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※死ネタ要素有り?
※エセ関西弁
※キャラ崩壊
※ご本人様とは関係ありません
時間はあっという間に過ぎ、今日はとうとう学園に通う日だ。
ちなみに今の季節は春で、俺は今年で4年生だ。
緊張するし、学園には行きたくないが、ようやくこの家から出れると思うと少し嬉しい。
ここに来てからの生活は中々に大変であった。
伯爵家の息子であることはラッキーだが、その分 元いた世界とは常識が全然違う。
電化製品は全くなく、全てを魔法で解決する。
だが、shoは魔法が苦手なため、思うように使うことができない。
父親は優秀な弟ばかりを可愛がって、俺には見向きもしない。
使用人がかろうじて付けられているだけで、その使用人も最低限のことしかしない。
前の世界とは使い勝手が違うことも勿論だが、人と関わる時間がほとんどないことのほうが、俺にとっては苦痛だった。
学園に通ったら、友達の1人や2人は作ろうと決意した。
今までの生活を振り返っている間に、馬車の用意が整ったようだ。
馬車に乗り込み、外の景色をぼんやり眺める。
ふと、窓に反射する自分の姿を見た。
初めて自分の容姿を鏡で見た時は驚いたものだ。
容姿は前の世界での姿とほとんど変わっていなかったのだから。
大抵は転生したら自分でも驚くほどの美男美女になっていたりだとか、何か特徴的になっていたりするものじゃないか。
なのに、中性的で男らしさのない顔立ちも、長めの髪も、何も変わっていなかった。
変わったところといえば、髪色と目の色くらいだろう。
両方とも黒かったはずだが、髪は明るい茶色に、目の色は濃いめの黄色になっていた。
まぁ、鏡を見た時の違和感が少ないのは良いことだが、もっとかっこよくなりたかった。
魔法で顔変えられたりできひんのかな…
…………
入学式と進級式は無事終わった。
世間体のためなのか、父親はちゃんと根回ししていたらしい。
俺が飛び降りた、という話は学園内で聞かなかった。
後は自由行動である。
ちなみにクラスはDクラス。
ラッキーなことに、ヒーローであるrbrや、ジェリーヌの他の取り巻き達とはクラスが別だった。
取り巻き達ともなるべく顔を合わせたくないし、ヒーローと関わると面倒なことになるだけ。
クラスが別で損はない。
今年は少しばかりマシな生活を送ることができそうだ。
新入生は寮の準備や爵位の強い生徒へ挨拶まわりなどをするが、俺には関係ない話だ。
友達という友達もいない俺は、大人しく明日に備えて寮へ戻ろうと足をすすめた。
教室から寮までは、大ホールを通らなければいけない。
だが、大ホールには1年生から5年生、全ての学生達が使い、混雑している。
ゲームのメインキャラ達に会ったらひとたまりもない。
悪役令嬢ジェリーヌには特に、だ。
慎重に、気配を消しながらホールの端を通る。
もう少しでホールから出られる、という時。
「あら、アンタ。ちょうどいい所にいるわね。」
背後から声が聞こえる。
ゲームで何度も聞いた、耳を突くような甲高い声。
間違いなく、ジェリーヌだ。
恐る恐る振り返ってみれば、そこには俺が予想した通り、取り巻きを数人連れたジェリーヌの姿があった
「あ、、、な、なんのご用でしょうか、ジェリーヌ嬢…」
shoのクセなのか、口が勝手に動く。
「分かってるでしょう?リヴェルをルシファー様に近づけないようにしなさい。」
ジェリーヌがホールの中央付近に目を向ける。
そこには、仲睦まじげに話すルシファーとリヴェルの姿があった。
「ほら、何突っ立てるの?早く行きなさい!」
ジェリーヌが痺れを切らしたように叫んだ。
「あ、いや、でも…」
「何?口答えする気?下手なこと言ったら、アンタの父親がどうなるか分かってるでしょうねぇ!?」
「っ、はい…」
万が一父親がクビにでもなったら、俺がどんな目にあうか。
だからshoも、俺も、ジェリーヌの言いなり。
ジェリーヌもそれを分かって命令をする。
……ほんとに、逃げ場ないなぁ…
重い足取りでリヴェルの元へ向かう。
………やりたくない
こんなことしちゃ駄目だ
そんな自分の気持ちとは反対に、俺の体は操られたように命令を遂行する。
ドンッ
「キャアッ!?」
リヴェルに思いきりぶつかる。
その拍子に、リヴェルはバランスを崩した。
転んだ時にドレスの裾を踏み、ドレスが破れてしまった。
…まずいっ
ちょっと転ぶくらいで良かったのに…!
ドレスが破れるなんて…
「ご、ごめんなさいっ」
「全然大丈夫ですよ。どうかお気になさらないでください。」
リヴェルの優しい言葉が胸に刺さる。
「リヴェル、大丈夫か?立てるか…?」
そう言ってルシファーはリヴェルに手を差し伸べる。
「あ、ありがとうございます//」
そんな2人のやりとりを横目に、俺はもう一度頭を下げ、謝り、ホールを足早に出ていった。
やってしまった
ごめんなさい
本当に、ごめんなさい
今ならshoの気持ちがよく分かる
俺の心は、罪悪感で押し潰されそうだった。
せめて、破いたドレスのお金は払っておこうか。
リヴェルの部屋の前に、俺の有り金をほとんど入れた袋を置く。
せめてもの罪滅ぼしに。
だけどまあ
今日から俺も悪者だ
とうとう学園へ行きました
ゲームのキャラとも関わりましたね
あんまり話すこと無いや
次回もお楽しみに