此の世界で、僕達はどう生きるのか。
そもそも、僕達には心はあるのだろうか。
いや、ある。
感情を持つなと云われているだけで。
けれど、僕は思う。
” 感情は、本当に必要なのだろうか? “
理由を云おう。
感情があると、悲しくなってしまう。
悲しくなったら、泣いてしまう。
そんなの、面倒臭いだけだろう?
然して、僕達は兵器だ。
兵器という事は、
死が隣にあるという事。
仲間や友人を作ると、
” ソレ “ が死んだ時、辛くなる。
辛いのは嫌いだ。
そう、思っていたんだ。
「やぁやぁA24・7546!」
「なんです、D31・036」
「今日も可愛いねぇ〜!大好き! 」
「はぁ……またそれですか」
「あっ!そういえばさ、」
「私達って名前が無いよね?」
「名前?あるじゃないですか。A24・7546とか……」
「そんなの覚えきれないじゃん!長いし!」
「だからさ、人間の名前みたいなの、付けてみない?」
「……まぁ、良いですよ」
「正直、僕も長いと思っていたんです」
「よォーし!じゃあ早速考えよう!」
「えぇと、私はD31・036だから〜……」
「D……だ…さん…スリーに、ワン……」
「さん……いち……」
「太宰……?」
「で、036だから……治?」
「……いいじゃないですか。太宰治」
「じゃあ次、A24・7546だから〜……」
「ン〜……最初はあつ、敦、とか!」
「それで〜……なな……な、ご……?」
「ごはおかしいから……なか?」
「よん、は、し、でしょ?」
「中島……は?」
「敦中島……はおかしいですね」
「じゃあ逆は?」
「中島、敦……」
「いいじゃん!敦くん!」
「……確かに」
最後は結構無理矢理だったけど……
「じゃあ……これから宜しくね!」
敦くん!
「……はい」
「……」
僕達は ” 機械 “ なのに。
機械だから……
感情は持ってはいけないのに……
之は……何?
心の奥がモヤモヤする。
之は故障?
ならば、機械内システムを確認しないと……
「オペレーターシステム」
『はい』
「機械内システムを確認させて」
『了解致しました』
『機械内システム、確認、快諾』
「有難う」
「……システムに異常無し……」
「何故……」
『其れはね敦くん』
「!?」
「D31……じゃなくて、太宰さんが侵入している……?」
『侵入とは、人聞きが悪いなぁ〜』
『まっ、侵入と同じだけど……』
『さっきの話に戻すけど、』
『其れは、バグじゃないよ、敦くん』
「は……」
『其れは、君本来の姿さ』
「何……云って……」
『君は、感情を持ってしまった』
「僕、が……感情、を……?」
『嗚呼、そうだ』
『恋と云う感情を』
「こ……い……」
Prolog 終了。
これより、本格始動を開始致します。
警告
ここからは、感情を持ってはいけません。
感情を持ってしまったら、
この先、きっと、
辛いでしょう。
コメント
2件