少し病みです
ちゃーんといちゃいちゃしていますよ
俺はあいつにはなれない。
どれだけ頑張ってきたってあいつには100万歩程遠い。
それで少しだけ疲れてしまった。この活動に、人生に、あいつの背中を追うことに。
だから休止期間を貰ったんだ、ほぼ副業になってきているあのブラックの会社だけに集中していふじゃない俺だったときの自分になろうと。
…そうでもないと俺がしんどくなっちゃうからだ。
青「………(💻️打」
ひたすら通常よりも多く与えられたそのタスクをこなす。
わーぎゃー雑談ばかりの騒ぐようなやつも居なくてただただオフィスでそれぞれが仕事に対応する音だけが鳴り響く。
電話に対応する声、タイピングの音、印刷機の稼働する音、遠くから聞こえる上司の怒鳴り声。
全部がストレスになって自分の身に積り重なる。
青「( 俺の休憩所ってどこなんやろ… )」
ふと、そう考えが頭によぎる。
ボイシングもこの会社もだめ。家に居たらグッズまみれでボイシングのことを思い出してしまう。
今はそれですらしんどい。
…俺の生きるモチベってなんやろう。
ただただ社会の歯車になってなにが楽しんやろ…
なんて考え事をしているとどんどん心が闇に溶け落ちていくのがわかる。
目にハイライトすら消え去った俺はひたすらパソコンで文字を殴るように打ち込むだけだった。
ふらつく足を抑えて家へと足を運ばせる。
すっかり終電なんてもんは逃し、夜中に光るタクシーを見つけ次第捕まえ、家まで送ってもらう。
…つもりだったのにまさかあいつがいるとは思ってなかった。
桃「お?まろじゃん、やっほー」
青「…ないこ?」
俺がずっと背中を見て追ってきて、俺のなりたかった人。
ないこが居た。
彼の顔を見るだけで胸がきゅーって締め付けられる気がする。
本当は会いたくないはずなのに顔を見れて嬉しいなんてことを思ってしまう自分がいる。
全部こいつの前やと調子が狂う。
桃「お前、活動休止してんのに仕事は休まないの?」
「なかなかの社畜ですなー」笑いながらそう言って俺の頭を軽く撫でてくる。
俺よりも慎重ちっさいくせにそれがとても偉大に見えて俺がこいつを目指してた理由が痛いほど身で感じれる。
青「ないこんち行ってもいい?」
桃「ん!車乗ってきー」
青「あんがと」
すぐ近くに止められたないこの愛車の助手席に座る。
運転席に座った彼の横顔はとても画になる。なんて考えているとその居心地の良さと車による揺れで眠気が襲ってくる。
次に目を覚ましたときはもうないこの家だった。
ないこが来ていたスーツを脱ぎ捨て部屋着に着替えている時に目を覚ましてしまった。
目の前に居た彼の下着を不本意で見る流れになり、それに気づいた彼に「なに見てんのえっち」なんて言われた。
桃「なんでうち来たん?」
青「終電ないし、タクシー金かかるし」
なんて言ってやると「俺は無料だもんなー」なんてげらげらと笑っている。
ないこの家のこの雰囲気が好きなんだよ、優しく笑ってくれるその笑顔も好きなんだよ。
全部が好きだから不意にないこの家に行きたい。なんて思ってしまった。
思ったって気づいた頃にはもう口が先走っていた。
青「…俺、ないこを目指していれいす頑張ってた。」
青「でもお前みたいになんでもできるようなエリートじゃなくて…」
青「それで……しんどくなって休み貰ってた。」
気づいたら俺の活動休止している理由を告げていた。
嗚呼、なんで喋ってしまったのだろう、こんなのバカにされて終わりだろう。
耳がどんどん暑くなって体が熱を持ち始める。
案の定彼は笑った。
…でもその笑いはバカにした笑みがじゃなかった。
桃「なにそれお前俺のこと目指してたの?」
桃「つか「俺みたいに何でもできるエリート」って言った?」
げらげら笑ってその彼の目からは涙が出てきそうなくらいに大笑いしていた。
バカにされているわけではないのが何故か伝わってきて怒ろうに怒れないしなにも声が出なかった。
桃「…俺だってまろのこと目指してたときあったさ」
桃「でもね、俺は俺、まろはまろなの」
桃「誰かを目指して頑張ることも大事だけどまずは自分を大事にしな」
桃「俺はまろがまろをしている方が好きだよ、自分の化身なんて愛したくない」
って言うと自分で言ったことに面白おかしく感じたのか「自分の化身」って繰り返しながら笑っていた。
…そういうところが俺の目指したくなるポイントなんだよ。
でもそうだよな、俺はないこにはなれないしないこだって俺にはなれない。
俺は紛れもなくいれいすダイスナンバー5番のIfで、わがままばかり言って俺におねだりばっかしてくる最年少とアホみたいな喧嘩しかしてない相方、まろちゃーんなんて言いながら追っかけてくる兎や俺の推しでも有り俺がいれいすに入る意味となった最年長。
そして大事な大事な表では相棒、裏では愛棒であるないこがいる。
青「…ほんま、ないこには叶わないな。」
桃「それはこっちのセリフ、少しくらい休んで」
桃「俺、彼氏が病気とかでぶっ倒れてるとこみたくないんだけど」
青「はいはい」
だから今日もまろとして、いれいすのエリート帰国子女ぽえぽえお兄さんとして生きていく。
どのIfも俺は俺であってないこにはなれないし、俺になれるやつなんて居ない。
青「大好きやで」
end
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