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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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主〉慧ちゃん!

慧〉( ˙꒳​˙ )なぁに?

主〉_( _´ω`)_フゥメイドになってくれ!

慧〉嫌ですぅ!

主〉満月に会わせたげるから!

慧〉……みつきぃ?はぁ、いいですよ……

主〉٩(>ω<*)وうん!じゃ、本編へどうぞっっ!!

慧〉……( ⸝⸝⸝⩌⤚⩌)



もしも僕の最推しがメイドになったら…


今日も慧は箒を持って、窓を叩く。埃の匂いに噎せ返る日々。慧はとある御屋敷のメイドとして住まわせてもらっている。そもそも、慧はメイド服のような服を普段から着ていたので見た目上は何も問題はなかった。慧はトラッド系ファッションを好んで着ていた。

「おい、メイド」

「今日はここを空けるから、よろしくな」

もう一つ、ここに雇われた理由がある。

それは、

「承知致しました、ご主人」

圧倒的な忠誠心を生まれ備わっていたのだ。主人のためなら慧は自分の手を染めることも厭わない。たとえ、真紅の色彩に染めるとしても。自ら進んで善意を消費していく。慧の世界には圧倒的な威圧感、正義感、忠誠心がそこにはあった。慧は自分が犯したことも嘘偽りなく主人に伝える。こうして、絶対的な信頼関係を築き上げた。

「………。」

慧の凄いところは冷静沈着で感情に従うことは無い。いや、少ないの方が表現としては正しいのかもしれない。慧はただのメイドでは無い。主人の用心棒でもある。今もこうして、メイド服のポケットに小型のショットガンを常備しようと行動に移している。慧は主人にだけ忠誠深い訳では無い。主人の家族も他のメイドにも執事にも心を許しているのだ。慧を嫌っているメイドも中には入る。だが、慧は心が広く

「仕事仲間なわけだから情に訴えかけないで下さい。」

と、淡々と言うのだ。その姿も絶対零度と言わんばかりの空気感に皆、圧倒されていくのだ。これが威圧感に変わると射殺される。そこだけが懸念点だ。そこまでされるのならば、そいつは心がないんだと確信できる。

慧は箒から、雑巾に掃除道具を変え、近くのキッチンでタイルを磨き始めた。今日も天真爛漫な料理長が笑顔で挨拶する。

「あーおはよう、慧さん!今日もここの掃除ありがとう。」

その言葉を聴き、目を合わせ

「おはようございます。今日の朝食、ご主人がとても気に入られてるご様子でした。とても美味しい御料理ありがとうございました。」

と、挨拶を返す。滅多に言葉を発しない慧からの言葉は自然に笑みが零れる。

「あー、そうでしたかぁ。まだまだですよ!良かったら、また感想聴かせて下さい!参考にしたいので…」

「……。了承致しました。」

そう言い、再び慧はタイルに輝きを施していく。その美しさは慧の顔を写し出した。まるで鏡のように、そのキラキラとした優しいペールオレンジはつやつやと輝いている。

慧はこうして掃除を続けた。そして主人の帰る時間の前に

「……。」

銃弾を撃ち込まないといけない相手と出会った。

「あ、あぁ…?なんだメイドか、驚かせやがって」

ため息を吐く侵入者に最後の懺悔をあげる。

「何か、言い残すことは?」

だが、これまでも撃ってきた侵入者は必ず

「あ?ねぇよ」

と、冷たくあしらうばかりで謝罪の言葉を聴くことはない。素直に罪を認めて入ればになれたのに。

「そう…」

慧は引き金を引く。その瞬間に血痰が床にへばりつく。侵入者が吐き出した血痰は赤く黒ずんでいた。

慧は楽には逝かせない。部屋にあるライフルを侵入者の前に持っていく。その瞬間、侵入者は撃たれた右腕を掴み汚い吐瀉物と同時に呻き声を漏らした。

「………ん。」

慧は黙ってライフル弾をはめ込んだ。主人に歯向かおうとする者は何がなんでも射殺する。

一瞬の隙を見つけて、慧は静かに心臓に穴を開ける。貫通した胴体はぷるぷると震えている。

「……。」

慧は素直じゃない侵入者を拷問にかける。惨いことはしない。ただ、急所の隣を狙って主人に気づかれない場所で息の根を止めることはやれてしまう。もはや慧はメイドじゃない暗殺者と化している。だが、当の本人は

「侵入者を撃って何が悪いの」

と、気づいていないようだ。他のメイドも暗殺に気づくことは無い。何故なら、無音で葬り去ることが出来るのだ。(そういうライフル、ショットガンを持っている。使っている。)

ようやく、主人が出先から帰ってきた。主人は疲れている。そのことを分かっている有能メイド慧は玄関前でひたすら待つ。こうして、主人の荷物を持つことが出来ているのだからいいことしかないのだ。

「おかえりなさいませ、ご主人」

「あぁ…慧、夕食を食べたいのだがシェフに伝えてくれないか?」

「承知致しました。」

「出来れば、今日はスープもお願いしたい。」

「承知致しました。ミネストローネで宜しいでしょうか。」

「あぁ、よろしく頼んだよ。」

今日も慧はメイドとして振る舞う。それは生き甲斐であり、それは幸せ。慧はこれからもここで生きていくのだ。

そして、主人のためにまた手を染るのだ。赤色のどす黒い手に。


fin。.:*・゜

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