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小さな公園ライブから始まった二人の活動は、少しずつ広がっていった。通りすがりの人がSNSに動画を載せてくれたり、カフェからまた声をかけてもらったり……。

気づけば”青いギターと透明な歌声の二人”として、少しずつ顔を覚えられるようになっていた。


だけど……。


『……ちょっと、そこ入り直して。もっとリズムに合わせて』

良規の言葉は真剣そのもので、決して責めているわけではない。

でも、その度に佳奈の胸には小さな棘が刺さるようだった。

「ごめん……。」


歌の練習中、何度も同じ箇所で止められる。

良規はギターの弦を確かめるように弾き直し、また指示を出す。

『歌はええ感じやのに、リズムがちょっとズレると全部もったいないんよ。せっかくやし、完璧に仕上げたい。』

「……うん」

頷きながらも、心の奥がざわついた。

最初は”楽しい”から始まった音楽だった。

けれど最近は、上手く歌えない自分が足を引っ張っているようで、不安の方が大きくなっていく。


夜道を歩きながら、佳奈は小さくため息をついた。

ふと、あの出会いの夜を思い出す。

ただ胸に響いたあの音を、素直に”すごい”と思えたあの瞬間を。


(私……ちゃんと歌えてるのかな)


その頃、良規もまた悩んでいた。

自分のこだわりが強すぎて、彼女を追い詰めていないか。

でも、夢を叶えるためには妥協したくない……

その思いが、余計に言葉をきつくしてしまう。


二人の歩幅は、少しずつずれていった。

気づかぬままに。

青いギターが響いた夜に

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