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宿に帰った俺は食事を貪っていた。すると、目に入ったのはクラスの奴らだった。
「確かあいつは…高橋と遠藤か?」
見た感じ凄く落ち込んでそうだな。何かあったのだろうか。
「お前が翔太を見捨てなければ翔太は生きてたかもしれないんだぞ!」
「うるせぇ…!お前こそ実際ビビってたんじゃねえのか?」
「あ?なんだやんのか…?」
「バンッ!!」
机が叩かれる音がする。その机の先に般若の面のような顔をした女将が立っていた。
「喧嘩ならよそでやりな!!」
その言葉を聞いた2人が大人しくなり、静かに部屋に戻っていった。
何を喧嘩してようか俺には関係のない話か…。
てか、あいつらもこの宿に泊まってたのか。会わないように気をつけないと。
っとその前にグリモア頭に入れとかないとな…
朝起きた俺は、顔に1発水をかけた。気合い十分十分!毎日の日課としてランニングと剣の素振りを終わらせ、ギルドカードを覗く。
「お!ペンダントのおかげで魔力が1に増えたぞ!後は前回と比べて攻撃が1上がっただけか。やっぱりモンスターと戦う以外はあまり上がらないのか。」
そんなことを確認してギルドへと向かう。
「んー、このスライムを狩るクエストにするか。これなら楽に狩れるだろ!」
クエスト紙を受付嬢に渡す。
「おっ!このクエストに挑戦するんですね!ダガーウルフを倒したユウタさんならスライムなんてイチコロですよ!」
心がモワモワする。なんというのだろうか、長年忘れていたこの気持ち。
「そうそう!スライムを倒す時には中心の核を狙って破壊すれば倒せますよ!」
「ありがとうございます!すぐ終わらして帰ってきますね!」
「はい!」
いつものように街の門から徒歩で目的地に向かう。今回はなかなか近くで歩いて15分くらいにある草原にスライムはいるらしい。
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草原に着いた。なんということだろうか…。
俺もゲームで見た事がある。プルルンとしたひんやりとしていそうなフォルム。穏やかな朝日と爽やかな風、冷たさを感じさせるような澄んだ青色の魔物、そう忘れたとは言わせないここは紛れもない異世界なのだ。
「おりゃァァァ!」
スライムの核目掛けて突進を仕掛ける。
「ブスゥッ」
スライムは突進を避けきれず核に鋭い一撃を受けた。核を破壊されたスライムは溶けるように倒れていった。
「これなら楽にステータスを上げれるぞ!」
簡単に倒せることを知った俺は無差別にスライムを切り刻むことにした。
「オリャオリャオリャ!」
「ブスブスブスッ!」
周りにスライムの死体が転がる。
「はぁはぁ…」
疲れた俺はもう一度息を吸い、次のスライムに焦点を合わせる。
「よし!使ってみるか!」
グリモアに書いてあったことを意識し、掌をスライムの方向へ突き出す。
「我が祖、火の化身イフリートよ。我が願いに応じ、燃え上がる炎の矢で敵を白灰にせよ!」
詠唱を始めた瞬間、意識を集中させていた掌に血液が流れるのを感じ身体が熱を発し手の先に炎の矢が具現化する。因みにめちゃくちゃ掌が熱い。
「”ファイアアロー”」
「ヒューンッ!」
激しく燃える炎の矢がスライムの方向へ飛んでいった。イメージ通りだ。
「ボーンッ!!」
炎の矢が当たったスライムは激しく燃えた後、静かに溶けていった。
「成功したぞ!!」
初めての魔法に感動した俺は気分が最高だった。
「ヒャッホーィ!」
「バーンッ!」「バーンッ!」
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魔法を連発して分かったことがある。この世界にもやはりMPらしいものがあることが。
目眩とだるさだ。使う度に酷くなっていくのが分かる。
「それもそうか。連発出来たら最強だもんな。」
こんな草原で倒れても困るので魔法を使うのは辞めることにした。
俺はステータス上げのため日が暮れるまでスライムを狩り続けることにしたのであった。