を傾げながら
ヒトのからだで、酸素をとり入れ、二酸化炭素を体外へ出すはたらきをしている器官は?
という問題に対して、臓器と答えていて思わず笑ってしまった。同じ穴の狢だというのは承知しているが、まさか臓器と答えるとは思ってなくてビックリしてしまった。ショッピくんは突然笑いだした俺を不審に思いつつも、やっぱちゃうよなぁ…と解答用紙から臓器を消していく。
多分答え、肺やと思うでショッピくん……
彼は理系なのだが、知らない分野となると大分脳筋になるらしい。今回のことでショッピくんの事を更に知れた気がして嬉しくなった。
コネシマは頭が良い分さっさと解いてシャオロンにヒントを与えたりしているし、オスマンはひとらん、くられ先生と一緒に談笑している。トントンはロボロと胃液中にある、タンパク質を分解する消化酵素は?という問題に悪戦苦闘していた。チーノはずっと大先生の意識を股間から逸らしていた。勿論、全員大先生のチャックから気を逸らした事は一度も無い。
チーノは全然テキストを解けなくて、課題となってしまったがどうせすぐ終わるから大丈夫とのことだった。
後からマンちゃんに聞いたのだが、くられ先生の専門知識はえげつないとの事だ。流石科学者、強い。
大先生チャックを守り隊(ゾム、ショッピ、チーノ)は写真を撮ってしっかりとバックアップもしておいた。次の授業は国語である。
続き6000⌒ ͜ ⌒
凄い3000連打してくれてる人いるんですけど、指折らないでくださいね( .ˬ.)”
コメント
8件
わざわざ大先生のチャックでバックアップまでwwwwwwwww
うつせんのチャックでそこまでwww
チャックでそんな大混乱起こすなんてwwwwさすがスターw とりあえず3000から7000余りまで上げときました