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何も違う僕ら
俺は正直最初は誰も信用できない。
できないと言っても子供は警戒しなくても良い。問題は大人だ。
大人はすぐ子供を裏切って、それでも平気そうな顔をしている。まるで人間じゃない。
あんなのは信用するだけ無駄だ。
『俺に‥なんの用だ、死神.168。』
狼のように鋭い瞳で睨みつけ、警戒心MAXで話す。
「おいおい、そんな警戒心MAXにすんなって、別に怪しいもんじゃないさ。」
彼は人外の様な顔をしていて、目がついていないが余裕そうな顔をして、平常心を保っている。マジで殴りたい。
『俺の質問に答えろよ‥、』
そう吐き捨てるように言うと、何故か死神.168は自分に近付いてくる。
『おい、なんだ‥』
少し後ずさりしながら死神.168の事を見る
「いい匂いするな‥、」
耳元まで近付いてきて、囁いてくる。
鳥肌が立ってきた。頭がフラフラする。
『離れ‥ろ‥』
「そう嫌そうな顔すんなって。」
大きく微笑む死神.168。
視界がフラフラする。
気分が悪い。マジで殴りたい。
そんなことも構わず、死神.168は自分の背中に手を置いて、逃げられないようにする。
街の人たちは死神が見えないからこんな事をしても周りの奴らはスマホを見て歩いている。
死神.168に路地裏に誘導される。
「お前。良いなァ。」
2m半くらいもありそうな身長だ。俺なんて覆われてしまう。
大きい口が開く。食べられそうだ。
もちろん素直に食べられたくない。
時空を歪ませ、その場から離れる。
今日は散々な日だ。
カルミアの勘はいつも正しい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
カルミアは死ぬ前に
〝いつもありがとう。大好きだよ。〟
と言ってきた。俺は無意識に吐いていた。
クソ気持ち悪かった。
なんて返せば良いのかも分からなかった。
カルミアはそんな俺を見てどんな顔をしたんだろうか。
吐き気が収まった時にはカルミアはもう何処かに行っていた。
いつの間にか寝ていて、起きて1時間後に聞いたのはカルミアの死だった。
死神でも死ぬ事を知って何故か目頭が熱くなった。流したくても流れなくて、無理やり首を絞めて自分を泣かせた。
自分が傷付かないと泣かないなんて、
人の心がまだないんだろう。
魔界での一ヶ月まではみんなカルミアの事を話していたが今じゃカルミアの名を聞いてもはてなを浮かべるだけだ。
死神が死んだあとはどうなってしまうのか、もう会うことはできないのか、
そんな思考をするともやもやが残っていく。
でも俺は知っていた。
カルミアは俺を見ていたわけではないと。
カルミアがホントに好きだったのは俺じゃなくて弟だって事。
カルミアの家に来た時に実は秘密の部屋に入り、そこにあった日記を見た。
俺が弟に見えたんだと、俺を操ろうとしてたんだと。
善意でも、悪意でもない。カルミアは面白い。俺は直感で面白いと思った奴は好きだ。
だがそんなカルミアはもう消えてしまった。
俺は何を理由として生きていたのだろうか?
そうだ。目的。目的があった。
“贈り物の薬”を懐から出して、飲む。
俺は復讐するために生きていた。
だけどみんなはそれを求めているのか。
本当の答えは知っていた。
だがそんな現実から目を逸らして、俺は復讐するために歩き出した。