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#K-T
#異世界転生
#グループ
K-Takasaka
139
深夜。
灰色の大型キャンピングトレーラーの中では、メバルちゃん、カキ、マサカゲ、ミステー、アオノが寝袋に入って眠っていた。
俺は運転席の近くで横になっていた。
そのとき、外から小さな物音が聞こえた。
――ザッ。
砂利を踏む音。
俺は目を開けた。
車内を見回す。全員が眠っているように見えた。
再び音がする。
――カツン。
何かがトレーラーの車体に当たった。
俺はゆっくりと起き上がり、防弾チョッキを身につけた。チョッキの内部には、緊急時に使用するトンファーと拳銃が仕込まれている。
さらに、荷物のそばに置いていた黒いガラケーを手に取った。
外見は古い携帯電話だが、とても硬い黒色の素材で作られている。アンテナを伸ばせば、警棒として使える。
俺は扉の前に立った。
「誰だ」
返事はない。
俺は扉を少しだけ開け、外の様子を確認しようとした。
その瞬間だった。
足元へ、小さな筒状の物体が転がり込んできた。
「……っ!」
俺は扉を閉めようとしたが、間に合わなかった。
白い煙が一気に噴き出し、トレーラーの中へ広がっていく。
「催涙弾!」
俺はすぐに収納棚を開け、ガスマスクを取り出した。
煙が広がりきる前に装着し、フィルターを確認する。
次の瞬間、メバルちゃんが咳き込んだ。
「けほっ……なに、これ……目が痛い!」
「起きろ。催涙ガスだ!」
俺が叫ぶと、カキ、マサカゲ、ミステー、アオノも次々に目を覚ました。
「痛い! 目が開かない!」
カキが寝袋から飛び出し、壁にぶつかる。
「全員、姿勢を低く! 目をこするな!」
マサカゲが指示を出すが、咳き込んで声が途切れた。
「Kさん、何が起きたの!?」
メバルちゃんが涙を流しながら叫ぶ。
「外に敵がいる。俺が出る」
「待って、Kさん! 危険だよ!」
「ここにいたら全員が動けなくなる」
俺は扉の前へ移動し、黒いガラケーのアンテナを伸ばした。
カチッという音とともに、アンテナが硬い警棒へ変わる。
「メバル、全員を後ろへ下げろ。マサカゲ、窓を閉めろ。アオノ、換気の準備。カキとミステーは動くな」
「Kさん……!」
「俺が戻るまで、扉を開けるな」
俺は扉を開け、外へ出た。
夜のキャンプ場には、薄い煙が漂っている。
トレーラーから少し離れた場所に、三人の人影が立っていた。
三人とも狐のお面を被っている。
男が二人、女が一人。
右側の男はナイフを持っていた。
左側の男は拳銃を構えている。
中央の女は、長い刀を手にしていた。
「スクラッチャーズの連中か」
拳銃を持った男が言った。
「一人で出てくるとは、ずいぶん勇気があるな」
俺は答えなかった。
拳銃を持った男の指が動く。
俺は横へ跳んだ。
発砲音が夜の森に響き、弾丸がトレーラーの側面に当たる。
俺は拳銃を抜き、相手の手元を狙って撃った。
男の拳銃が弾かれ、地面に落ちる。
「なっ……!」
ナイフを持った男が、低い姿勢で突っ込んできた。
俺はトンファーを抜き、ナイフの軌道を受け流す。相手の腕を押さえ、トンファーの柄で手首を打った。
ナイフが地面へ落ちる。
男はすぐに距離を取り、再び構えた。
背後から風を切る音がした。
刀を持った女が斬りかかってくる。
俺はガラケー警棒を横に構え、刀を受け止めた。
硬い金属音が響く。
「……それ、ただの携帯電話じゃないわね」
狐のお面の女が低い声で言った。
「ただの携帯電話ではない」
俺は刀を押し返し、トンファーの柄を女の肩へ当てた。
女は一歩下がったが、すぐに体勢を立て直す。
その隙に、拳銃を落とした男がトレーラーへ向かって走り出した。
「トレーラーに近づくな」
俺は拳銃を向ける。
