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思えばずっと私は俊哉に気に入られようと必死に努力していた
私は「俊哉を喜ばせる」という勝ち目のない勝負に挑んでいつも負けていた
でも柚彦君にはそんな気持ちは一切なく
彼が年下だからだという事もあるかもしれないが、何もかも完璧にこなすことが出来ないからと言って責められるような感じはまるでないのだ
実際柚彦君はありのままの私を気に入ってくれているようだ
彼は相手が人であれ動物であれあるがままに受け入れ、そのすべてを楽しむのが彼の流儀のようだった
俊哉は世の中のすべてにおいて不平不満をこぼしていた、外食しても料理を運んでくるのが遅い、この映画はまるで深みが感じられない・・・などなど
でも柚彦君はポポのような、見た目も中身も不完全で誰しもが、私の兄のような反応を示すものにも優しくできる人だ
それになにより私の意見を尊重してくれた
それに不思議な事に
彼の事を考えるとドキドキする・・・
彼を見ているうちになんとなく彼に、ぴったり寄り添いたくなるような気分になる時がある
あの感覚は何なんだろう・・・
一緒に車に乗っている時でも・・・彼の横を歩いている時でも・・・
でも彼は私が近寄りすぎると、いつも彼の方から体を引いた
きっと私は彼に恋しているだと思う
でも・・・私は・・・付き合っても彼とはセックスをしたくない・・・
ううん今後生涯独り者で、誰ともセックスなんかしなくても生きていける
彼とはお友達でいた方が楽しい・・・
なんともややこしい女だ
私はまだ当分男性となにかしらの関係を築く準備などとうてい出来ていないのに