男は止まらず、腰へ手を伸ばした。
俺は男の足元へ発砲した。
砂利が跳ね、男が足を止める。
「次は止まれ」
男はゆっくりと両手を上げた。
トレーラーの中から、メバルちゃんの声が聞こえる。
「Kさん! 大丈夫!?」
「外に三人いる。中にいろ」
「でも、Kさん一人で戦ってるんでしょ!?」
「大丈夫だ」
ナイフを持っていた男が、再び接近してきた。
俺は拳銃をしまい、トンファーを両手で構える。
男がナイフを振り下ろす。
俺は刃をかわし、相手の腕を取って地面へ投げた。
男の体が砂利の上に落ちる。
男はすぐに立ち上がろうとしたが、俺はトンファーを肩と腕に当て、動きを止めた。
「動くな」
「くそっ……!」
刀の女が再び間合いを詰める。
俺はガラケー警棒で刀を受け流し、相手の懐へ入った。トンファーの柄を腹部へ当て、女を後ろへ下がらせる。
そのとき、拳銃を落とした男が石を投げた。
石が俺の肩に当たる。
「……問題ない」
「痛くないのか?」
男が驚いたように尋ねた。
「痛みはある。動けるなら問題ない」
俺は男との距離を一気に詰めた。
ガラケー警棒で男の腕を打つ。男はうめき声を上げ、膝をついた。
三人は互いに顔を見合わせた。
狐のお面の女が刀を構え直す。
「撤退する」
「逃がすか」
俺は追おうとした。
しかし、女が地面へ何かを投げた。
白い煙が広がる。
俺はガスマスクの状態を確認し、視界を確保した。
煙が晴れたとき、三人の姿は森の奥へ消えていた。
地面には、落とされたナイフと狐のお面の一部が残されている。
俺は周囲を確認し、トレーラーへ戻った。
扉を開けると、メバルちゃんたちが咳き込みながらこちらを見た。
「Kさん!」
メバルちゃんが駆け寄ってくる。
「外の三人は?」
マサカゲが尋ねた。
「逃げた。狐のお面を被っていた。男二人、女一人。ナイフ、拳銃、刀を持っていた」
「どうして、こんな場所に……」
マサカゲが険しい顔になる。
アオノは換気装置を作動させながら、車内を確認していた。
「催涙ガスが残っている。窓を開けて換気する。風上へ移動したほうがいい」
「目が痛い……何も見えなかった……」
カキが涙を流しながら言う。
「カキ、大丈夫?」
メバルちゃんがカキの肩を支える。
「ミステーちゃんも、目は大丈夫?」
「目が二つある。まだ大丈夫」
「そういう問題じゃないよ!」
メバルちゃんが慌てながら、ミステーの様子を確認する。
「Kさん、肩は? 石が当たってたよね?」
「問題ない」
「見せて」
「問題ない」
「いいから見せて!」
メバルちゃんに言われ、俺は肩を確認させた。
少し赤くなっているが、動かすことはできる。
「本当に大丈夫そうだけど、無理はしないでね」
「分かった」
俺はトレーラーの外へ視線を向けた。
地面には弾痕が残っている。
狐のお面の一部も落ちていた。
ただの通り魔ではない。
三人は、最初から俺たちを狙っていた。
「明るくなったら、周囲を調べる」
マサカゲが言った。
「今は全員、ここから離れない。交代で見張る」
「俺が見張る」
俺が言うと、メバルちゃんがすぐに反応した。
「Kさん、少しは休んで。さっき戦ったばかりでしょ」
「俺は問題ない」
「その言葉は禁止!」
メバルちゃんの声が、夜のトレーラー内に響いた。
俺は一度だけ黙り、暗い森を見つめる。
狐のお面を被った三人は、まだ近くにいるかもしれない。
今夜、全員が眠ることはできそうになかった。
コメント
1件
第3話読了!!深夜のトレーラーに催涙弾投げ込まれる展開、めっちゃ緊張したよ😱 でもKさんのクールすぎる戦闘シーンに何度も「かっこよ…」ってなった…!特にメバルちゃんの「その言葉は禁止!」のシーン、めっちゃ笑ったw 仲間想いな性格伝わってきてキュンときた♡ 狐のお面の連中も不気味で、続きが気になりすぎる!!更新楽しみにしてるよ〜🔥